すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【プレミアリーグ 23/24 第4節】ホームでチェルシーがまたやらかす ~チェルシー 0-1 ノッティンガム・フォレスト

2023-09-10 05:06:20 | イングランド・プレミアリーグ
手も足も出ないシャットアウト負け

 チェルシーは今季もやれやれなシーズンになりそうだ。

 場所はホームのスタンフォード・ブリッジ。しかもまったく怖さのないノッティンガム・フォレストに後半3分に先制され、あとは引かれて守られいいところなく0-1でシャットアウト負けだ。目を疑う惨状である。

 いまにしてみればチェルシーは、もっと強力なストライカーを獲るべきだった。

 この日は前線のFWニコラス・ジャクソンが大ブレーキになった。ここぞという決定的な場面で彼にボールが行くが、ごくカンタンな状況でも決められない。

 それにくらべ、途中から出てきたフォレストのFWアンソニー・エランガはすばらしかった。細かく正確なボールタッチとマーカーを欺くトリッキーな動き。

 なぜこの選手が控えにいるのか? と目をこすった。チェルシーはこういう選手をこそ獲るべきだったのに……。

エンソはいいが組み立て役で使え

 チェルシーで機能していたのはエンソ・フェルナンデスとラヒーム・スターリング、チアゴ・シウバだけだった。

 だがエンソを一列上げてシャドーで使ったのは失敗だ。それでは組み立て役がいなくなる。前節までは相方だったCMFモイセス・カイセドは見事に消えていた。

 確かにエンソは前線で鋭いスルーパスを出していた。だがチームの基盤になるビルドアップ役がいないのではお話にならない。

 チェルシーはストライカーとアシスト役の欠乏が深刻だ。

 昨季はあれだけ大金を使って選手を取ったのに、今季になれば足りない選手がいるとはいったいどういうことなんだろう。

 このチームは選手獲得という重要なコーディネートがまったくできていない。そこがまるでアウト・オブ・コントロールだ。

 この悲惨な集団を生き返らせる役目だとは、マウリシオ・ポチェッティーノも大役を仰せつかったものだ。

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【プレミアリーグ 23/24 第4節】ハーランドがハットでシティ4連勝 〜マンチェスター・シティー 5-1 フラム

2023-09-04 08:22:49 | イングランド・プレミアリーグ
アカンジが偽CB化しビルドアップする

 マンチェスター・シティは9月2日に行われたプレミアリーグ第4節フラム戦に、5-1で完勝した。ハーランドがハットトリックを達成し、チームは開幕から4連勝を飾った。

 結果的に5-1と大差になったが、前半アディショナルタイムに入るまで試合は1-1で推移し息詰まる前半になった。殴られても殴られても前に出てくるフラムの折れない闘争心は素晴らしかった。彼らに敬意を表したい。

 さてシティのフォーメーションはいつもの4-2-3-1だ。ビルドアップはCBアカンジが偽CB化し前に出てCMFロドリと並び、CMFコバチッチを上がらせ3-2-4-1に可変して行う。守備時4-4-2だ。

 ロドリは適宜、最終ラインにも降りる。彼らは敵最終ラインがボールを保持すると、4〜5枚でハイプレスに行く。そして押し込み切るとセンターサークルに1枚だけ残して全員が上がり切る。

 初出場のベルギー代表MFドクは立ち上がりは右サイドハーフだったが、前半途中から逆サイドのフォーデンとポジションチェンジしている。

ファイティングスピリットがすばらしいフラム

 シティの先制点は前半31分に生まれた。コバチッチが縦にスルーパスを入れ、ハーランドが右に折り返してアルバレスが決めた。今日もシティは好調だ。

 だがフラムも黙っちゃいない。33分。フラムが右CKを受けてニアのヒメネスがワンタッチでシュートし、GKエデルソンがボールを弾くも最後はティム・リームが押し込んだ。これで1-1の同点だ。この得点後、彼らは堂々とシティを押し込み、しばらく攻め立てた。

 フラムの攻撃力はあなどれない。ファイティングスピリットがすばらしい。前節、アーセナルとの試合でも彼らのプレーを見たが、攻めが鋭く印象に残った。フラムは弱者のサッカーをせず怖気づくことなく攻撃し、シティと対等に攻め合っている。ボールが一方のゴールからもう一方のゴールまで盛んに行き来し、非常におもしろいゲーム展開になった。

 さてシティの2点目は50分だった。左CKからゴール前にボールが入り、フリーのアケがヘッドで見事に決めた。2-1とシティがリードする。

 ただこのときオフサイドポジションにいたアカンジが足を動かしボールを避けたのだが、これがプレーに関与したとの疑念もあり、フラムが執拗に抗議した。だが得点は認められる。

シティがビルドアップを変える

 ゲームは後半に入った。シティはアカンジが右CBに変わる。そして右CBだったディアスが左CBに入った。これでシティはビルドアップ時、CBアカンジが右にスライドして右SBウォーカーを前に押し出す。そして3-2-4-1でビルドアップする形に変わった。

 また前半のビルドアップとちがい、中盤には2人のCMFコバチッチとロドリが並んでいる。ただしロドリは適宜、最終ラインにも落ちる。

 シティの3点目は58分だった。味方からパスを受けたアルバレスがワンタッチできれいに縦パスを出し、敵に当たったボールをハーランドが左足で落ち着いてゴール左に収めた。

 2点リードされたフラムはビルドアップするシティに前3枚でハイプレスをかけ、奪うと後ろから2〜3枚がなだれ込んで攻撃する。フラムのフォーメーションは4-3-3だ。彼らはボールを失っても同じフォーメーションで前から守備をする。また下がって守備ブロックを組むときは4-5-1になる。

フラムが最後まで総攻撃をかける

 シティの4点目はPKだった。まず右サイドから浮き球のダイアゴナルなパスが出る。受けたアルバレスが胸でトラップしたところ、後ろからディオップが引っ掛けてファウルしPKになる。キッカーはハーランド。彼はゴール左のサイドネットに目の覚めるような弾丸シュートを打ち込んだ。

