すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【女子W杯2023】なでしこジャパンの戦術は男子レベルだ

2023-08-04 05:25:25 | なでしこジャパン(ほか女子サッカー)
「女子サッカー離れ」している彼女たち

 オーストラリアとニュージーランドで「FIFA女子ワールドカップ2023」が開催されている。

 目下、なでしこジャパンはなんと11ゴールをあげ無失点で1次リーグを3連勝し、グループCのダントツ1位で決勝トーナメント進出を決めたばかりだ。その快調に勝ち進むなでしこには、明らかに男子レベルの戦術が落しこまれている。

 たとえばポゼッションスタイルでプレーするときの彼女たちが秀でているのは、流れるようにていねいな最終ラインからのビルドアップと歯切れのいいトランジション。

 そしてムダな手数をかけない素早いパスワークと、機敏な2列目からの飛び出し、驚異の決定力、極めつけは男子顔負けのポケットを意識した巧妙なフィニッシュだ。

 今大会、強豪国の試合はひと通り観ているが、女子の世界は中にはいまだにキック・アンド・ラッシュのようなスタイルのチームもある。例えばフィニッシュにしても、よく見かけるのはサイドからの単純なクロスに合わせるようなパターンだ。

 なでしこジャパンのように、敵ライン裏のスペースを狙ってグラウンダーのスルーパスを刺しこむような男子顔負けのフィニッシュをしているチームは見当たらない。

 しかも1次リーグ第3節のスペイン戦を見ればわかる通り、なでしこジャパンはポゼッションスタイルとカウンター戦術を試合によって(あるいは時間帯によって)きっちり使い分けられるのだ。

 あのカタールW杯コスタリカ戦でボールを持たされ、ポゼッションへの切り替えがうまく利かず惨状をさらした男子とはえらい違いである。

高さや強さで勝負する決勝T進出チーム

 もちろんなでしこたちは、単純にボールをただ放り込むようなアバウトなプレイはしない。すべて計算ずくでプレーしている。

 セットプレーも完全にデザインされている。

 他方、決勝トーナメントに進出したチームを見ると、アメリカやノルウェー、スウェーデンなど、プレー強度を生かした高さや強さで勝負するチームが多い。

 そんななか、低くて速いグラウンダーのパスを操るなでしこジャパンのスキルフルなポゼッションサッカーは、彼らに対する有効な対抗手段になると見る。

 他の強豪国の大柄で鈍重な女子選手はアジリティとトランジションで日本に劣り、なでしこが得意な速いパスワークとポジションチェンジについてこられないだろう。

 その意味で今大会は、並み居る強豪国を圧倒して優勝する大きなチャンスである。

デュエルに強いMF杉田は秘密兵器だ

 なかでも個人的に期待している選手は、左ウイングバックのMF杉田妃和だ。

 彼女は明らかに対人プレイの強度が男子レベルに近い。ほかの選手と違ってボディコンタクトをまったく怖がらないし、むしろ自分からカラダを押っ付けて球際で激しく競り合うプレイをする。

 今大会、その彼女はまだ1次リーグのコスタリカ戦にしかスタメン出場していない。

 もちろん同じポジションを争うMF遠藤純も突出してすばらしい選手だが、その意味で杉田は「秘密兵器」といえるかもしれない。

 なお、なでしこジャパンの決勝トーナメント1回戦は、8月5日(土)の日本時間17時00分にキックオフされる強豪ノルウェー戦だ。NHKが総合テレビ(地上波)で16時50分から生中継する。ぜひ日本から「念」を送ってほしい。

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