昨年は、山主が入院したりとバタバタしていた時のことです。
愛猫のタヌが昨年の11月頃、いなくなりました。
(2014)
その二日ほど前に山主が、
「タヌがエサを食べなくなった。もぅ死ぬな。出て行ったら帰ってこなくなるぞ」と。
この言葉とおり、本当にそれから二日ほどして、出て行ったきり戻ってきませんでした。
昔から猫は人に死に目を見せないと言われておりますが、
「ほんまかな?長い間、家に飼っていたのに…。」
寒い日が続きとても心配しておりました。
山主が「(元)野良猫は、死に際が綺麗やな」
「みとってみ、お別れにくるで」と。
しばらくして、ひよっこりと姿を見せにきましたが、
家には入って来ずに姿を消しました。
そして次の日、
玄関先に置いてあった水の入っている睡蓮鉢の中に
綺麗な小さなネズミが一匹入っていたのを山主が見つけました。
山主が「タヌがお礼においていったんやな」
それっきり、タヌの姿を見ることはありませんでした。
12月に入り、信者様の猫が急死され、当山で弔いをさせていただきました。
それから、貞観の飼い猫も12月30日、息を引き取りと、
昨年は、なぜか、猫との寂しい別れが続きました。
家で飼っている生き物は、身代わりになってくれるといいますので、
身代わりになってくれたのでしょうか。
山主が、「タヌの弔いをしてやらな、あかんな」と言いつつも
春のお彼岸が来てしまいました。
その朝のお勤めに、タヌが現れたのです。
赤や黄色や紫と、色とりどりの小さな花が咲いている
小道のようなところで、蝶々が飛んでおり、
それを捕まえようと、一生懸命に手を動かして
走りまわっていたそうです。
山主が見せてもらったのは、極楽のようだったと、
「タヌは成仏したんやな」
ほっとしましたね。
南無大師遍照金剛