NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

ラブコメ雑感 その一

2020-05-21 12:12:00 | Weblog
ぼくは日頃、ラブコメと呼ばれるジャンルの話を書いているのだが、当然ながらプロ・アマを問わず他の作家の書いたラブコメも読む。

これは一種の「敵情視察」といえるが、純粋に面白いラブコメを探したいということでもある。

読んでいてプロの作家にはおおむね違和感を覚えないのだが、アマチュアの作家の書いた作品を読むと、いろいろ気になる点がある。

それらについて、しばらく書いていくことにしたい。

自戒の意味も込めて、アマチュア作家の陥りやすい問題点について、アトランダムに上げていく。

その一。

これは、プロの作家にすらしばしば見受けられることだが、

「『美少女』いう言葉を、無自覚に乱用する作家が多すぎる」

これである。

美少女という単語は、若い作家はたぶん知らないと思うが、もともと辞書には載っていなかったのである。

オタク文化が興隆し、一般化することによって広まった「スラング」であるのだ。

それを知らずに、使っている作家が多すぎる。

詳しくはPixivの「美少女とは」の項を読んでいただきたい。


「美少女」はかつて、現在スラングとして流通している「美魔女」みたいな立ち位置にあったのだ。

美しい女性を指す言葉は、本来「美女」しかなかった。

それは、成年(と言っても昔は十五過ぎでもそう言われたが)以後の成熟した女性を主に指していた。

次第に人間の寿命が延び、成年イコール二十歳以上をさすようになって、新しい成年以前の美しい女性を指す言葉が必要になって来た。

そこで「美少女」という言葉が生まれたのである。

現在、歴史の長い「美女」という言葉の方が、市民権を失いつつある。

三十歳前後の女優にさえ(例えば新垣結衣さん)、あるいはアイドル(例えば坂道系のグループ)にまで「美少女」という表現を使ってしまう言語感覚、これはどう考えてもおかしいと僕は思うのだが、世の中の大半のひとはどうやらおかしいと思っていないみたいだ。

まずはこのあたりから、「ここが変だよ、今のラブコメ」と申し上げたい。(続く)




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