改悪される中小企業基本法
新型コロナウイルスという災厄もろとも2021年の年が明けた。
コロナに対する菅政権の無策ぶりは目を覆うばかりだ。ただ国民に行動の自粛を呼びかけるだけで何もしない。まるでジェットコースターに乗って「ギャー」と叫びながらただ坂を転げ落ちるかのような惨状である。
国民に自粛を呼びかけるなら、「自宅にいろ。カネなら出す」というのが自国通貨発行権をもつ政府の正しい対応だ。当面、コロナがヤマ場を越えるまで国民全員に毎月10万円の給付金を出すべきだ。
問題はインフレ率だが、それくらいの補償規模ならインフレ率2%などには到底達さない。やるべきだ。
中小企業の40%が「1年以内に廃業を検討」
と、あの自助・自己責任で新自由主義な菅政権が「やるわけないよなぁ」と思いながらこれを書いている。なんせ国民への補償どころか、逆に菅政権はコロナ禍を奇貨として経営の苦しい中小企業をつぶしまくるショックドクトリンを画策しているのだ。
東京商工リサーチによれば、昨年1月~8月に全国で休業や廃業、解散した企業は3万5816社(前年同期比23.9%増)だった。このペースが続けば年間5万3000社を超える勢いだ。
また同社が昨年12月17日に発表した新型コロナウイルスに関するアンケートによれば、中小企業8056社のうち40%が「1年以内に廃業を検討する」と答えている。
全国の中小企業は約4万社あり、国内企業のなんと99.7%を占める。つまり日本の体力と雇用を支える存在だ。それがいまや瓦解しつつあり、追い打ちとして菅政権のショックドクトリンが実施されようとしているのだ。
中小企業の定義を狭め補助金をカット
日本では中小企業基本法が、中小企業の定義を業種別に定めている。例えば製造業なら資本金3億円または従業員300人以下だ。この定義に合えば中小企業と認められ、補助金をもらえたり税の優遇を受けられる。
ところが新自由主義の菅政権はこの中小企業基本法を改悪し、「中小企業」の定義を狭くして補助金等をカットしようとしているのだ。
これにより自由競争に晒し、経営が苦しくなった企業はバンバンつぶす。あるいは国際金融資本や大企業に売り渡す企業の統廃合を画策している。そのためM&A(合併・買収)で生じる買収費用の一部を税優遇するほか、設備投資額の最大10%を法人税から控除し「中小企業を買いやすく」する。お題目は、統廃合で「生産性」を上げるため、である。
この政策の骨子は、菅首相のブレーンである元ゴールドマン・サックス証券アナリストで小西美術工芸社社長、デービッド・アトキンソン氏の主張そのままだ。
だが補助金カット等が目的なのはミエミエだし、企業を買いやすくして外資に売却するというのがうさん臭い。また竹中平蔵のようなレントシーカーが暗躍するのは目に見えている。
なにより国内企業の99.7%を占める中小企業は国民に膨大な雇用を保証する存在であり、それがつぶされては路頭に迷う人がいよいよ増える。
財政出動し「毎月10万円」の補償を
「ショック・ドクトリン」とは、社会に壊滅的な惨事が発生したとき、人々がショック状態に陥って茫然自失のまま抵抗力を失っているのを好機ととらえ悪用する政策手法だ。
まさに菅政権はコロナ禍で死亡者が増え、企業が転廃業し人々が呆然自失なのに乗じ、中小企業基本法の改悪というショック・ドクトリンを行おうとしている。
しかも竹中平蔵のような「企業統廃合ブローカー」への利益供与を含みに入れて。
なんとしてもこのショック・ドクトリンを止める必要がある。
そして繰り返しになるが、政府は「自宅にいろ。カネなら出す」政策を大々的に推進すべきだ。いま財政出動せずにいつするのか? 補償なしで自粛だけ呼びかけても何の意味もない。カネがなければ自粛などできない。菅政権はもっと実効性のある政策を打ち出すべきだ。