 だがフラムの闘志はまだまだ衰えない。シティのビルドアップに対し、今度は敵陣に3トップと2IHの計5人が残りプレスをかけては奪うと攻撃に出る。GKエデルソンのボールにまでプレスを見舞う。彼らの最後まで闘う気持ちには胸が熱くなる。

 さて後半アディショナルタイムにシティの5点目が入った。途中出場のセルヒオ・ゴメスが、鋭いドリブルでボックス左に入り込む。そして狙いすました強くて速いマイナスの折り返しを入れる。受けたハーランドはゴール左に地を這うような痛烈なショットを見舞った。

 これでハーランドはハットトリック。チームは開幕から無敗の4連勝だ。今季もシティが猛威をふるっている。

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【プレミアリーグ 23/24 第3節】シティが圧倒的に押し込むが苦戦する ~シェフィールド・ユナイテッド 1-2 マンチェスター・シティ

2023-09-03 08:44:26 | イングランド・プレミアリーグ
シティが開幕3連勝する

 プレミアリーグの第3節が8月27日に行われ、マンチェスター・シティとシェフィールド・ユナイテッドが対戦した。2-1でシティが勝利した。スコア上は接戦だが内容はシティの圧勝だった。

 マンチェスター・シティはリーグ2連勝でアウェイの地に乗り込んできた。

 前半は両者無得点で推移したが、後半に入ると62分にシティが先制。そのままシティが押し切るかに見えたが土壇場の85分にシェフィールドが同点にする。だが直後の88分にシティが決勝点を上げ押し切った。

 シティのフォーメーションは4-2-3-1だ。GKはエデルソン。右SBはカイル・ウォーカー。CBはルベン・ディアスとナタン・アケ。左SBには新加入のヨシュコ・グバルディオルが入る。

 CMFはロドリとマテオ・コバチッチが務め、2列目は右からベルナルド・シウバ、フリアン・アルバレス、ジャック・グリーリッシュ。ワントップはアーリング・ハーランドだ。

ほぼハーフコートマッチ化する

 試合はシティが一方的にボールを保持して敵陣に押し込む形になる。ポゼッション率は80%近く、ほぼハーフコートマッチ化している。

 前半20分にFKからベルナルド・シウバが左足でクロスを入れ、アケがゴールするが、頭で触っていたロドリがオフサイドで得点ならず。

 続く35分には敵陣でのボール回収からグリーリッシュがスルーパスを入れ、アルバレスが折り返す。このときジョン・イーガンがハンドを犯し、シティのPKになる。ハーランドが蹴ったがポストに嫌われゴールできない。

 シェフィールドは3-5-2だが守備時5-3-2になる。ペナルティエリア内ではハーランドを2人がかりで掴んで抑えている。彼らはひたすら引いて耐え、時間を使う。たまに2人くらいでカウンター攻撃にうつるが散発的にすぎない。

63分にシティがやっと先制だ

 後半に入ってもゲームの構図は変わらない。50分には左サイドからクロスが入り、ハーランドがムリな態勢でフィニッシュするが、わずかに外れる。

 50分を過ぎると、ついにシェフィールドは全員が自陣ボックス内に入って守り始めた。ああ、なんてこった! まるでフットサルになっている!

 60分にはスペースのないところでコバチッチが短いスルーパスを出し、ハーランドがシュートするが決まらず。

 そして63分だった。2人にマークが付かれた状態で、グリーリッシュが一瞬のスキを突き左サイドから高いクロスを入れる。これにファーでハーランドがヘッドで叩きつけた。ゴール。1-0だ。70分にもハーランドがスルーパスに裏抜けし、シュートを決めたがオフサイドになってしまった。

終盤追いつかれるがシティが突き放す

 70分ごろから、シェフィールドはようやく前からプレスをかけるようになる。やっと彼らはシティ陣内に入って攻めるようになった。

 かくて85分。シェフィールドは反転攻勢に出る。敵陣の左サイドからトラオレが縦に仕掛け、マイナスのボールを出す。

 ここから混戦になり、ウォーカーが自陣でラインアウトしようとしたボールを無理にバックヒールで残したことがアダとなり、このボールを拾われて最後はジェイデン・ボーグルが右足で強烈な一発を決めた。1-1。同点だ。ここまではシェフィールドのゲームプラン通りだろう。

 一方、追いつかれたシティも攻めに出る。88分だ。ウォーカーが敵陣右サイドでボールを奪還し、マイナスのボールを入れる。フォーデンが収めようとしたがならず。そのこぼれ球をロドリが豪快に叩き込んだ。試合はこのまま終了した。

 シティは圧倒的に押し込みながら同点にされたが、最後は勝負強いところを見せて開幕3連勝とした。一方、シェフィールド・ユナイテッドはこれで3連敗になった。

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【プレミアリーグ 23/24 第3節】マンUが11対10の「駒落ち」戦を制す 〜マンチェスター・ユナイテッド 3-2 ノッティンガム・フォレスト

2023-09-01 05:00:50 | イングランド・プレミアリーグ
なんと前半4分までにフォレストが2点を取る異例の展開に
 
 プレミアリーグでは8月26日、第3節が行われ、マンチェスター・ユナイテッドとノッティンガム・フォレストが対戦した。場所はユナイテッドの聖地、オールド・トラフォードだ。

 彼らは立ち上がりに連続失点したが、エリクセンとガゼミロのゴールで同点に追いつくと、最後にブルーノ・フェルナンデスが運命のPKを決めて衝撃的な逆転勝ちを収めた。

 この試合、ユナイテッドは序盤にまるでフリーズしたかのように聖地で強烈なパンチを食らう。

 まずは前半2分だ。ユナイテッドのCK崩れで、ボールを回収したフォレストのFWタイウォ・アウォニーが敵陣からドリブルで70メートルを完全独走。最後はご丁寧にフェイクを入れて敵GKアンドレ・オナナを転倒させ、ゴール右に押し込んだ。彼は昨季から数えてリーグ7戦連続ゴールだ。

