日々の幸せを育んで

ワンちゃん達がいて、孫達がいる日々の生活。小さな幸せのある暮らしを綴っています。

アトム復活

2008年04月28日 22時34分00秒 | 日々の暮らし

                <写真は、帰宅直後のアトム>

今日はアトムをお迎えに行く日です。
早く家事を済ませたいと思っていたのに、弟に頼まれた書類を速達で送付しなければならなくなってしまって、朝からコンビ二に出かけたりと忙しく、家を出たのは予定を少し回ってしまっていました。

          

病院に着いたのは、9時5分です。
もう待っている人が3人いました。
私の番が来て診察室に入りました。
「術後の経過も良好です。」と、取り出した子宮と卵巣を見ながらの先生の説明を聞いていると、看護師さんがアトムを抱っこして診察室に入って来ました。

「アトム、抱っこしてもらってるの。」
「噛まなかったのですか?」ってお喋りしながら、私はアトムの顔を覗きました。
アトムは、とってもしんどそうな顔をしています。
看護師さんが床にアトムを下ろして立たせようとすると、アトムは倒れました。
私は驚いて床に座り込んで、アトムの耳の近くで、「アトム、アトム、どうしたの?」って声を掛けましたが、動きません。
「先生、アトムの目が動いていません。」って私が言うと、先生は心音を聞きながら、「すぐに点滴します。」って。
慌しく周りの人達が動いていましたが、私はずっとアトムの顔を摩りながら、「アトム、頑張って! 大丈夫よ。」って言っていました。

「今朝からはゲージの中で、ずっとお座りしていました。」って看護師さん。
「麻酔でショックを起こす事はよくあるのですが、こんなに時間が経ってからショックを起こしたケースは初めてです。」
「術後の数値が良好なので、これは精神的なものからくるショックだと思います。」
「極度の恐怖心、不安からきているのだと思います。」
「お母さんの声を聞いて、1人で耐えていたものが、吹き出たのかも知れないです。」って先生。
アトムは体温も下がって、歯茎も耳の中もまっ白になっています。
診察台に載せられても、横たわったまま動きません。

「大丈夫ですか? 助かるのですか?」って聞くと、
「分かりません。う~ん、何とも言えないです。」って答えです。

          

点滴が始まってしばらくすると、アトムは少し手足を動かせるようになったので、身体を温めるために、治療室のヒーターが入っているゲージに移動しました。
そのゲージの前に椅子を置いてくださったので、そこに座ってアトムにずっと話し掛けていました。
アトムはゲージに入れられると、私がどこかに行ってしまうと思っているらしくて、お座りしたまま虚ろな目でじっと私を見つめています。

ゲージに長時間入っていた事がないし、私も娘もいないので、余程不安だったのだと思います。

「お母さんは、ずっとここにいるから大丈夫よ。寝なさい、座っていると疲れるから。」って言っても、座ったままじ~っと私を見つめています。
耳の中は、まだまっ白です。

お水と食事を入れてくださったのですが、少し食べただけで食べません。
やっと寝転びました。
点滴の針が刺さっているので、神経質なアトムはそれがとても気になるようです。

「耳がまだまっ白ですが、身体は温まって来てないんでしょうか?」って、先生が何度目かに来て下さった時、尋ねました。
「体温を上げるには、食事を食べないとね。」って言いながら、先生はアトムの身体に電器が当るようにしてくださいました。

娘にメールで連絡して、弟と主人に連絡するように頼みました。
おトイレに行きたくても、アトムは私が立つと閉じていた目を開いて、力のない目で私を追うので、どこにも行けません。

お昼が過ぎました。
「1時から4時まで会合に出かけます。5時前には帰ってきますので。」
「アトムちゃんを、家に連れて帰るのは今日は無理だと思いますので、お母さんはもう戻ってくださってもいいですよ。」って先生。
「えっ、私が帰ると、アトムはまた悪くなってしまうんじゃないですか?」って私。
「その心配もあるのですが、今日帰るのは無理なので。。。もう1泊しないといけないので、しばらくは鳴くと思いますが、もし鳴いて大変なら、また電話するので、その時にまた来てあげてください。」って先生に言われたので、帰るつもりはなかったのですが、一応アトムに見えないように荷物を持って横歩きしてみると、アトムはすぐに気付いて悲しそうな目で私を見ました。
先生もそれに気付かれて、
「あぁ、やっぱり、お母さんはいてあげてください。」って言われました。

          

先生は出かけられて、その後娘がお昼から仕事だったのですが、お休みして来てくれました。
アトムは娘の靴音を聞いて立ち上がり、娘が入ってくると、いつものしっかりした声で1度吠えました。
尻尾を少し振って、喜んでいます。
娘がアトムの食事を持って来てくれました。

病院の食事をすべてを食べる事ができて、その後何度もフードボールをクンクンしていたので、看護師さんに「家から持ってきた食事を食べさせてもいいですか?」って尋ねて許可が下りたので、娘が持って来てくれた食事を食べさせました。
アトムはすごい勢いで食べていたし、耳に赤味が戻ってきたので、やっと回復の兆しが見えたような気がして、嬉しくなりました。

狭い治療室に座って、アトムだけを見ながら、娘と2人で長時間を過ごしました。
4時半頃に、アトムが大量のオシッコをシートの上じゃなくタオルマットの上にしてしまって、自分の座る場所がなくなったアトムが「クゥ~ン、クゥ~ン。」と鳴き始めました。
ゲージの戸を開けて出してあげると、喜んでいます。

「帰れそうやね。」と娘と喜んでいると、先生が戻って来られてアトムを見て、「あぁ~、よかった、よかった。元気になれたね。帰れそうですね。」って言って、とっても喜んでくださいました。

体温を測ってもらうと、平熱に戻っていました。
先生からの説明を受けて、支払いを済ませて、病院を出たのは6時過ぎになっていました。
朝病院に来てから、もう9時間が過ぎています。

今日は、大変な1日でした。
遠く離れて、様子が見えない弟や主人はどんなに心配したんだろうって思います。
でも、半分死に掛けたアトムが、元気に復活して、家に戻ってくる事ができました。
みんなの気持ちが、アトムに通じたのです。
アトムの気持ちも、私達に通じました。
本当に嬉しいです。

帰って来てホッとしたら、涙が溢れてきました。
死ぬのは、リーとナナだけでもう充分です。
マリーもアンもアトムも、元気に長く生きていて欲しいです。