すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【国際親善試合】粘り強い守備で相手を自由にさせない 〜ベルギー1-0日本

2017-11-15 08:06:35 | サッカー戦術論
あとは「個の力」がどこまで上がるか?

 日本は前半の立ち上がりからハイプレスで入り、後半27分に失点するまで組織的な守備がよく効いていた。ベルギーに自由にやらせなかった。相手におびえていたブラジル戦とは打って変わって「戦う気持ち」が感じられた。ハリルジャパンに光明が見えてきた。あとはチャンスをきっちりモノにできるかどうか? 世界レベルではそこで試合が決まる。

 日本のシステムは4-3-3。スタメンは大迫のワントップに前線は左に原口、右に浅野。中盤は山口をアンカーに、インサイドハーフを井手口と長澤が務めた。4バックは左から長友、槙野、吉田、酒井(宏)だ。

 日本は意欲的で落ち着いた立ち上がりで、ブラジル戦のようにパニックに陥ってなかった。ベルギーの最終ラインがボールを持つと、大迫、井手口がファーストディフェンダーとしてプレスをかけた。彼らの背後の2列目も高い位置を取りスペースを消した。これでラインを高く構えて全体で圧力をかける。

 日本はこのやり方が徹底しており、後半に失点するまではベルギーにほとんど決定的なチャンスを作らせなかった。これでボールを奪ったら、今までと違いタテに急ぐのではなく、いったんバックパスしてタメを作り組み立て直すシーンが目立った。残るはゴール前での決定力だろう。初招集で先発したMF長澤和輝(浦和レッズ)もパスセンスが光った。

 逆に日本に足りないところは、ファーストタッチでぴたりとボールを止め次のプレイをしやすい位置に瞬時にボールを置くワンタッチコントロールの精度だ。特にブラジル戦ではそこの差が甚だしかったが、この試合でも日本はボールを弾いてロストしてしまうシーンが散見された。

 もうひとつは、狭いところでもパスカットされないボールスピードだ。日本人のパスはぜんぜん緩くて遅い。ワールドクラスのチームを相手にした場合、あれではパスがつながらない。ワンタッチコントロールもボールスピードも、Jリーグでは通用していたものが世界レベルでは通じない。「速く、強く、正確に」が死命を制する。

 日本は組織的にしつこく守備する粘り強い戦い方ができるようになってきた。次の課題は「個の力」をどこまで上げることができるか? だろう。

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