 続く同4分には右サイドのFKからのボールを、フォレストのDFウィリー・ボリが頭でコースを変えゴール右スミに叩き込んだ。これで早くも2点をリードしたフォレスト。彼らは相手ボールになるや「さあ来い」とばかりにリトリートし、自陣に5-3-2の堅陣を組んで完全に立てこもった。

 ここからの展開はもうお分かりだろう。コーナーに追い詰めた(かに見える)格下ボクサーをチャンピオンがひたすら連打する。で、敵が構える堅城に開いたかすかな穴を頼りに、敵の大将の首を取りに行くのだ。

 ユナイテッドのフォーメーションは4-2-3-1。GKはインテルから移籍してきた元カメルーン代表アンドレ・オナナだ。最終ラインは右からアーロン・ワンビサカ、ラファエル・バラン、リサンドロ・マルティネス、ディオゴ・ダロットが構える。CMFはブラジル代表のカゼミロとデンマーク代表クリスティアン・エリクセンだ。

 2列目は右からアントニー、そしてPL月間最優秀選手賞の常連でポルトガル代表のブルーノ・フェルナンデス、アカデミー育ちでマンU一筋の10番イングランド代表マーカス・ラッシュフォード。ワントップはASモナコから19才でマンUに来た(一時セビージャを挟み復帰)のフランス代表アントニー・マルシャルだ。

ユナイテッドが反撃の狼煙を上げる

 ユナイテッドの1点めは17分だった。ブルーノ・フェルナンデスの強烈なシュートを敵GKマット・ターナーが弾く。そのこぼれ球をひろったラッシュフォードが、少しドリブルして左のポケットから速いクロスを入れる。

 エリクセンが一瞬でワンタッチ・ゴールを決めた。1-2だ。

 あとは5-4-1、5-3-2、5-2-3と微妙に形は変わるがフォレストが自陣に引き、まだ前半だというのにほぼハーフコートマッチだ。やれやれな展開である。

 たまにフォレストがボールを奪うと、数人が上がって鋭い攻めを見せはする。もしくはロングボールを敵陣に1人残ったワントップのタイウォ・アウォニーに入れる。そんな駆け引きが前半いっぱい続いた。

 ユナイテッドは完全に前がかりになっているので、彼らの背後のスペースを狙って一発のロングボールで、というテは確かに有効だ。かくて前半が終わる。

マンUがデザインされたセットプレーで2点目

 後半に入り、ユナイテッドは立ち上がりからDFバランに代えてDFビクトル・リンデロフを入れる。

 フォレストはすっかり正常運転に変わり、今度はふつうに攻めるようになった。確かに引き過ぎるより、こうして前に出て陣地を回復する方がかしこい。攻撃は最大の防御なり、だ。

 さてユナイテッドの2点目はトリッキーにデザインされたセットプレーからだった。後半7分だ。

 ゴール右からのFKをブルーノ・フェルナンデスがなんと真横に蹴る。受けたラシュフォードが今度はゴール方向へ縦に浮き球を入れた。これにB・フェルナンデスが走り込み、ヘディングでワンバウンドの折り返し。仕上げは飛び込んだカゼミーロが腿でワンタッチしてから右足でゴールに「パス」をした。2-2だ。

 さてこれで同点になりフォレストがどう出るか? である。引き続き引き気味で引き分け狙いで行くのか? それともゾーンを上げて勝負の1点を取りに行くのか?

 結果は後者だった。フォレストはまるで別人になったみたいに敵陣目がけてラインを上げる。これで勝負は面白くなった。迎え撃つユナイテッドは後半15分に、マルシャルに代えてイングランド代表FWジェイドン・サンチョを投入する。

フォレストがDOGSOで1人退場になる

 フォレストは仕込んだセットプレーを操りながら、すっかりアグレッシブになって攻撃した。彼らは攻めると案外、鋭い。15分過ぎにはユナイテッドのボックス付近でパスを繋いで圧をかける。

 そうこうするうちユナイテッドのボールになり、逆に彼らがカウンターを打つ。今度はフォレストの背後にスペースがあるだけに攻めがいがある。勝負はすっかりイーブンになり攻防が続いた。

 だがそんな「平手」の戦いは続かない。22分だった。カゼミーロが自陣から縦にロングフィードを入れると、ライン裏のスペースで徒競走になった。そしてボックス手前で揉み合ったB・フェルナンデスがジョー・ウォーラルに倒される。主審はDOGSO(決定的な得点機阻止)と判定しウォーラルにレッドカードを出す。フォレストはついに10人になった。

 これでまた「駒落ち」戦に戻ったわけだ。だが格下が駒を落とす将棋なんて聞いたことがない。格上のユナイテッドが優勢になるのは当たり前だろう。フォレストは5-3-1で対応する。またハーフコートマッチだ。だがさっきと大きく違うのは、攻め手の方が1枚多い点だ。

 かくて31分。フォレストのダニーロが魅入られたようにボックス内でラッシュフォードを倒し、PKが宣言された。キッカーはB・フェルナンデスだ。彼はきっちり左下スミに決めた。とうとうユナイテッドが3-2とリードする。

 このあとフォレストのFKやカウンターであわやの場面もあった。彼らは崖の上に立ったときの方が思い切りがよくなる。だが、しかし得点は動かず。そしてゲームセットを告げる主審の笛が鳴った。フォレストは静かに「投了」した。

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【プレミアリーグ】クロップは遠藤航を冗談のネタにしただけだ

