すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー観戦術】ひとクラス上になるサッカーの見方

2021-01-01 08:48:50 | サッカー戦術論
4つの局面での挙動を観察する

 みなさんはどんな風にサッカーを観ているだろうか? もちろん酒を飲みながら楽しんで観るのがいちばんだが、ときには分析的な見方をするのも楽しい。今回はそんな観戦術を見ていこう。

 まずはフォーメーションの確認だ。で、それが攻撃時、守備時それぞれにどう変化するのか観察する。例えば攻撃時4-2-3-1だが、守備の時は4-4-2に変化し敵のビルドアップを牽制する、など。

 一方、一例として基本フォーメーションは4-2-3-1だが、ボールを持ってビルドアップする時にはセントラルMFの1人が2CBの間に下りて3バックを構成し、そのぶん両SBを上げる3-1-3-3になる、みたいな例も。

 サッカーチームはこんなふうにそれぞれ自分たちの型をもっており、それがわかると観戦がグッとおもしろくなる。

ビルドアップのパターンは?

 また上にも書いたが、ひとくちにビルドアップといってもいろんなパターンがある。

 例えば前記したセントラルMFが2CBの間に下りてSBを上げる形もあれば、そのほかにもセントラルMFがCBとSBの間に下りることもある。

 また左(右)のSBが高く上がり、2人のCBと逆サイドのSBが左(右)にスライドして3バックを形成する形。

 さらにはスペースがあれば、ボールを保持したCBがドリブルで持ち上がるなど、いろいろだ。

 あなたがサポートするチームはどれに近いだろうか?

サッカーにおける4つの局面とは?

 さて冒頭ではザックリ攻撃時、守備時で分けたが、もっと細かくいえばサッカーには4つの局面がある。

 それは(1)攻撃中にボールを失い、(2)守備の態勢に切り替えて(3)守備に移行する。そこから(4)ボールを奪ってまた攻撃する、という遷移だ。

 つまりサッカーでは、攻撃→ネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)→守備→ポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)という4つの局面が無限に円環構造を描いて続いている。つまりポジティブ・トランジションの次は冒頭に戻ってまた「攻撃」の局面を迎える。で、以下、無限ループだ。

 すなわちこの4つの局面それぞれに、チームがどんな挙動をするのかを観察するのだ。

 例えば攻撃時からボールを失ったらその場でゲーゲンプレッシングし(複数の選手がボールに襲いかかる)、ボールを奪取したら高い位置からショートカウンターをかける、というぐあい。

 あるいは逆に攻撃時からボールを失えば、まずミドルサードまでリトリートし、4-4-2に変化してミドルプレスをかける、というパターンもある。さらに守備的なチームなら、ボールを失うとディフェンディングサードまで後退し、自陣深くで5-4-1や5-3-2の組織的守備からロングカウンターを狙う、という例もある。

プレー原則がちがえばスタイルが変わる

 上に書いた前者はボールを失うと、その場で足を止めず失ったボールに嵐のように襲いかかって(ストーミング)、ボールを奪取したらカウンター速攻に移る、という「攻撃的な守備」からの反攻だ。このタイプのチームはトランジション(切り替え)を重視し、4つの局面が素早くシームレスに連続する。

 一方、後者はボールを失えば逆に後退し、いったん態勢を整えてから組織的守備に移るパターンだ。ミドルプレスでボールを奪えればそう遅くないカウンターを打てる。

 またディフェンディングサードでボールを奪ったら、最前線のターゲットマンに一発でロングボールを入れるダイレクトな攻撃もあれば、いったんビルドアップし直してじっくり遅攻にするパターンもある。

 このように攻撃時にボールを失えば前者をプレー原則として選択するチームもあれば、後者をプレー原則として採用するチームもある。

 こんなふうに4つの局面における挙動を観察すると、それぞれのチームカラーがわかっておもしろい。

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