強化になるのか心配だ
日本は最終ラインと最前線の間が間延びし、コンパクトさのないユルユルのゾーン設定のなか、これまたユルユルのメンタルで秋葉原でのショッピングのことしか頭にないパナマに3-0で勝った。だがあのレベルの相手なら前半だけで3点は取っておくべきだった。パナマは単なるプロレスの悪役レスラーみたいな「やられ役」に見えて仕方ない。
最近、プレミアリーグばかり観ているせいか、パナマのインテンシティの低さとプレースピードの遅さは異様に映った。15人以上はW杯メンバーを入れる取り決めだったらしいが、「死ぬ気でやる」も条件に入れておくべきだった。
同じ日、ウルグアイも韓国に負けたところを見ると、次戦のウルグアイは辺鄙なアジアツアーなんてヤル気ないんじゃないか? 森保監督はレギュラー組をウルグアイ戦にぶつけるつもりなのだろうが……これで日本代表の強化は大丈夫なのだろうか。
日本の課題もあぶり出された
一方、日本はボールスピードの遅さが致命的だ。あんなゆるいパスでは、敵が陣形を整え直す時間的な余裕を与えてしまう。ボールスピードの速さはポジショナルプレーに必須の要素だ。
また日本人選手はボールをめぐる動きがスムーズじゃない。ファーストタッチで、いちばん次のプレイをしやすい場所にボールを置いてないからだ。次のプレイをイメージせずにトラップしている。だからトラップしてからさらにもうひとつボールを小突き、置き直してから次のプレイに移ったりする。ゆえに動きがギクシャクする。必然的に試合内容もギクシャクする。
加えて日本は目の前の味方の選手にボールを預けようとして、1メートル未満のゆるいパスを出して敵にかっさらわれるシーンが3度ほどあった。あんな異常に短いパスは日本代表でしかありえない。
日本人は目の前の味方に忖度しボールを「渡してあげよう」とする。で、敵にカットされる。あれではパスの出し手と受け手の2人ともが同時に取り残されたままカウンター攻撃を受ける。あんな短いパスは海外ではまったくありえないプレーだ。
南野と伊東は「当確」にいちばん近い
ただし日本のゴールはどれもすばらしかった。
特に1点目は、青山から南野に縦パスが入り、南野は半身になりワントラップしたあと、寄せてくるマーカーとよく競ってボールをしっかり自分のものにしてからコースを狙ってシュートした。
南野は貧欲にゴールを狙うハングリーさと、トランジションの速さ、ワンプレイ終わっても絶対に足を止めない献身性、競り合いの強さがすばらしい。コスタリカ戦とこの試合で、彼と伊東はもうレギュラー確定じゃないか? などと思えてしまう。
2点目を決めた伊東もよかった。ドリブルから原口が倒れながら伊東にパス。すると伊東は3人目の動きをした南野にダイレクトでパスを出す。南野がシュートし、敵GKに弾き返されたこぼれ球を今度は伊東が詰めた。この日の伊東は何度もライン裏に鋭い飛び出しをした。ものすごいスピードだ。しかもゴール前ではフリックやダイレクトプレーで敵を惑わす味つけをしていた。
3点目はオウンゴールになったが、実質、泥臭く粘った川又の得点だ。原口のドリブルからパスをもらい、当たり損ねのような、トラップ崩れみたいな川又のボールがゴールに吸い込まれた。いかにも彼らしいゴールシーンだ。
失われたサッカー人気を取り戻したい協会の思惑
そのほか選手別では、不調だった大迫はボールが収まるポストプレイはいいが、シュートのほうはとんでもなく下手だ。彼はポストになるだけでなく、点が取れるようになる必要がある。
一方、右SBの室屋は上がるタイミングがめっぽういいが、あとはクロスの質やプレイ精度を高めてほしい。青山は急所をつく縦パスがストロングポイントだが、プレイ強度にやや不安がある。原口はコンディションが悪いのか動きはぎこちなかったが、ドリブルからよくチャンスメイクした。槙野は……このままではレギュラーは厳しいのではないか?
