斜面を登ったり山菜を取るために無理な体勢で踏ん張ったりしたせいか、
だいぶ汗が出てきて、腰や肩が痛くなり、ふくらはぎもバンバンに張ってきて、
限界かなーと思っていたら、
「そろそろ、止めるか?アイコ汁食わせるぞ。」と先輩。
実働は1時間半ほどだったでしょうか?
山道からアスファルトの道に戻り、
また別の林道に入っていったら、
馬場目川の渓流沿いに綺麗な東屋がありました。
「今、うっめーアイコ汁と天ぷら作ってやるから、その間に持って帰る
山菜を川で洗って来い。」
と先輩は言います。
私たちに食べさせるために昨日のうちにヤマメや山菜を取って下ごしらえをして、
その上比内地鶏や海老まで買って、
ガス代・鍋その他を準備していたのでした。
大きなダンボール類も湧き水もその調理のためのものだったと言うわけです。
どこまでもマメな人です!
こんなサプライズプレゼントまであろうとは、全く考えてもいませんでした。
「一度連れてって下さいよ。山菜の生えている所が見たいんです。」
なんて簡単に頼んだばかりにこんな面倒をかけて、
申し訳ない気持ちで一杯でしたが、
こうなったらとことんご好意に甘えようと思いました。
Tちゃんと二人でたくさんの山菜を洗っていたら、
「出来たぞー。」と先輩の声。
それが上のアイコ汁です。
比内地鶏から出た脂が表面に金色の膜を張った醤油味の椀物の美味しかったこと。
これ以上ないほどシンプルなのに、これ以上ないほど深い味なのです。
私は思わず天井に向かって「美味いー。」と叫んでしまいました。
Tちゃんはウンウンと唸りながら黙々と食べ、
あっという間に2杯目を盛りに行きました。
天ぷらもウドやタラノ芽などいろいろな種類を揚げては持ってきてくれます。
まるで「はげ天」みたい!
至れり尽くせりで、今日の私は召使改め女王様です。
揚げたてを食べるのですからまずかろうはずもありません。
特に3枚に下ろしたヤマメの天ぷらは絶品でした。
生臭みを取るために牛乳やビールを使ったと言うことですが、その風味は言葉に出来ません。
「山で食べるから美味いんだ。」と謙遜している先輩ですが、
それぞれの素材を知り尽くした料理に「恐れ入りました。」と言うしかありませんでした。
木漏れ日の中に咲くニリンソウや
エンレイソウも見られたし、
こんな可愛い黄色の花も咲いていました。
(帰ってきてから検索したら、
大きな葉っぱと黄色のスミレみたいな花が特徴のオオバキスミレのようです。)
体は疲れたけど、気分は晴れ晴れの、とても楽しい1日でした。
山の神様ありがとう!
そして、先輩・Tちゃんに感謝!