今日は、金剛能楽堂で開催された「金剛能楽堂開館10周年記念 街かど古典カフェ特別文化講座~能の世界をあなたに~」に参加しました。街かど古典カフェ は、講師の方を囲み、京町家やカフェなどくつろいだ雰囲気の中で、古典に親しみ、学び、こころ豊かな時間を過ごすというものです。過去にいろんな講座に参加しています。今日は朝は良い天気でしたが、徐々に天気も悪くなり、雨も降り寒くなりました。
ロ ビーで、フランスのアルベール・カーン博物館に所蔵されていた1912年(大正元年)に撮影の十二世金剛謹之輔の演能、現存最古の能楽映像の上映が行われていました。「切れのある鮮やかな舞と、朗々たる謡を特徴とする芸風であった」という口伝通りに演じる金剛謹之輔師の姿が映されています。昔の映像なので 細かな記録がなく、ほかの出演者が誰なのか等、詳しい事は調査中とのことです。ロビーには、能装束も展示されていました。間近で見る装束は、とても美しく、刺繍もとても細かかったです。
ロビーでの展示や上映を楽しむ間、舞台体験も行われていました。事前申し込み、抽選で当たった人約20名×2回にわけて行われていました。私も申込んでましたが、あえなく落選(TT)扇を持って揚幕から登場し、簡単な舞に挑戦します。
1回目は猩々(しょうじょう)という演目に出てくるお酒を飲んで“足元はよろよろと~♪”酔っぱらってしまう…舞でした。2回目は熊野の♪たちいでて みねのくもを はなやあらん はつざくらの♪と、会場の皆で謡い、それに合わせて体験者が舞いました。雲かと思って近づいたら桜であったというシーンで、心は満開の桜の海・・・。(^^;)
舞台体験の後は、天野文雄氏(大阪大学名誉教授)と、金剛永謹氏(金剛流二十六世宗家)、金剛龍謹氏(金剛流若宗家)による鼎談(ていだん:3名による座談会の事)「能の見方、楽しみ方」でした。
少し本格的なお話で、初心者の私にはわからない事も多かったですが、宗家がお話しされた中で、能はどのように見ても自由ですが「集中」を感じて楽しんで頂きたいとの言葉が心に残りました。ロングランの歌舞伎や文楽等に比べ、能の舞台はたった一日、その集中力はものすごいのでしょうね。なんか、見る側も緊張してしまいますが、その緊張感がいいのかもしれないです。
最後は、観能で「世阿弥精選五番」です。今年は世阿弥生誕700年だそうで、世阿弥作の「高砂・清経・井筒・班女・野守の演目の一部が順に演じられました。初めての試みで、いわば、能のメドレーです。
先に行われた鼎談で、演目の解説が行われてたので、私にもなんとなーくわかりました。能は他の芸能と比べると、とても詩的なものだそうです。どうとらえるかは自分次第・・・同じ演目を見ても、自分の年齢や経験で見方が変わるのかもしれません。程よい緊張感も楽しめるし、今後も機会があれば能を楽しんでみようと思います。
過去に参加した古典カフェは【カテゴリ:古典カフェ】にて。
金剛能楽堂 http://kongou-net.com/