さて今後、年内のキリンチャレンジカップでは、対戦相手にベネズエラやらキルギスなどという「強烈な相手」が控えており、これでホントに強化になるのか非常に疑問を感じる。
弱い相手と楽なホームでマッチメイクして連戦連勝し、ハリルジャパンで失われたサッカー人気を取り戻したい日本サッカー協会の思惑は痛いほど伝わってくるが。
日本は最終ラインと最前線の間が間延びし、コンパクトさのないユルユルのゾーン設定のなか、これまたユルユルのメンタルで秋葉原でのショッピングのことしか頭にないパナマに3-0で勝った。だがあのレベルの相手なら前半だけで3点は取っておくべきだった。パナマは単なるプロレスの悪役レスラーみたいな「やられ役」に見えて仕方ない。
最近、プレミアリーグばかり観ているせいか、パナマのインテンシティの低さとプレースピードの遅さは異様に映った。15人以上はW杯メンバーを入れる取り決めだったらしいが、「死ぬ気でやる」も条件に入れておくべきだった。
同じ日、ウルグアイも韓国に負けたところを見ると、次戦のウルグアイは辺鄙なアジアツアーなんてヤル気ないんじゃないか? 森保監督はレギュラー組をウルグアイ戦にぶつけるつもりなのだろうが……これで日本代表の強化は大丈夫なのだろうか。
日本の課題もあぶり出された
一方、日本はボールスピードの遅さが致命的だ。あんなゆるいパスでは、敵が陣形を整え直す時間的な余裕を与えてしまう。ボールスピードの速さはポジショナルプレーに必須の要素だ。
また日本人選手はボールをめぐる動きがスムーズじゃない。ファーストタッチで、いちばん次のプレイをしやすい場所にボールを置いてないからだ。次のプレイをイメージせずにトラップしている。だからトラップしてからさらにもうひとつボールを小突き、置き直してから次のプレイに移ったりする。ゆえに動きがギクシャクする。必然的に試合内容もギクシャクする。
加えて日本は目の前の味方の選手にボールを預けようとして、1メートル未満のゆるいパスを出して敵にかっさらわれるシーンが3度ほどあった。あんな異常に短いパスは日本代表でしかありえない。
日本人は目の前の味方に忖度しボールを「渡してあげよう」とする。で、敵にカットされる。あれではパスの出し手と受け手の2人ともが同時に取り残されたままカウンター攻撃を受ける。あんな短いパスは海外ではまったくありえないプレーだ。
南野と伊東は「当確」にいちばん近い
ただし日本のゴールはどれもすばらしかった。
特に1点目は、青山から南野に縦パスが入り、南野は半身になりワントラップしたあと、寄せてくるマーカーとよく競ってボールをしっかり自分のものにしてからコースを狙ってシュートした。
南野は貧欲にゴールを狙うハングリーさと、トランジションの速さ、ワンプレイ終わっても絶対に足を止めない献身性、競り合いの強さがすばらしい。コスタリカ戦とこの試合で、彼と伊東はもうレギュラー確定じゃないか? などと思えてしまう。
2点目を決めた伊東もよかった。ドリブルから原口が倒れながら伊東にパス。すると伊東は3人目の動きをした南野にダイレクトでパスを出す。南野がシュートし、敵GKに弾き返されたこぼれ球を今度は伊東が詰めた。この日の伊東は何度もライン裏に鋭い飛び出しをした。ものすごいスピードだ。しかもゴール前ではフリックやダイレクトプレーで敵を惑わす味つけをしていた。
3点目はオウンゴールになったが、実質、泥臭く粘った川又の得点だ。原口のドリブルからパスをもらい、当たり損ねのような、トラップ崩れみたいな川又のボールがゴールに吸い込まれた。いかにも彼らしいゴールシーンだ。
失われたサッカー人気を取り戻したい協会の思惑
そのほか選手別では、不調だった大迫はボールが収まるポストプレイはいいが、シュートのほうはとんでもなく下手だ。彼はポストになるだけでなく、点が取れるようになる必要がある。
一方、右SBの室屋は上がるタイミングがめっぽういいが、あとはクロスの質やプレイ精度を高めてほしい。青山は急所をつく縦パスがストロングポイントだが、プレイ強度にやや不安がある。原口はコンディションが悪いのか動きはぎこちなかったが、ドリブルからよくチャンスメイクした。槙野は……このままではレギュラーは厳しいのではないか?
さて今後、年内のキリンチャレンジカップでは、対戦相手にベネズエラやらキルギスなどという「強烈な相手」が控えており、これでホントに強化になるのか非常に疑問を感じる。
弱い相手と楽なホームでマッチメイクして連戦連勝し、ハリルジャパンで失われたサッカー人気を取り戻したい日本サッカー協会の思惑は痛いほど伝わってくるが。