すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【第2次森保ジャパン】ドイツに勝って浮かれるな、トルコ戦でまだまだやるべきことはある

2023-09-12 05:07:05 | サッカー日本代表
ドイツは技術や戦術以前の問題だった

 9月9日の親善試合で日本がドイツに勝ち、すっかり楽観ムードが漂っている。

 ヤフコメなんか見ていると「これでフランスやアルゼンチンも日本と試合をやりたがるんじゃないか?」なんてコメントもあったが、日本人は勘違いしちゃいけない。

 あの日本が勝ったドイツは、はっきり言って技術や戦術以前の問題だった。あきらかに何らかの要因でチームがすでに壊れており、だから日本と戦う前から負けていた。

 個々の局面を観ても、無気力なプレーだらけだ。例えばドイツのゴール前で田中碧が2人のDFに挟まれているのに、ドイツのDF陣はまったく競ろうとしなかった。完全なボールウォッチャーになっていた。で、田中にゴールされた。

 またアントニオ・リュディガーにしてもそうだ。自分の目の前でMFゴセンスが久保にボールを奪われるのを見ても、真剣に久保を追わなかった。で、ドイツは失点した。

 競るべきボールを競らない、追うべき敵を追わない。ないないづくしで、ぜんぜん代表レベルのサッカーになっていなかった。

 あんなチームに勝って「日本は強くなった」なんてカン違いしちゃいけない。

 もっとストイックにならなきゃダメだ。

日本にも課題は山とある

 あのドイツだから勝てたが、日本にも課題はある。

 森保監督は「ボール保持率を少しでも上げる必要がある」とコメントしていたが、あの試合の日本のポゼッション率は37%だった。ぜんぜん目標には到達していない。

 正確には「保持率を上げる」というより、「(カウンター攻撃だけでなく)ポゼッションスタイルでもプレーできる時間をもっと長くしたい」という意味だと思うが、あの試合で日本にポゼッションスタイルなんてカケラもなかった。日本の攻めは基本、切れ味鋭い劇的なカウンターだった。

 いや個人的には、日本はショートカウンター主体でいいと思っている。

 ただ確かにカタールW杯のコスタリカ戦みたいに、相手にボールを持たされて「何をやればいいかわからなくなる」なんてことになったらマズい。

 特にW杯のアジア予選で弱小国との試合になれば、必然的にコスタリカ戦みたいな状況になる。相手は自陣に引いて構えて、日本はボールを「持たされる」。その意味ではあくまで相手との相性で、ポゼッションもできるようになっておいたほうがいいとは思う。

 ドイツ戦からメンバーを大幅に入れ替え、ついに久保建英にスタメンが回ってきそうな本日12日のトルコ戦ではそこがどう出るか? 大きなポイントだ。

5-4-1の問題点も修正すべきだ

 一方、ドイツ戦の後半からはシステムを5-4-1に変えた。あれも一長一短だった。

 あのドイツ戦の前半19分。サネに決められた同点弾の場面では、試合に4バックで入った日本は相手の攻めを受けて中央に絞ったために、サイドにできたスペースを突かれた。

 その点、確かに5バックにすると横幅は埋められる。だがどうしても構造上の問題もあり、最終ラインがズルズルと低くなりすぎてゾーンが間延びしていた。

 5-4-1時の問題は過去にもあったが、そこも修正すべき点だろう。もっとコンパクトにやりたい。

 5-4-1は日本の切り札ともいえるシステムだけに、もしまた使うとすればトルコ戦ではそこが改善されているかどうかも大きなポイントだ。

最終ラインからビルドアップしたい

 最後のひとつは、日本に残された宿題だ。

 森保監督が「ボール保持する時間を少しでも長くしたい」「一定の時間帯だけでもポゼッションスタイルでやらなければ」「なぜなら格下と戦うW杯のアジア予選では必ず必要になるから」と考えているのなら、最終ラインからのビルドアップは不可欠だ。

 トルコ戦ではGKを起点として、後方からグラウンダーのボールをていねいに繋いで攻めを立ち上げることにトライしたい。

 別に偽SBなどやらなくてもビルドアップはできる(もちろんやってもいいが)。カギは縦方向に、できれば複数のパスコースを同時に作ることだ。そうすれば敵にAコースを対応されても、Bコースが残る。

 またグラウンダーのパスでなくても、ドイツ戦で2度やったような対角のサイドチェンジの長い浮き球を入れるのでもいい。あれはナイスだった。

 もしパスコースがなければ、いったんバックパスして組み立て直すのでもいい。個人的にはバックパスはあまり使いたくないが、そこで単純にロングボールを放り込むのではビルドアップの練習にならない。

 カンタンにあきらめず、常に縦や斜めのパスコースを作ること、そのために数歩でも動き直すことを心がけたい。

 まだまだ日本がやるべきことは多い。

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