2023-08-30 11:36:26 | イングランド・プレミアリーグ
「10人で戦うのがレッズの戦術なんだ」みたいなイギリス式ジョーク

 プレミアリーグのリバプールへ入団したばかりの遠藤航選手について、ひどい捏造ネタが出回っている。

 一部のネットメディアがリバプール・クロップ監督の発言を歪曲し、「エンドウは我々の戦術をまったく理解していない」と遠藤を批判したと報道しているのだ。

 遠藤はリバプールに移籍し、不幸にもデビュー戦から2試合続けてチームが1人退場になってしまった。で、10人でのプレイを強いられている。なんと移籍してからまだ10人での試合しか経験してないのだ。

 それについて現地記者とクロップ監督との会話が捻じ曲げられて伝えられているわけだ。

 記者とクロップの英語でのやりとりは、カンタンに言えば以下のような冗談交じりの感じだった。

ーーーーーーーーーーーー

クロップ「Ha,Ha,また10人だよ(笑)。エンドウにとっては大惨事だね。まだ10人でしかプレイしてない彼は、我々の戦術を覚えるヒマがないな」

記者「いや、彼は10人で戦うのがリバプールの戦術だと思ってるんじゃないですか?」(ジョーク)

クロップ「Absolutely!(まさにその通り)」(記者のジョークに対する、ジョークでの応酬)

ーーーーーーーーーーーーー

 こんな感じの軽妙なジョークのやりとりなのだ。

 このイギリス人独特のシニカルな冗談の応酬を、マジメな意味にしか解釈できない日本人ってホントに情けない。

 まあ「捏造」と言っては当該メディアがかわいそうかもしれない。「ユーモアがわからない日本人には、意味が正確に理解できなかった」と言ったほうが正しいのかも?

 ちゃんちゃん。

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【プレミアリーグ 23/24 第3節】スターリングの2G1Aでほっと一息 ~チェルシー 3-0 ルートン・タウン

2023-08-29 11:18:02 | イングランド・プレミアリーグ
悪夢の昨シーズンから起動せよ

 プレミアリーグでは8月25日に第3節が行われ、チェルシーがホームのスタンフォード・ブリッジに昇格組ルートン・タウンを迎えた。試合はスターリングの2G1Aでチェルシーが3-0と圧勝した。スターリングがチームの救世主になった。

 思えばチェルシーの2022-23シーズンは悪夢だった。選手補強で湯水のようにカネを使って大物をズラリと揃え、「船頭多くして船山に登る」で44というプレミアリーグで過去最悪の勝ち点で12位に沈んだ。そんなチームの再建を託されたのが名将マウリシオ・ポチェッティーノ新監督だ。

 だがチームは今季ここまで、開幕戦でリバプールと1-1で引き分け。第2節のウェストハム戦では1-3で敗れている。勝ちなしだ。今節の対戦相手ルートン・タウンは、古豪ではあるがプレミアリーグは初挑戦の新規参入。しかもチェルシーのホームとあって是が非でもほしい勝利だった。

 この一戦で彼らは前節に引き続きフォーメーションに3-4-2-1を採用。守備時5-4-1~5-3-2のような変幻自在の姿を見せた。シャドーのコナー・ギャラガーが一列降りて中盤3枚になり、スターリングとニコラス・ジャクソンが流動的に2トップ化するような形だ。演じるのは美しいポゼッションサッカーである。

 3バックの中央にはチアゴ・シウバが鎮座し、2CMFの1枚エンソ・フェルナンデスは前目でボールをさばく役。もう1枚のモイセス・カイセドは彼よりやや下がり目でアンカー的な役割を果たす。スターリングはシャドーだ。

エンソが中盤で魅せる鮮やかな舞い

 試合開始から、エンソ・フェルナンデスが躍動している。エネルギッシュに中盤を疾走し、惚れ惚れするような球さばきを見せる。すばらしいボールコントロールだ。しかも動きのひとコマひとコマに、意欲と気合いがこもっている。

 それに対しカイセドは引き立て役に徹している。安定したビルドアップで最終ラインとアタッカーたちをリンクさせ、スポットライトの当たる舞台で踊らせようとする。

 さて、お相手のルートン・タウンは立ち上がりから激しいハイプレスで来た。ガチガチのマンツーマンで前からハメようとしている。そのため両チームが非常にコンパクトなゾーンにすっぽり収まっている。

 ただしルートン・タウンはマイボールになるとバタバタと落ち着かず、ボール保持がままならない。背中にマーカーを背負ってはパニックになり、安全にボールを落としてばかりいる。試合開始早々、どんなレベルのチームなのかが判明した。今日はチェルシーの日だ。

チェルシーが初の1勝を上げ号砲を鳴らす

 スターリングのワンマンショーに話を移そう。この試合、彼は右に流れてカットインする機会をうかがいしきりにチャンスを作った。

 まず1点目は前半17分だ。彼は右サイドに開いてボールを受け、鮮やかなドリブルでひらりひらりと敵をかわす。相手の守備網はないも同じだ。そして中央にカットインし、ラストは左足でゴール左に力強くボールを差し込んだ。先制だ。

 かくてゲームは後半に入り、20分頃だった。リードされているルートン・タウンは最終ラインを押し上げ、敵陣へ攻め込むようになった。これに対しチェルシーは最終ラインでしきりにゆっくりボールを回して試合を落ち着かせようとする。

 そしてプレミア初挑戦者の野望を打ち砕く一発が23分に出る。カイセドが右サイドの裏のスペースへ出したボールを右WBマロ・グストが中へ折り返し、これをスターリングがワンタッチでゴールに押し込んだ。この2点目で盛り返そうとする「新参者」を見事に押し返した。

 仕上げは30分だ。立役者スターリングが右サイドからワンタッチでクロスを入れ、ゴール前でFWニコラス・ジャクソンがこれまたワンタッチでシュートを叩き込んだ。

 締めて3-0。今季、チェルシーは待望の初勝利を上げ、1勝1敗1引き分けで勝ち点を4とした。まだまだシーズンは長い。これからが勝負である。

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【プレミアリーグ 23/24 第3節】ひどいデキのレッズが攻めの采配で辛勝する 〜ニューカッスル 1-2 リバプール

