すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【女子W杯・分析】なぜ女子W杯2023はおもしろかったのか?

2023-08-22 07:25:53 | なでしこジャパン(ほか女子サッカー)
真剣さとボールスピードがすごかった

 熱かった女子ワールドカップ2023が終わり、また元通り男子サッカーを観るようになった。で、手始めに鎌田大地のラツィオ戦、南野拓実のモナコ戦、藤田譲瑠チマのシント・トロイデン戦を観たのだが、ちっともおもしろくない。「女子ワールドカップの方がはるかにおもしろかったなぁ」と感じた。

 ちょっとした「女子ワールドカップ・ロス」である。

 で、それは一体なぜなのか? をちょっと分析してみた。

1)女子ワールドカップの方がパスがよく通った

 これはよし悪しなのだが、ボールに激しくプレスをかけ合う男子にくらべ、女子はそこがゆるい。そのぶんパスがよく通る。実際、なでしこジャパンやスペイン女子代表はこれでもかとパスを繋いでいた。プレスが辛い男子サッカーにくらべ女子はプレスが甘いのだが、エンターテインメントとしては逆にそこがいい。

 考えてみたら男子サッカーだって往年の時代はプレスなるものがゆるく、ゆうゆうとパスを通しあっていた。その意味では、女子サッカーは「古き良き時代のサッカーの味わいがある」と言えるかもしれない。

2)女子ワールドカップの方がボールスピードが速かった

 個人的な好みなのだが、私はボールスピードの遅いサッカーを観る気がしない。インサイドキックのボールが「てんてんてん」などとゆるく弾みながら転がっているのを観ると、それだけでテレビを消したくなる。

 そこへ行くとイングランド女子代表とスウェーデン女子代表、オーストラリア女子代表のインサイドキックのボールスピードはかっ飛んでいた。スパン! と来る。痛快だった。

3)女子ワールドカップの方が国を背負って真剣だった

 サッカーって国を背負っているのと、単に勝敗をかけているのとでは純度がちがう。

4)女子ワールドカップの方が無駄なアイドルタイムがない

 世の中のコンテンツはどんどん短サイクル化している。例えば人々は長大な書籍などは読まず、いまや短いX(旧ツイッター)を読む。YouTubeにしても「1時間は長すぎるなぁ」となり、いまどきは15分のコンテンツがせいぜいになった。そんななか、サッカーの90分は長すぎる。

 で、その長い90分の中でも、男子より女子ワールドカップの方が無駄なアイドルタイムがないのだ。例えば男子みたいに大げさに倒れてファウルをアピールし、笛が鳴るといちいち時間が止まってモメるーー。これがかったるい。思わず「早送り」したくなる。女子サッカーにはそれがない。汚いプレーなし。これは大きい。

「女性のサッカーだからパワーがないだろう」などと先入観を持つなかれ。今大会のイングランド女子代表やスウェーデン女子代表、オーストラリア女子代表のプレーはパワフルですごかった。技術的にも申し分ない。遠い逆サイドに1本のボールで楽々サイドチェンジしていた。

 てなわけで私は女子サッカーに対する偏見がすっかりなくなり、「WEリーグが始まったら観てみよう」と思っている次第である。

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