寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

役員の憂慮(9)

2010年10月26日 07時28分05秒 | 日記
山本深雪さんのテレパシ―を受けて山の中にある村にたどり着きました。ここまでは来たけれど果たして何処へ行けば良いのか途方に暮れていますと『富田屋はこっちだよ』とバスの運転手が指を指しました。
見れば鬱蒼と茂る山道が口を開けていました。
向こうをのぞき込むが先が判りません。 『どうしょう…』 円山本部長は迷いました。
『お客さん大丈夫だよ!』
運転手が手を振りながら歩いて行け、と身振りをします。
『あの~とみだやがあるんですか?』
『そうだよ、しばらく歩けば見えるよ』人の良さそうな運転手が言います。
周りには古びた民家がパラパラとあるだけでした。
そうか深雪は富田屋を指しているんだな♪
富田屋はたぶん民宿かなんかだろうか? 日もまもなく暮れるはずだし…
『ありがとう…』 円山本部長はそう判断して運転手に礼を言うと山道へ向かいました。洞窟みたいな山道は 上から杉や檜が茂っていて日光も遮るほどです。
『確か暗夜行路てあったよなぁ…』 それほど太陽を遮って薄暗い山道でした。道幅は3メートル位の林道なのでしょうか途中出合う人さえありません。半時程歩いたとき急に目の前が開けてきました。
ちょうど小高い山の中腹当たりに出ました。
眼下にはなだらかな山裾に野原がいっぱいに広がっていました。その真ん中に沿って小道が付いています。
『道を間違ったかなぁ』思案げに見渡しますが富田屋の看板どころか人家さえありません。
『ふぅ~』溜息をついた円山本部長は道端に腰を下ろしました。
『キキキ~』鋭い鳴き声に振り替えると百舌の鳴き声と分かりました。
『あれ♪』
見上げてみれば、小振りな民家がありました。
『そうか♪』
見晴らしの良い下の方ばかり見ていたので気がつかなかったのでした。その建屋は十メートルほど上にありました。
白っぽい屋根が林の中にチラッと覗いていました。
『あれか…』
他にはなにも見当たりません。
山の中腹にへばり付くようにその民家?はぽつりとありました。
コメント
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