2023-08-28 09:17:07 | イングランド・プレミアリーグ
アウェイで遠藤航が先発デビュー

 プレミアリーグは第3節が行われ、リバプールがアウェイでニューカッスルと対戦した。ミスのオンパレードで調子の出ないリバプールだったが、2-1でなんとか逆転勝ちした。

 ひどい試合だった。今季の戦力補強がまた十分じゃないリバプールが、その未整理ぶりをさらけ出したようなゲームだ。非常に不安定でお粗末だった。

 特に左IHのマクアリスターが敵CBに掛けるプレスに周囲が連動してスライドせず、中盤が間延びしスペースができる。このぽっかり開いた空間を使ってニューカッスルはやりたい放題だった。

 このゲームでは前節の途中から初出場した遠藤航が、先発メンバーとして本格デビューを飾った。だがリバプールにとってはそれどころじゃなかった。

 前半のレッズは主導権が取れず、ニューカッスルにさんざんボールを回された。彼らは縦に速い攻撃で再三チャンスを作る。またハイプレスで圧をかけてくる。トランジションが劇的だ。おかげでリバプールは退場者まで出し、遠藤にとっては前節に引き続きまた難しい試合になってしまった。

 リバプールのフォーメーションは4-3-3だ。3トップは右からサラー、ガクポ、ディアス。遠藤はアンカーだ。左IHにマクアリスター、右IHにソボスライを置く。

 最終ラインは右からアレクサンダー=アーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソンである。一方、ニューカッスルは4-3-3で、守備時4-4-1-1に変化する。

ファン・ダイクが一発退場に

 試合は前半25分に動いた。モハメド・サラーが出したバックパスを右SBアレクサンダー=アーノルドがトラップミスした。あげくにニューカッスルの左WGアンソニー・ゴードンにボールをかっさらわれ、独走されてゴールを許した。

 さらに同28分にはファン・ダイクが、スルーパスで前へ抜け出しそうになったアレクサンデル・イサクの足をかっさらって倒した。彼が抜け出せばGKと1対1だった。ファン・ダイクは決定機阻止で一発レッドになる。

 これでリバプールは前節に続いてまた数的不利になった。そこでクロップは33分に左WGディアスを下げ、DFジョー・ゴメスを投入。攻撃の駒を減らして守備者を補充した。

 後半、1人少ないリバプールは4-4-1~4-3-2で構えた。遠藤はソボスライとともに2CMFを組んだ。リードされているリバプールは、1人少ないながらサラーを中心にかなり前からプレスをかけた。無理をしているが負けているので仕方ない。

 遠藤は後半13分にFWハーベイ・エリオットと交代した。加えてFWコーディ・ガクポをFWディオゴ・ジョッタと差し替えた。これでソボスライとマクアリスターがダブルボランチを組む格好だ。

ヌニェスの2発で大逆転する

 かくて32分。クロップはCBマティプに代えて攻撃的なダルウィン・ヌニェスを投入した。この攻めの交代が功を奏する。

 途中起用されたヌニェスがその破壊力を発揮したのが36分だった。まずリバプールの最終ラインから長い縦パスが出る。これを中盤で右サイドに展開し、受けたヌニェスがドリブルからゴール左スミに地を這うような弾丸シュートを叩き込んだ。同点だ。

 まだ話は終わらない。1-1で迎えた後半アディショナルタイムに劇的な幕切れが訪れる。48分だった。サラーがヌニェスに縦パスを出す。ボールを保持してボックス右に侵入したヌニェスは、ゴール左スミに美しいショットを突き刺した。逆転だ。

 そしてタイムアップ。選手のミスを監督が補い、親方クロップが采配で勝利をもぎ取った試合だった。1人少ないリバプールが、しかも後半アディショナルタイムに試合をひっくり返した。

 ソボスライは守備的MFとして非常に利いていた。一方の遠藤は心とカラダのフィットネスが仕上がってない感じだ。

 敵に寄せてもボールを奪い切れない。剥がされてパス出しされる。カラダを入れられ弾かれる。アタッカーの急加速について行けないーー。判断、プレイともに動きがスローで、急峻な速いテンポのプレミアリーグにまだ適応し切れてない。

 次節は先発落ちもあるかもしれない。

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【移籍】遠藤航がリバプールへ電撃入団 ーープレイスタイル分析

2023-08-19 06:49:48 | イングランド・プレミアリーグ
守備的MFがいなくなったリバプール

 イングランド・プレミアリーグのリバプールは18日、日本代表主将のMF遠藤航(30)をシュツットガルトから獲得したと発表した。背番号は3。英メディアによると契約期間は4年で、移籍金は1900万ユーロ(約30億円)だ。

 この電撃的なシンデレラストーリーには、リバプールの台所事情が深く関係している。リバプールは今季、キャプテンのヘンダーソンをはじめ、ミルナーやファビーニョ、チェンバレン、ケイタと5人ものMFが退団した。守備的な仕事をするMFがいなくなったのだ。

 そこでブライトンから21歳のエクアドル代表MFモイセス・カイセドを、またサウサンプトンからは19歳のベルギー代表MFロメオ・ラビアの獲得を狙った。だがクラブ間合意には至ったものの、どちらもチェルシーに「強奪」された。

 その結果、8月13日にチェルシーの本拠地で行われたプレミアリーグの開幕戦で、リバプールは今夏ブライトンから獲った攻撃的なアルゼンチン代表MFマカリテルをアンカーに置く始末だ。

 加えてインサイドハーフには、本来3トップの1枚であるオランダ代表FWガクポを起用していた。中盤の守備的な人材が決定的に不足している。そこで遠藤にお鉢が回ってきたわけだ。

