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2020-01-05 | ♥クロネコの * たんこ +三毛の * みんこ

温かい昼下がりです

東京新聞の片隅にサンデー版300字小説最優秀賞の記事が載っていた

ニャンとの「不思議な関係」に目に留まった記事だった、、

 

300字とはなかなか良いですね、ちょっと川柳に色づけができる、、、

いかにシンプルに表現できるか、洗練された文士も必ずここを通ったはず

 

TOKYO Webをあけて読んだが、優秀賞もなかなか面白い

転載ですが、お時間ある方はどうぞ (+o+)

 

イラスト・瀬崎修

写真
 

<最優秀賞>不思議な関係 竹内英子

 暖かなある春の日、真っ白な猫がわが家の庭を横切っていった。

 はじめは五日おきくらいに来て、私は不法侵入する猫を「コラ!」と一喝していた。

猫は「何だよ」と言わんばかりに私を睨(にら)みつけ平然と立ち去るのだった。

 そのうち何が気に入ったのか猫は頻繁に現れるようになり、どうやら散歩道としたようである。

私も会えば「こんにちは」と声をかけるようになったが、

猫は「フン」と素知らぬ顔をするばかりで一年が過ぎた。

 春一番が吹いた日、私が風邪で寝ていると、窓の外に真っ白な猫が歩いてくるのが見えた。

 猫は私と目が合うとチョコンと座り、「大丈夫か?」と言うように短い尻尾を振った。

(愛知県豊橋市・主婦・71歳)

◇ ◇ ◇ ◇

<優秀賞>防災教育 植村茂己

 昨今、自然災害は大規模かつ頻繁に発生するようになってきた。

 各地で防災教育が盛んに行われるようになり、

自宅付近でも「災害に対する備え」をテーマとした教室があったので私も参加してみることにした。

 冒頭、講師が、「『天災は○○○○やってくる』と言いますが、○○○○が分かる人?」

と私たちに聞いてきた。

 すると、ある子どもが、「『毎年毎年』です」と答えた。

 別の子どもは、「『次から次に』です」

 さらに、もう一人の子どもが、「『想定外で』です」と答えた。

 それぞれ「なるほど」と思ったが、最近物忘れが激しくなった私にとっては、

今でも「忘れた頃に」が適当な言葉だなぁと思いつつ、災害と物忘れの備えに着手すると決意した。

 (東京都足立区・公務員・55歳)

◇ ◇ ◇ ◇

<優秀賞>若返りの湯 尾崎真人

 ある山奥に、「若返りの湯」と呼ばれる秘湯があった。

男はその効能を確かめようと、近くにテントを張った。

 試みに猿を湯に入れてみた。一時間後、猿は子猿になっていた。

 驚いた男は、次々と試してみた。

 カエルを入れたらオタマジャクシになった。

 トンボを入れたらヤゴになった。

 枯れ葉さえ、若葉になった。

 男は近くの村から一羽のニワトリを買ってきた。早速、若返りの湯に入れてみる。

 一時間後、ニワトリはヒヨコになった。

 男はヒヨコをさらに湯に入れてみた。一時間後、ヒヨコはタマゴになった。

 男の好奇心は止まらない。

 タマゴを一時間、湯に入れてみた。

 タマゴは…温泉タマゴになった。

 (東京都板橋区・会社員・48歳)

◇ ◇ ◇ ◇

<優秀賞>見惚れる 池田東正

 天高く風爽やか、絶好の稲刈り日和だ。

 祖母(ばあ)ちゃんを筆頭に、子、孫、曾孫(ひまご)が勢揃(せいぞろ)いして、

稲刈りが始まった。

 ガチャン! 機械が壊れた。

 人海戦術だ。

 八十八の祖母ちゃんが、「私もやる」。皆が止めるのも聞かずに歩み出す。

 すかさず長女が手をとり、稲の前へ誘う。

 鎌が光った。サクッと小気味よく刈り取る。

 パキッと縛る藁(わら)に折り目をいれる。

 稲束をブルンと回せば、ギュッと締まる。

 サクッ、パキッ、ブルン…無駄なく、力まず、堅調に…サクッ、パキッ、ブルン!

 錦織りなす山裾に、稲束が舞う。

 祖母ちゃんが舞っている。艶やかな日舞の舞台が現れた。

 「祖母ちゃん、キレイだぁ!」

 (愛知県岡崎市・無職・74歳)

 

※行替えは、ブログで読みやすいように勝手に変えました(すみません)

 


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