まんぼ~任三郎 タヒチ・ボラボラ島編(3)

2022年04月20日 | その他

※ 解決編

イアオラナ~ 事件は無事に解決しました。
早速ですが、無人島のご馳走を食べたのはリーダー! あなたです。

あれ、リーダー。 少し寝不足なのでは?

「あなたが起こしたからでしょ」

「朝から2人でノコノコとやってきて、昨日の今日で何を言い出すかと
思ったら犯人扱いですか。  しかも、こんなお天気の良い日に」

ええ、絶好の逮捕日和なものですから、善は急げとばかりにお邪魔
した次第です。

「そこまで言い切るのであれば、それなりの根拠があるのでしょう」

「間違ってました、ごめんなちゃ~い。 では済みませんからね」

「まぁ、お話を聞こうじゃないですか」



えー、事件の真相はそれほど複雑ではありません。

まず最初に、佐藤さんから現金を借りた件についてお話をします。

あなたはバイタペのスーパーでお買い物をするために、佐藤さんから
お金を借りたと言いましたが、これには別の目的があったのですね。

お金を借りたのは、ヨットをレンタルするのが目的だったのでしょう。

つまみ食いの計画がなく、ただヨットを借りるだけであれば、あなたは
クレジットカードを使っていたはずです。

しかしながら、今回ばかりは現金でなければなりません。



クレジットカードで精算をすると名前の記録が残るために、どうしても
現金で支払う必要があったのです。

遅かれ早かれ、警察が捜査に乗り出すことも分かっていたのでしょう。

だから、足が付かないように現金でヨットを借りたのですね。

それに地元の人じゃあるまいし、1万フランという金額もスーパーでの
お買い物には多すぎます。

ヨットをレンタルする代金だと考えれば、妥当なところでしょうか。

やはり、YOUがキムラタクヤだと考えるのが自然です。



「YOUとか、ふざけるのはやめて下さい」

「なんで、まんぼ~さんはそういう屈折した発想になるんですか」

「ボラボラ島のどこかにいるキムラタクヤさんがヨットをレンタルしたの
だと、素直に考えるべきだと思いますけどね」

「中途半端な金額だと返す時に面倒だと思ったから、キリのよい金額
を借りただけです」

「佐藤さんも綺麗に1万フランで返ってきた方が良いと思ったからこそ、
1万フランを借りたんですよ」

「僕に限らず、世間の人は同じように考える人も少なくないのでは」

「まぁ、いいですから、お話を続けて下さい」



それでは、お話を続けます。

気持ちよくヨットでラグーンを漕ぎだしたYOUは・・・。

じゃなくて、あなたはお目当ての無人島に向かうことになります。

あなたはボラボラ島に何度も足を運んでおり、島の事情をよくご存知で
あることは言うまでもありません。

研修メンバーによれば、ほぼ全てのリゾートホテルに宿泊経験があり、
アクティビティも沢山経験されていると伺っています。

おそらく、以前にアクティビティで無人島に上陸したことがあり、その時
に高台にご馳走が置いてあったことを覚えていたのでしょう。

だから、自分の経験に照らし合わせて無人島を目指したのです。



こう言ってはなんですが、あなたのつまみ食いに対する情熱は人並み
外れたものがあると思います。

隣と言っても距離がありますし、波や風の影響を受けて明後日の方向
に行くことも考えられます。

そんな危ないことを積極的にしようと思うのは、危険を予測する感覚が
欠落しているのです。

遭難して運良くビーチに辿り着いたとしても、何日後に救助隊が来るか
分かりませんから、とても心細いことになります。

ところが、あなたは遭難することも美味しいと思っているくらいに感覚が
ズレてるに違いありません。



以前に読んだ本によれば、人間には飛びぬけて非合理的な行動を・・・

「ちょっと、ちょっといいですか」
「まんぼ~さんの話が明後日の方向に行って遭難してますよ」

「僕の感覚の話はいいですから、早く無人島に到着してくれませんか」

失礼しました。 つい熱くなってしまったもので。

えー、島に上陸したあなたは、それはそれはワクワクした気持ちで高台
への道を登っていたはずです。

もしかしたら、またご馳走が置いてあるかも知れない。

そう考えるのは自然なことです。



そして、期待に胸を膨らませて登った高台には、予想した通りご馳走が
置いてありました。

まるで、わざわざやってきた冒険者のためのご褒美であるかのように。

眩しい太陽も、空を飛ぶ鳥も、そこに咲く花も、全てがあなたの努力を
称えてくれているような幸せな気持ちになったことでしょう。

あとはボラボラ島の美しいラグーンの景色を眺めながら、誰にも邪魔を
されることもなく、モグモグとご馳走を食べた・・・。

ポンっ! シュワシュワ~♪

勝利の美酒と共に、さぞ楽しいひと時を過ごしたに違いありません。

これが今回の事件の真相です。







「まんぼ~さんの言いたいことは良く分かりました」

「少し気になるところもありましたけど、まるで宝探しの映画のようで、
思わず聞き入ってしまいましたよ」

「めでたし、めでたし で終わっても良さそうな物語じゃないですか」

「どうしても僕を犯人にしたいようですけど、今のお話では僕にも納得の
出来ない点があります」

「お金を借りた理由も、ヨットを借りたことも、そして無人島に置いてある
ご馳走を食べたことも、全てが憶測じゃないですか」

「あなたの言う通りにすれば犯行が可能だと言ってるだけで、僕が犯人