遠藤は球際の競り合いで勝つ「デュエル王」だ

 遠藤はまさに、リバプールのユルゲン・クロップ監督が欲するプレイスタイルそのものだ。彼らの決断は正解だろう。

 遠藤は2019年にシュトゥットガルトへ加入するや、2年目、3年目に2シーズン連続でブンデスリーガの「デュエル王」になっている。昨季は1位は取れなかったが、それでも全選手で唯一、3年連続のデュエル勝利数400以上をマークしている。

 彼が昨シーズンに記録したパス成功数は1164本、アタッキングサードにおけるパス成功数は302回にものぼる。しかも過去3年で、ミドルゾーンにおいて400回以上のボール奪取を行っているのだ。

 これらのスタッツはアンカーとして申し分ないだろう。しかも日本代表でもキャプテンをこなす。メンタルが強い。日本代表でもシュトゥットガルトにおいても、チームの精神的支柱である。

 そのプレイスタイルは天性の狩人だ。

 中盤の低い位置でディフェンスを監視し、守備のバランスを取る。また敵のパスカットを行う。特にボールの競り合いにおける球際の厳しさが際立つ。球際で深く踏み込みボールを狩る。マイボールにして攻撃に変える。その起点になるパスや、つなぎのパス出しにも優れている。

 キャプテンシーと献身性にあふれるファイタータイプであり、プレミアリーグ特有の急峻なテンポやトランジション(攻守の切り替え)の速さにも対応できる。そんな遠藤がリバプールに入れば……想像しただけで今季のプレミアリーグはおもしろくなりそうだ。

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【プレミアリーグ 22/23 第29節】ジンチェンコと日本代表のSBを比べたら

2023-04-03 13:55:25 | イングランド・プレミアリーグ
ジンチェンコは体内を循環する血液のよう

 偽SBをやっているウクライナ代表・ジンチェンコの動きに注視しながら、プレミアリーグ第29節アーセナルvsリーズの試合を観た。

 アーセナルのジンチェンコは左SBの位置から1列上がって内に絞る。そしてチャンスになるとそこからハーフレーンを直進し、トップ下あたりの位置まで上がり最後はゴール前でゴールに絡む。

 そして局面が落ち着くとまた左SBの位置に戻って行く。

 ジンチェンコにとってこの「左SBの位置」というのは、ペップ・グアルディオラの言にならえば「電話番号と同じ」なのだろう(個々に割り振られた電話番号に特別の意味を求める人はいない)。

 ジンチェンコはすべての動きが非常に自然で、神出鬼没。時々刻々、ゲームの流れに即応していた。

 彼の動きはまるでカラダ中に栄養素を運ぶ血液のようだった。

 日本代表のSBは相当な修行が必要だなぁ。

 やれやれ。

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【プレミアリーグ 22/23 第7節】アーセナルが4発完勝する ~アーセナル 4-0 エヴァートン

2023-03-03 05:00:00 | イングランド・プレミアリーグ
フォーメーションは4-1-2-3

 プレミア・リーグの第7節(延期分)、アーセナル対エヴァートンの試合が現地時間1日に行われ、アーセナルが4-0で完勝した。

 アーセナルはほとんど敵陣でポゼッションし、ビルドアップはジンチェンコ、攻撃は3トップが中心になりハードワークした。

 アーセナルのフォーメーションは4-1-2-3。スタメンは最終ラインが右からベン・ホワイト、ウィリアン・サリバ、ガブリエウ、オレクサンドル・ジンチェンコ。

 アンカーはジョルジーニョ。右IHはマルティン・ウーデゴール、左IHはグラニト・ジャカ。3トップは右からブカヨ・サカ、レアンドロ・トロサール、ガブリエウ・マルティネッリだ。

ビルドアップは3-2-5に可変して行う

 アーセナルはビルドアップを3-2-5に可変して行う。「2」はジョルジーニョとジンチェンコだ。ジンチェンコは左SBの位置から1列上がって絞り偽SB化し、アンカー脇を埋める。

 あるいはジョルジーニョが最終ラインに落ち、右SBのベン・ホワイトが上がるビルドアップのパターンもある。

 ジンチェンコはハーフスペースを上下動して自在に動く。彼がボールを運ぶ「血液」の役割を果たす。チームの心臓だ。

 アーセナルのポゼッション率は73%。相手ボール時、彼らが自陣へリトリートしてブロック守備をする光景はほとんど見られなかった。

 アーセナルは前線でボールを失うと、リトリートせずその場でゲーゲンプレスをかけて即時奪回を試みるのだ。これでボールを奪ってショートカウンターを見舞う。

2位・シティとの勝ち点差を「5」に広げた

 さて、そのアーセナルの1点目は前半40分だった。ジンチェンコからの縦パスを受け、サカが振り向きざまにシュートを放つ。ボールはゴール上方へ弾丸のように飛び、吸い込まれた。

 続く2点目は前半アディショナルタイムの46分。いったんオフサイドと判定されたマルティネッリのゴールが認められた。これで2—0となり試合は前半を折り返す。

 そしてアーセナルは後半の頭からジョルジーニョを下げ、トーマス・パーティを投入した。

 アーセナルのゴールはまだまだ続く。後半26分だ。また発火点はジンチェンコである。

 彼の持ち運びからマルティネッリ、ジャカへと繋がり、ボールは左サイドを駆け上がったトロサールへと渡る。そのトロサールは右へマイナスの折り返しを入れ、ウーデゴールが右足ワンタッチでゴールを決めた。

 かくて4点目は後半37分。ジンチェンコが途中出場のエンケティアにスルーパスを入れる。受けたエンケティアは短く右へ折り返し、マルティネッリがワンタッチで押し込んだ。

 これで試合は終了し、勝ったアーセナルはリーグ戦3連勝。2位マンチェスター・シティとの勝ち点差を「5」に広げた。

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【プレミアリーグ 22/23 第25節】アーセナルが重苦しいゲームを制す ~レスター 0-1 アーセナル

