先日、某カード会社からお便りが届いた。「ウチのカード全然使ってないのに有効期限になってるみたいだけど、今後も使う心算なら一回ぐらい決済しろ」と云った内容を婉曲に表現したものだったので、敢えて一回だけ使って無駄な維持費を背負わせてやろうかと思ってしまった。ともあれカード発行枚数を競い合う時代でもあるまい。不採算顧客は婉曲に切り捨てて、上得意のエンゲージメントを高める方に予算を割り当てるのが正しい経営判断である。2023年の新成人(18歳)は約112万人である。どれだけ頑張ってもこの人数を超えた会員をこの世代で獲得出来ない。しかも人口縮小は止まる気配も無い。闇雲にカードを乱発しても、その殆どは死蔵されると思っておいた方が良い。年会費無料のモデルは早晩崩壊し、今後は「会費1万円だけど誕生日に黒毛和牛が3kg届く」の様な、撒き餌でサンクコストを背負わせる婉曲で狡猾な手口が流行るのではないかと想像しているのである。