だという決め手にはなってない」

「僕ではない別人がヨットで無人島に行ったのかも知れませんからね」

「熱くなってるようですし、何か冷たい飲み物でもいかがですか」



ん~、冷たい飲み物ですか・・・ フフフフ。

残念ながら、まだお話は終わっていません。

はいっ! そうなんです。
冷たい飲み物が今回の事件を解決へと導いてくれました。

えー、今池君がリゾートに確認したところ、あなたは外出する少し前に
お部屋のミニバーからドリンクを取り出していますね。

ヒナノビール、ロツイジュース、ミネラルウォーター。

短時間でこれらのドリンクを部屋で飲むとは思えませんし、ゴミ箱には
空き缶などがなかったことから、外に持ち出したと考えられます。

なぜ、ミニバーのドリンクを外に持ち出したのですか?

「だからっ! バイタペに釣りに行くからに決まってるじゃないですか」

「ご存知のように外は暑いですし、釣りをしている間に喉が渇くと思った
から、ミニバーのドリンクをバイタペに持っていったんです」

「ボラボラ島でなくても、釣りにはドリンクくらい持参するものですよ」

「部屋から持ち出したとしても、それで犯人とはならないです」



つまり、ドリンクを部屋から持ち出したことはお認めになると。

「そうですよ。釣りに行くのに持っていったんです」
「持ち出すのはマナー違反でないし、別におかしいことではないでしょ」

お気付きになってないようですが、今の発言で自分がウソをついている
ことをお認めになったようなものなんです。

「何を訳の分からないことを言ってるんですか」
「言いたいことがあるならハッキリと言えばいいでしょ」

まだお分かりになりませんか。

問題なのは釣りのところではなく、スーパーのところなんです。

あなたはバイタペに行った目的の1つとして、スーパーに買い物に行く
ためだったと言いました。

さらに、研修メンバーの松本さんにアドバイスをしたそうですね。
ドリンクはリゾートよりもバイタペのスーパーが良心的な価格であると。

つまり、スーパーで買った方がお得であることを知っています。





いいですかっ!

我々のように右も左も分からない人が、ミニバーのドリンクをバイタペに
持って行くことは不思議ではありません。

ところが、あなたのようにボラボラ島の事情に詳しい人が持って行くのは
とても不思議なことなのです。

もう、お分かりですね。

なぜ、今からバイタペのスーパーに買い物に行く人が、お部屋のミニバー
のドリンクを持って行く必要があるのでしょうか。

良心的な価格でドリンクが手に入ることを知っているのに、リゾート価格
のドリンクを持って行く人なんているはずがないっ!

荷物になるし、温かくなるし、スーパーがあるバイタペに持って行っても
何も良いことがありませんっ!

つまり、つまりですよ。

ミニバーのドリンクを持ち出したことが、あなたがバイタペには行ってない
ことを証明してます。

なぜ、バイタペに行ったとウソをつく必要があるのでしょうか?
本当はバイタペではなく、どこで何をしていたのでしょうか?

誰もが納得できる説明をお願いします。



「チッ、乗り切れると思ったのに・・・」

「ヨットに乗っている間にも喉が渇くと思ったし、何かトラブルがあった時
のために、ミニバーのドリンクを持ち出したんですよ」

「ご馳走がなかったとしても、高台でのんびりと過ごすつもりだったから、
ドリンクくらいはあった方が良いかなと思ったんでね」

「お金を借りたことを調べてるとは思わなかったから、質問をされた時に、
ついスーパーに買い物と言ってしまった」

「アレさえ言わなければ・・・」

「それで、いつの時点で僕が犯人だと確信したんですか?」

最初にリーダーの水上バンガローにお邪魔した時です。

「それはウソでしょ。 強がるのはやめて下さい」

「スーパーで買い物と言ってしまったのはミスでしたけど、まだ犯人だと
確信されるだけの根拠はなかったはずです」

ん~、釣り竿が長いままでした・・・。



こちらのリゾートからバイタペまでは、ボートとバスを乗り継いで行くと
あなたは教えてくれました。

ボートやバスに乗ってリゾートに帰ってきたのであれば、釣り竿が短い
状態になっていないと辻褄が合いません。

長い状態だと乗り物のアチコチに釣り竿がぶつかりますし、何より他の
乗客に当たって危ないです。

にも関わらず、あなたの部屋の釣り竿は長い状態で置かれてました。

それで私は確信しました。
この人はバイタペには釣りに行っていないと。

釣りに行ったと言うのであれば、釣り竿を短い状態にしておくべきです。

遠足のような気分で無人島へのピクニックを楽しんだつもりでしょうが、
足を伸ばしすぎるのも考えものです。

さぁ、行きましょう。

パパパパパ パパパパ~♪







パパパパパ パパパパ~♪

・まんぼ~任三郎(田村真和)
・犯人のリーダー(大食太朗)
・今池慎太郎(西村正彦)

企画:近藤祐輔
構成:植田正代
美術:東野かおり
技術:内海つばさ
 
・スポンサー(まんぼ~グループ)

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協力:(株)近藤トラベルサービス
制作:まんぼ~テレビジョン

この物語はフィクションであり、実在の人物や事件とは関係ありません




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