すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

みんなが書くことについてマジメに考える時代

2005-05-04 21:50:06 | メディア論
 ブログをあちこち見て回っていると、みなさんけっこう「どうすれば読む側を惹きつけられるのか?」について思案しているようだ。

「最新のニュースについて、続けて書いたらアクセスがふえた」

「テーマや文体を今風に変えたら、集客力が激増した。だけど自分が自分でなくなって、結局は行き詰った」

「半年乗り切れば固定客がつく。それまでのガマンだ」

 なかには都市伝説風の言説もあったりしておもしろいが、いずれにしろ悲喜こもごもである。みんなが「おもしろいと思わせる文章の書き方」をめぐり試行錯誤している。

 それにしてもこれだけたくさんの人が「文章を書くこと」について真剣に考えてるのって、ひょっとしたら日本という国始まって以来のことじゃないだろうか?

 たぶん第一波はネット利用が一般化し、みんながいわゆるホームページをもつようになって巻き起こったのだろう。「どうすればウチのホムペのアクセスを上げられるのか?」。管理人さんたちはいろいろ考えた。

 で、今度はブログの大爆発でそれがさらに増幅され、第二期「文章について考えます」ブームが到来している。まあ細かく言えばその間に、メーリングリストとかメルマガとかいろいろあったわけだが。

 ちょっと前に日本の子供の学力が下がった、というのが話題になっていた。だが一方、日本人全体の文章を書く能力は、かつてないほど飛躍的に上がってるんじゃないだろうか? 掲示板なんか見ててもおもしろい書き込みはよくあるし。いまや一億総コラムニスト時代なのだ(ちょっちオーバー)。

 ところが、である。検索してみると日本人の文章力のなさを嘆く批評はあっても、「書く能力が上がった」みたいな調査結果がどうも見当たらない。これってどういうわけなのだろうか? 

 たぶんいままで価値があるとされてきたような、「意味もなく難解」で読むのも苦痛に感じる論説文のたぐい(実は悪文)を書く若い人は、確実に減っているだろう。その意味では従来の価値観で見れば、「文章力が落ちている」と感じるのかもしれない。

 だが感覚的でわかりやすく、「おもしろいな」と感じさせる文章を書く能力は、まちがいなく全体に上がっていると思うのだが。みなさんはどう考えますか?
コメント (10)
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