#271 コレクティブ・ソウル「Shine」(Hints Allegations & Things Left Unsaid/Atlantic)
ゴメン、今週は体が絶不調なので少し短かめにて失礼させていただく。
ジョージア州出身の白人ロックバンド、コレクティブ・ソウルのデビュー・アルバムより、デビュー・シングル。エド・ローランドの作品。
コレクティブ・ソウルは92年結成、93年にアルバムデビュー。メンバーを入れ替えつつ、現在に至るまで9枚のアルバムをコンスタントに発表している。
本国アメリカでは爆発的といかないまでも、ヒットもそこそこに出し、固定ファンもちゃんといるのに、日本ではさほど話題にならないバンドなんだが、一体何故なんだろう。(事実、Wikipediaのぺージさえない。)
おそらく、彼らの場合、サウンドにオリジナリティがある分、「誰か(有名バンド)に似ている」という例えが難しい、そのことがネックになっているような気がする。
リスナーというものはおかしなところがあって、有名バンドをモロに真似た亜流バンドは「パクりじゃん」とこき下ろすのに、声とかハーモニーとかギターリフとかメロディに少し似たところがある程度なら、むしろ好意的にとらえるようなところがある。そして、「○○をリスペクトしています」というアーティストの発言も歓迎したりする。オアシスとビートルズの関係みたいに。
レコード業界、マスメディアにしても同様で、「○○の再来」というフレーズを使って売りたがっている、そんな感じだ。
アーティストにとって一番重要なことは、他の誰にもない「オリジナリティ」であるはずなのに、マス・セールスを第一義とするポップ・ミュージックの世界では、それはあくまでも建前であって、ホンネはむしろ、誰か過去の有名アーティストに似ていて(ルックスも含めて)、そのファンを取り込めるようなアーティストが望ましいみたいだ。
商業音楽である以上、それはある程度いたしかたないが、そのせいで真に実力のある、オリジナリティ溢れたバンドが影に隠れてしまうのは、いいことじゃないよね。
きょうの一曲は、コレクティブ・ソウルのデビュー・ヒット。彼らはジャンルとしてはオルタナティブ・ロック、それもポスト・グランジというカテゴリに入っているようだが、こういう括りってあまり意味がないと思う。
ポスト・グランジとされるバンド群が、みな同じようなサウンドを目指しているとはいい難いし、ひとつのバンドの中でもさまざまなサウンドを持っていたりする。括る側の理由は、そうしたほうが「売りやすいから」であって、括られる側としては、いい迷惑なのであろう。
クラシカルなハードロック、メロディアスでフォーキーなサウンド、ファンキーなビートなど多面的な顔をもつコレクティブ・ソウルは、ボーカルでプロデュースも担当するバンドの中心人物、エド・ローランドの唯一無二の個性を前面に押し出したバンドなのだ。
だから、今回は「○○を思わせる」などというたとえはしない。貴方自身の感性で、彼らの魅力をつかみとってほしい。ローランドの少しハスキーで野性的な歌声、ヘビーでタイトなバンドサウンドに、他のアーティストにない何かをかぎとれるはず、そう思っている。
ゴメン、今週は体が絶不調なので少し短かめにて失礼させていただく。
ジョージア州出身の白人ロックバンド、コレクティブ・ソウルのデビュー・アルバムより、デビュー・シングル。エド・ローランドの作品。
コレクティブ・ソウルは92年結成、93年にアルバムデビュー。メンバーを入れ替えつつ、現在に至るまで9枚のアルバムをコンスタントに発表している。
本国アメリカでは爆発的といかないまでも、ヒットもそこそこに出し、固定ファンもちゃんといるのに、日本ではさほど話題にならないバンドなんだが、一体何故なんだろう。(事実、Wikipediaのぺージさえない。)
おそらく、彼らの場合、サウンドにオリジナリティがある分、「誰か(有名バンド)に似ている」という例えが難しい、そのことがネックになっているような気がする。
リスナーというものはおかしなところがあって、有名バンドをモロに真似た亜流バンドは「パクりじゃん」とこき下ろすのに、声とかハーモニーとかギターリフとかメロディに少し似たところがある程度なら、むしろ好意的にとらえるようなところがある。そして、「○○をリスペクトしています」というアーティストの発言も歓迎したりする。オアシスとビートルズの関係みたいに。
レコード業界、マスメディアにしても同様で、「○○の再来」というフレーズを使って売りたがっている、そんな感じだ。
アーティストにとって一番重要なことは、他の誰にもない「オリジナリティ」であるはずなのに、マス・セールスを第一義とするポップ・ミュージックの世界では、それはあくまでも建前であって、ホンネはむしろ、誰か過去の有名アーティストに似ていて(ルックスも含めて)、そのファンを取り込めるようなアーティストが望ましいみたいだ。
商業音楽である以上、それはある程度いたしかたないが、そのせいで真に実力のある、オリジナリティ溢れたバンドが影に隠れてしまうのは、いいことじゃないよね。
きょうの一曲は、コレクティブ・ソウルのデビュー・ヒット。彼らはジャンルとしてはオルタナティブ・ロック、それもポスト・グランジというカテゴリに入っているようだが、こういう括りってあまり意味がないと思う。
ポスト・グランジとされるバンド群が、みな同じようなサウンドを目指しているとはいい難いし、ひとつのバンドの中でもさまざまなサウンドを持っていたりする。括る側の理由は、そうしたほうが「売りやすいから」であって、括られる側としては、いい迷惑なのであろう。
クラシカルなハードロック、メロディアスでフォーキーなサウンド、ファンキーなビートなど多面的な顔をもつコレクティブ・ソウルは、ボーカルでプロデュースも担当するバンドの中心人物、エド・ローランドの唯一無二の個性を前面に押し出したバンドなのだ。
だから、今回は「○○を思わせる」などというたとえはしない。貴方自身の感性で、彼らの魅力をつかみとってほしい。ローランドの少しハスキーで野性的な歌声、ヘビーでタイトなバンドサウンドに、他のアーティストにない何かをかぎとれるはず、そう思っている。
音曲日誌「一日一曲」#1~#100 pdf版もダウンロード出来ます