新型コロナウイルスという災厄もろとも2021年の年が明けた。
コロナに対する菅政権の無策ぶりは目を覆うばかりだ。ただ国民に行動の自粛を呼びかけるだけで何もしない。まるでジェットコースターに乗って「ギャー」と叫びながらただ坂を転げ落ちるかのような惨状である。
国民に自粛を呼びかけるなら、「自宅にいろ。カネなら出す」というのが自国通貨発行権をもつ政府の正しい対応だ。当面、コロナがヤマ場を越えるまで国民全員に毎月10万円の給付金を出すべきだ。
問題はインフレ率だが、それくらいの補償規模ならインフレ率2%などには到底達さない。やるべきだ。
中小企業の40%が「1年以内に廃業を検討」
と、あの自助・自己責任で新自由主義な菅政権が「やるわけないよなぁ」と思いながらこれを書いている。なんせ国民への補償どころか、逆に菅政権はコロナ禍を奇貨として経営の苦しい中小企業をつぶしまくるショックドクトリンを画策しているのだ。
東京商工リサーチによれば、昨年1月~8月に全国で休業や廃業、解散した企業は3万5816社(前年同期比23.9%増)だった。このペースが続けば年間5万3000社を超える勢いだ。
また同社が昨年12月17日に発表した新型コロナウイルスに関するアンケートによれば、中小企業8056社のうち40%が「1年以内に廃業を検討する」と答えている。
全国の中小企業は約4万社あり、国内企業のなんと99.7%を占める。つまり日本の体力と雇用を支える存在だ。それがいまや瓦解しつつあり、追い打ちとして菅政権のショックドクトリンが実施されようとしているのだ。
中小企業の定義を狭め補助金をカット
日本では中小企業基本法が、中小企業の定義を業種別に定めている。例えば製造業なら資本金3億円または従業員300人以下だ。この定義に合えば中小企業と認められ、補助金をもらえたり税の優遇を受けられる。
ところが新自由主義の菅政権はこの中小企業基本法を改悪し、「中小企業」の定義を狭くして補助金等をカットしようとしているのだ。
これにより自由競争に晒し、経営が苦しくなった企業はバンバンつぶす。あるいは国際金融資本や大企業に売り渡す企業の統廃合を画策している。そのためM&A(合併・買収)で生じる買収費用の一部を税優遇するほか、設備投資額の最大10%を法人税から控除し「中小企業を買いやすく」する。お題目は、統廃合で「生産性」を上げるため、である。
この政策の骨子は、菅首相のブレーンである元ゴールドマン・サックス証券アナリストで小西美術工芸社社長、デービッド・アトキンソン氏の主張そのままだ。
だが補助金カット等が目的なのはミエミエだし、企業を買いやすくして外資に売却するというのがうさん臭い。また竹中平蔵のようなレントシーカーが暗躍するのは目に見えている。
なにより国内企業の99.7%を占める中小企業は国民に膨大な雇用を保証する存在であり、それがつぶされては路頭に迷う人がいよいよ増える。
財政出動し「毎月10万円」の補償を
「ショック・ドクトリン」とは、社会に壊滅的な惨事が発生したとき、人々がショック状態に陥って茫然自失のまま抵抗力を失っているのを好機ととらえ悪用する政策手法だ。
まさに菅政権はコロナ禍で死亡者が増え、企業が転廃業し人々が呆然自失なのに乗じ、中小企業基本法の改悪というショック・ドクトリンを行おうとしている。
しかも竹中平蔵のような「企業統廃合ブローカー」への利益供与を含みに入れて。
なんとしてもこのショック・ドクトリンを止める必要がある。
そして繰り返しになるが、政府は「自宅にいろ。カネなら出す」政策を大々的に推進すべきだ。いま財政出動せずにいつするのか? 補償なしで自粛だけ呼びかけても何の意味もない。カネがなければ自粛などできない。菅政権はもっと実効性のある政策を打ち出すべきだ。