目に見えるものが真実とは限らない。Galaxyのハイエンド機種には100倍ズームを謳ったカメラが搭載されているが、AIの補正が働いていると云う指摘があったそうである。ボケた月の写真を作成し撮影した所、明暗の境界部分がクッキリしたとの事で、これはズームでは無いと云う主張である。そんな検証方法をよくも思い付くなと感心するのであるが、スマホのカメラが何らかの補正を掛けるのは普通になっていると思う。写真とは言いながら「映えを考えてこう見えて欲しい」と云う願望補正がそもそも有るのである。だから料理の写真は美味しそうだし、夜景も人物や背景の発光物が際立つように加工されるのが常である。面倒な調整を全てAIに丸投げしたものを「写真」と呼べるかと云う形而上的思索は誰かに任せるとして、見せたいものが真実である、と云う身も蓋もない人間心理の存在は確かである。そう云う意味では写真と云う名称は見直した方が良いのかも知れないのである。