2023-02-27 05:00:00 | イングランド・プレミアリーグ
相手の守備に苦しみながらもワンチャン勝ち

 現地時間25日にプレミアリーグの第25節が行われた。冨安健洋が所属する首位アーセナルが、14位に低迷するレスターに1-0で辛勝した。

 アーセナルの攻撃時、レスターはミドルプレス~ロープレスで粘り強い守備を見せた。アーセナルは中を締めるレスターの集中守備に合い、攻撃がうまく行かず苦しんだ。

 アーセナルのフォーメーションは4-3-3。スタメンはGKがアーロン・ラムスデール。最終ラインは右からベン・ホワイト、ウィリアン・サリバ、ガブリエウ、オレクサンドル・ジンチェンコ。

 中盤はマルティン・ウーデゴール、ジョルジーニョ、グラニト・ジャカ。3トップは右からブカヨ・サカ、ガブリエル・マルティネリ、レアンドロ・トロサールだ。

 一方、レスターのフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKがダニー・ウォード。最終ラインは右からティモシー・カスターニュ、ハリー・サウター、バウト・ファエス、ヴィクトル・クリスティアンセン。

 2CMFはカーナン・デューズバリー・ホールとウィルフレッド・ヌディディ。2列目は右からテテ、デニス・プラート、ハーベイ・バーンズ。ワントップはケレチ・イヘアナチョだ。

マルティネリが先制ゴールを上げる

 試合は序盤からアーセナルがボールを握って押し込むが、レスターの守備に合いパスワークが心なしかたどたどしい。

 そんな重苦しい空気を吹き飛ばしたのが、前半26分だ。

 アーセナルのCK崩れから、トロサールが落ち着いてゴールを決めた。だがその直前にアーセナルの右SBベン・ホワイトがレスターのGKダニー・ウォードの腕を掴み込んでいたことが発覚し、結局、ノーゴールに終わった。

 一方のレスターは31分。テテのスルーパスで裏抜けしたケレチ・イヘアナチョが鮮やかにゴールを決める。だがこれはオフサイドで取り消された。

 かくて両者は痛み分けの無得点同士で前半を折り返すと、後半1分だ。トロサールが又抜きの絶妙なパスをマルティネリに出す。すると、それを受けたマルティネリが右足でファーにボールをうまく流し込んだ。

 このあとアーセナルはジンチェンコのミドルシュート、FKからのガブリエウのヘディングシュートと畳み込むようにゴールマウスを狙うが、GKウォードの好セーブに阻まれスコアは動かず。

 勝ち切りたいアーセナルは後半アディショナルタイムに冨安を投入、辛くも逃げ切った。アーセナルはアウェイで苦しみながら貴重な勝ち点3を手にした。

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【プレミアリーグ 22/23 第12節】首位攻防の天王山をシティが制す 〜アーセナル 1-3 マンチェスター・シティ

2023-02-16 07:50:21 | イングランド・プレミアリーグ
シティがついに首位に立つ

 延期されていたプレミアリーグの第12節が行われ、黄金のカードが実現した。首位アーセナルは勝ち点51。他方、1試合消化数が多い2位のマンチェスター・シティは勝ち点48で追いかける2位。まさに天王山の戦いだ。

 試合はシティがデ・ブライネのゴールで1点先攻し、アーセナルが追いつくシーソーゲームになったが、最後はシティが2点を連取して試合を決めた。

 アーセナルのフォーメーションは4-3-3。シティは3-2-4-1。両チームとも最終ラインからグラウンダーのボールを丁寧につないでビルドアップする。

 アーセナルが最終ラインでボールを保持時、シティはミドルプレスだ。そう前から行かない。アーセナルの左SBジンチェンコは偽SB化している。一方、シティのビルドアップ時には、アーセナルは激しくハイプレスをかける。

 前半24分。富安のバックパスをデ・ブライネがかっさらい、前に出たGKラムスデールの頭上を抜くシュートを決める。試合が動いた。シティが先制。冨安は致命的なミスだった。

 一方、前半42分。シティのGKエデルソンがエンケティアとぶつかりPKを取られる。ブカヨ・サカがPKを決め、これで1-1の同点になる。

ハーランドがダメ押しの3点目を決める

 後半から、シティはアーセナルがボール保持時、ハイプレスをかけ始めた。

 後半16分。シティはマフレズに代えてアカンジを投入。システムを4-2-3-1に変えた。

 後半27分。アーセナルのガブリエウがバックパスをカットされ、ボールはシティへ渡る。ハーランドからギュンドアン、グリーリッシュと渡って最後はグリーリッシュが鮮やかにゴールを決めた。2点目だ。

 後半31分、アーセナルがガブリエル・マルティネリに代えてトロサールを投入。一方、後半32分にシティはグリーリッシュに代えてフォーデンを入れる。

 そして後半37分。最前線でギュンドアンが前縦のデ・ブライネにパス。デ・ブライネがハーランドにマイナスのパスを送り、ハーランドがきっちり決めた。ダメ押しの3点目だ。

 この結果、勝ち点51で並んだ両者は、得失点差でマンチェスター・シティがとうとう首位に立った。このあとのプレミアリーグはますます見逃せなくなりそうだ。

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【プレミアリーグ 22/23 第23節】「三笘マジック」不発に終わる 〜クリスタル・パレス 1-1 ブライトン

2023-02-12 11:14:01 | イングランド・プレミアリーグ
ブライトンが押し込むが手痛い引き分け

 互いのホームタウンを結ぶ高速道路の名前を取り「M23ダービー」と呼ばれてきたブライトンとクリスタル・パレスの対戦は、両者負けられない状況のなか、1-1の引き分けに終わった。

 ブライトンのポゼッション率は75%ーー。

 この数字が試合内容を物語る。クリスタル・パレスは試合の冒頭から自陣に分厚い4-4のブロックを敷き、ブライトンの攻撃を跳ね返す「穴熊」戦法を取った。

 ブライトンのパスワークは主にセンターライン、もしくは右サイドで展開され、三笘にはあまりボールが回ってこなかった。

 ブライトンのフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKがロベルト・サンチェス。最終ラインは右からヨエル・フェルトマン、アダム・ウェブスター、ルイス・ダンク、ペルビス・エストゥピニャン。

