円山本部長は愛人の山本深雪さんのテレパシ―に導かれて山深い鄙びた民宿を目指しました。山道を歩き続けようやく民宿を見つけたのでした。人二人が並んで通れるくらいの狭い石段をゆっくりと登りました。 二十段の石段は所々崩れ落ちて山土が覗きだしていました。
登り切ると結構な広場が現れてきました。その先に民宿はありました。 民宿というより民家でしょうか。
入母屋型の古風な建ち前でした。
全体を見渡すと山の中腹を削り取った跡地に建っているようです。
『ふう~』一息入れて円山本部長は 入母屋造りの玄関を目で探しました。良く見れば古風な建物でもどことなく気品が漂っているのは整然とした雰囲気のせいでしょうか。それとも深雪が案内してくれた宿屋からでしょうか。
兎に角円山本部長はこの古風な宿屋が気に入りました。『これで紅葉の時期ならもっと良かったね』
苔と雑草の茂る広場?庭かも(笑)を横切りながら玄関に歩いて行きました(笑)
『こんにちは♪』円山本部長は広場を横切りながら声を掛けました。 黙っているとあまりにも辺りが静かすぎたのですが… 果たして誰もいる様子がありません。軒下には小さな『富田屋』の表札がありました。
『あぁやっぱりここだ』表札を確かめた円山本部長はやれやれでした。 …しかし人の気配がありません。 『こんにちは』
円山本部長は中に向かってもう一度声を掛けました。 『は~い』
しばらくして横手から返事がありました。
それは思わぬ方角から聞こえてきました。 円山本部長が声のする方に目をやるとそこにはおばあさんが立っていました。
『あれっ』
見た顔だぞ。
そうです。バスに一緒に乗っていたおばあさんでした。
『お客さん円山さんと言うんだろ…』
『えっ!どうして名前を…』たじろいだ円山本部長をジロジロ見ながら『予約したのはあんたじゃあないのかね…』
おばあさんは言いますが、直ぐにピンと来たのです。 …そうか深雪が予約を取っていてくれたんだ…
『あの連れが来ていませんか』円山本部長は深雪が来ている気がしました。
『あぁ来ていなさるよ』
やっぱり深雪だ♪ 円山本部長は胸が踊るような気分になりました。
登り切ると結構な広場が現れてきました。その先に民宿はありました。 民宿というより民家でしょうか。
入母屋型の古風な建ち前でした。
全体を見渡すと山の中腹を削り取った跡地に建っているようです。
『ふう~』一息入れて円山本部長は 入母屋造りの玄関を目で探しました。良く見れば古風な建物でもどことなく気品が漂っているのは整然とした雰囲気のせいでしょうか。それとも深雪が案内してくれた宿屋からでしょうか。
兎に角円山本部長はこの古風な宿屋が気に入りました。『これで紅葉の時期ならもっと良かったね』
苔と雑草の茂る広場?庭かも(笑)を横切りながら玄関に歩いて行きました(笑)
『こんにちは♪』円山本部長は広場を横切りながら声を掛けました。 黙っているとあまりにも辺りが静かすぎたのですが… 果たして誰もいる様子がありません。軒下には小さな『富田屋』の表札がありました。
『あぁやっぱりここだ』表札を確かめた円山本部長はやれやれでした。 …しかし人の気配がありません。 『こんにちは』
円山本部長は中に向かってもう一度声を掛けました。 『は~い』
しばらくして横手から返事がありました。
それは思わぬ方角から聞こえてきました。 円山本部長が声のする方に目をやるとそこにはおばあさんが立っていました。
『あれっ』
見た顔だぞ。
そうです。バスに一緒に乗っていたおばあさんでした。
『お客さん円山さんと言うんだろ…』
『えっ!どうして名前を…』たじろいだ円山本部長をジロジロ見ながら『予約したのはあんたじゃあないのかね…』
おばあさんは言いますが、直ぐにピンと来たのです。 …そうか深雪が予約を取っていてくれたんだ…
『あの連れが来ていませんか』円山本部長は深雪が来ている気がしました。
『あぁ来ていなさるよ』
やっぱり深雪だ♪ 円山本部長は胸が踊るような気分になりました。