すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

JR西日本を恫喝した「髭記者」の実名にたかるブログ・スクラム

2005-05-12 15:21:09 | メディア論
 JR西日本列車事故の記者会見で、下品な怒声をあげた「髭記者」の実名が暴かれたようだ。で、その実名をいっせいに晒し、これまた下品な「ブログ・スクラム」が行われている。やれやれ、である。

 私はいままでJR西日本関連には、ひとこともふれていない。右へならえで他人と同じことをするのが嫌いだからだ。

 あの事件が発生した時点で、その後なにが起こるかはだいたい想像できた。

 まず既存メディアがいっせいに報道し、メディア・スクラムが起こるに決まってる。ブログも同じように事件を取り上げ、似たような文面があふれ返るんだろう──。案の定、想像通りだ。うんざりである。

「JR西日本現象」をおさらいすると、こんなふうだ。まず既存メディアが第一報を流す。次に原因をめぐって第二報が続いた。置石だ、過密ダイヤだ、過剰な定時運行だ、と推測だらけの情報が飛び交う。

 一方、ボウリング大会がどうの、旅行がどうの、と観衆の「情動」に訴えかけるどーでもいい批判記事も続発した。JR西日本の社員がやったことは、すべて「悪」にされるマスヒステリー状態である。

 こうなるともう彼らは全社をあげてひたすら黙祷し続けるか、救出活動に参加する以外の行動は許してもらえない。もし事件当日にトイレでウ○コした社員がいたら、「この非常時にウ○コをするとは何事か! けしからん」てな状況だ。

 もちろんその日の夜に、夫婦生活を営むなんてとんでもない。謹慎だ、チ○コはしまっとけ、と怒られちゃう。

 かたやブログも事件当時から、いっせいにネタにした。もうどこへ行っても似たような文章ばかり。すっかりまいっちんぐマチコ先生(古)である。あなたたち、ちょっとは独自性とかオリジナリティとか考えないんですか? てなあんばいだ。

 で、事件の本筋と平行してずっと流れていたのが、「記者会見で怒鳴り声を上げたあのヒゲの記者はだれなのか?」だった。実名らしきものを暴いたのはブログ「清谷防衛経済研究所 ブログ分室」らしい。管理人さんはフリーランスのジャーナリストのようだ。

 まあ清谷さんの記事は、情報を掘り起こしたんだからオリジナリティはある。だがそれに群がるほかのブログには「何もない」。尻馬に乗り、他人がくれた情報に便乗して騒いでいるだけ。ただのコピペみたいなもんだ。なんだかなあ、である。

 JR西日本を寄ってたかって吊るし上げる既存メディアと、髭記者の実名をこれでもかと晒す無数のブログ。どっちも同じ穴のムジナに見えるのは私だけでしょうか? 要はあなたたち、祭りに参加したいだけ、魔女狩りを楽しみたいだけだよね? なんか後味悪いよなあ。 

 自分は匿名のくせに、髭記者の実名を晒してすっかりコーフン中のあるブログは、こんな趣旨のことを書いている。

「既存メディアはもうやりたい放題できないぞ。われわれネット住人が監視してるんだからな」

 や、監視されてるのは別にマスコミだけじゃないよ。ブログだって同じだ。この人、自分には関係ないみたいな書き方してるけど……もって銘すべし、とはこのことである。やれやれ。

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コメント (48)
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