 CMFはパスカル・グロスとモイセス・カイセド。2列目は右からソリー・マーチ、アレクシス・マクアリスター、三笘薫。ワントップはデニス・ウンダブだ。

 一方、クリスタル・パレスのフォーメーションも4-2-3-1である。

敵を引きつけて背後を突く

 ブライトンが最終ラインから丁寧にビルドアップするのに対し、クリスタル・パレスは前の3枚がセンターサークル付近からプレスをかけた。ワントップのジャン・フィリップ・マテタと右SHのジョルダン・アイェウが背中でブライトンの2CMFを消すのが約束事だ。またトップ下のマイケル・オリズも前からのプレスに参加していた。

 かたやブライトンはこうして敵の前3枚を引きつけておき、それを縫って中盤にパスを通して敵のプレッシングを空振りさせるゲームモデルである。

 一方、クリスタル・パレスはパスワークによるビルドアップにはそうこだわらず、状況によってはダイレクトに前線へロングボールを入れてくる。

 前半17分に大チャンスが来た。ブライトンのCMFパスカル・グロスが、最前線にいたFWデニス・ウンダブに縦パスを当てる。彼はワンタッチで脇にいたソリー・マーチにボールをはたき、マーチがダイレクトでアレクシス・マクアリスターに落とす。瞬時にマクアリスターは強烈なシュートを放つが、これはパレスのGKビセンテ・ガイタが横っ飛びで見事にクリアした。

 ブライトンの続くチャンスは前半31分だ。最前線でパスカル・グロスからのパスを受け、エストゥピニャンが左足でループシュートを決めた、かに見えたがオフサイド。幻のゴールとなった。

 さて先制点はブライトンだった。後半18分だ。エストゥピニャンが左サイドからクロスを入れ、ファーから走り込んだマーチが決めた。

 一方、後半24分には、クリスタル・パレスが同点に追いつく。パレスのセットプレー時、ブライトンのGKロベルト・サンチェスがボールをファンブルし、パレスはジェームズ・トムキンスが押し込んだ。

 試合はそのまま1-1で終了。ブライトンとしては上位争いが激化するなか、手痛い勝ち点1になった。

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【プレミアリーグ 20/21 第19節】高度な戦術がぶつかる極上の上位対決 ~トッテナム1-3リバプール

2021-01-31 07:43:39 | イングランド・プレミアリーグ
リバプールの3トップが大爆発

 プレミアリーグの第19節は、ともに上位をうかがうトッテナムとリバプールの対戦になった。

 フォーメーションが3-4-3のトッテナムは、相手ボールになるとディフェンディングサードまでリトリートして5-3-2のブロックを作る。必然的にそのぶん4-3-3のリバプールは前がかりになり2-5-3に変化する。

 トッテナムが守備時5-3-2なのは、いかにも守備的なモウリーニョ監督らしい。他方、トッテナムはビルドアップ後は3-2-5になって攻める。

プレミアらしい長いボールが芸術的だ

 両チームとも基本2タッチでボールをつなぐが、ショートパスだけでなくダイアゴナルな長いサイドチェンジのボールや、敵のライン裏に測ったように落とすロングボールが非常に正確だ。

 見ていてワクワクする。

 トッテナムはハリー・ケインのポストプレイとソン・フンミンの裏抜けの合わせ技で突破を図る。

 一方、リバプールは偽9番であるフィルミーノの下りる動きが効果的にチャンスを作り、アレクサンダー・アーノルドとマネが大活躍した。

最後に笑うのはマンCか? リバプールか?

 大爆発したリバプールの3点は、まず前半49分。左のマネがライン裏にスルーパスを出し、フィルミーノがこれを決めた。

 続く後半2分にはマネが左45度からシュートし、GKが弾いたリバウンドをアレクサンダー・アーノルドが押し込んだ。

 大団円の3点目は後半20分。右サイドのアレクサンダー・アーノルドからの長いアーリークロスを、左のマネがダイレクトで叩き込んだ。

 リバプールのサラーにはVARでハンドになって消えた幻のゴールもあり、このところ沈黙していたリバプールの3トップが完全復活した。

 こう書くとハデさばかりが強調されるが、その裏で戦術的なコクと駆け引きがいっぱいの濃厚なゲームだった。

 順位表の上位を見ると、今季好調なマンチェスター・ユナイテッドは戦術でなく個の力だけで上位争いをしている。長いシーズン、個人の好不調は必ず出てくる。ゆえにマンUはシーズン終了まで好調を維持するのはむずかしいと見る。

 となれば結局最後に笑うのは、例によってマンチェスターシティかリバプールになるのではないだろうか?

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【プレミアリーグ】幻の首位攻防戦 2020−21/第19節 〜リバプール0−0マンU

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【プレミアリーグ 20/21 第19節】幻の首位攻防戦 〜リバプール0−0マンU

2021-01-18 19:09:12 | イングランド・プレミアリーグ
マンUが暫定首位を守る

 低レベルな混戦になっている今季のプレミアリーグ。第19節の首位攻防戦は押したり引いたりで両者無得点の引き分けに終わった。

 マンチェスター・ユナイテッドとすれば、強豪相手に引き分けで首位を守れてニンマリ。かたやリバプールとしても、怪我人がいるなか最小限の被害で済んで痛み分けだろう。

 負傷者続出の上に得点力不足のリバプール、ピリッとしないシティとチェルシー、という突出する者のいない構図の中で、マンUはスルスルと「個の力」だけで危うく首位をキープしている。

 さて、この脆い均衡はいつ崩れるのか? 

 また崩れるとすればその要因は何か?

 マンUは変に失点するようになったりすれば危ういが、案外このまま行けば精神的なまとまりやモチベーションが出てズルズル行くかもしれない。

 いやはや。

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