すちゃらかな日常 松岡美樹

積極財政などの政治経済をすちゃらかな視点で見ます。ワクチン後遺症など社会問題やメディア論、サッカー、音楽ネタも。

【国際親善試合】立ち上がりから彼らは「別人」に変身した ~ドイツ 2-1 フランス

2023-09-16 17:15:00 | その他の欧州サッカー
緊張感みなぎるドイツ

 ある種の「こわいもの見たさ」で、ドイツがフランスと一戦交えたゲームを観てみた。9月12日にドルトムントのジグナル・イドゥナ・パルクで行われた親善試合だ。

 ドイツは解任されたハンジ・フリック監督の後を受け、ルディ・フェラー暫定監督が指揮を執る。彼らは日本戦からスタメンを3人替えてきた。新たに先発したのはヘンリクスとター、ミュラーだ。

 試合開始と同時に、あのドイツが躍動した。「もう失敗は許されないぞ」ということだろう。プレースピードと強度が日本戦とはまったく違って見えた。「ビンビン」だ。

 逆にいえば親善試合で「勝った」「負けた」などといっても、その程度の尺度にしかならないわけだ。

 さて、そのドイツが早くも先制したのが開始4分だった。ニャブリとのパス交換でボックス左に侵入したヘンリクスが、左のポケットからマイナスの折り返しを入れる。これにゴール前のミュラーが、上体を前に倒したうまい胸トラップからボレーを叩き込んだ。

 その後もドイツはハイプレスをかけ、一方的に試合の主導権を握る。彼らのフォーメーションは左が高い4-2-3-1。フランスは4-4-2だ。

フランスの意気は上がらない

 一方のフランスはなんだか意気が上がらない。たまに彼らのボールになると、動きがスローで「鈍いなぁ」という感じだ。

 最終ラインで、かったるそうにボールを回す。明日のデートでどこへ行こうか考えてでもいるのだろうか?

 フランスは中央でポストにボールを当て、再展開する形をよく使っている。そして20分過ぎにギュンドアンが負傷交代したあたりから、徐々にギアを上げてきた。デートの場所が決まったのだろうか?

 この流れは後半に入っても続き、ドイツは押し込まれた。それでなくても彼らは心なしか緩んだ感じだ。もはや前半の「負けたら殺される」みたいな切迫感はない。1-0で進めばよし、というノリなのだろうか。ただし失点しないだけの集中力はある。

 チャンスは作るが、デシャンのチームはなかなか得点できない。

ドイツの追加点が決定打に

 そんなドイツに貯金ができたのは87分だった。敵の縦パスをカットしてショートカウンターに入る。ハヴァーツがライン裏にスルーパスを入れ、サネが走り込んでボックス右からゴール左へ華麗に流し込んだ。2-0だ。

 これに対し、フランスが留飲を下げたのは89分だった。サネがエリア内でカマヴィンガを倒してPKになる。キッカーはグリーズマンだ。彼は冷静にゴール右に決め、フランスは1点差に詰め寄った。

 だが反撃もそこまで。後半アディショナルタイムは3分しかなく、これではデシャンたちは帰り支度もままならない。かくてルディ・フェラ―暫定政権は6試合ぶりの白星をゲットした。

 試合開始から前半中盤にかけての緊張感が持続するなら、ドイツの再建はあり得るだろう。だが次第に沈静化していった様子を見るとどうだろうか。ひょっとしたら次回2026年のワールドカップでは、また「日出ずるところの」日本と当たり煮え湯を飲むハメになるかもしれない。

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【EURO2024予選】スパレッティのイタリアが初白星、2位に浮上 ~イタリア 2-1 ウクライナ

2023-09-16 08:19:20 | CL/EL/EURO(世界規模のサッカーリーグ)
フラッテージのドッピエッタで競り勝つ

 EURO2024予選・グループC第6節が日本時間13日に行われ、前回大会王者のイタリア代表がスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァでウクライナ代表と対戦した。

 ルチアーノ・スパレッティ監督がスタメンに抜擢したダヴィデ・フラッテージのドッピエッタ(1試合2得点)でイタリアが2-1と競り勝った。

 先月、イタリア代表監督を電撃辞任したロベルト・マンチーニがサウジ代表監督に就任し、大論争になったイタリア国内である。

 それを受け昨季ナポリでスクデットを獲得したスパレッティが任を継いだが、第5節で北マケドニア相手に1-1のドローを演じてまた騒動が勃発。

 そんな暗雲を吹き飛ばしたスパレッティ新体制での初白星だった。この勝利でイタリアはグループ2位に躍り出た。

ハイプレスを起点にイタリアが先制

 イタリアのフォーメーションは4-1-2-3だ。彼らは右SBを高く上げ、アンカーが適宜、最終ラインに降りてビルドアップする。

 一方、ムドリクが怪我でベンチスタートとなったウクライナは、4-2-3-1だ。ジンチェンコが左のCMFに入っている。彼らは両CBが大きく開き、SBを押し上げる形でビルドアップしている。

 先制点を取ったのはイタリアだった。前半11分、ショートカウンターの形だ。イタリアがハイプレスを仕掛けると、ウクライナがビルドアップ時にボールを保持した右SBがスリップし倒れてしまう。

 このボールをかっさらったマッティア・ザッカーニがボックス内に侵入し、右にパス。受けたダヴィデ・フラッテージがワントラップしてからゴール左スミに叩き込んだ。

 ウクライナはこの1失点をして以降、相手ボールになるとディフェンディングサードまでリトリートしてブロック守備をするようになった。

2点目のラッキーゴールは29分だった

 そしてイタリアが29分に2点目を獲る。

 中盤のニコロ・バレッラがボールを大きく右に開いてニコロ・ザニオーロに届け、彼がカットインからシュートを放つ。

 するとボックス内のフラッテージに当たったボールが敵DFにも当たって跳ね返り、またフラッテージのもとに戻ってくるというラッキーチャンス。これをフラッテージがきっちりゴールに詰めた。

 このあと押し込まれたウクライナは5バック~6バックになりながら必死に守る。そして一度ウクライナが右サイドからのカウンター攻撃になりかけたが、イタリアは右サイドに人数をかけて分厚く守り切る。

 この流れでウクライナのゴールが生まれたのが41分だった。長い縦パスにアタッカーが抜け出し、ボックス左へ。アルテム・ドヴビクがシュートを打つが、GKドンナルンマが弾いた。そしてイタリアが短くクリアしたボールをアンドリー・ヤルモレンコが拾って詰めた。これでウクライナが2-1と追いすがった。

 だが後半は両チームとも攻撃の機会を得ながらモノにできず。これで試合は2-1のままイタリアの勝利に終わった。

 イタリアは立ち上がり、組み立てが雑でパスが繋がらず暗雲が漂ったが、味方がシュートしたボールの跳ね返りがフラッテージに戻ってくるという僥倖で試合をモノにした。次節は10月15日、ホームでのマルタ戦だ。

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