前回歩き残した1,840mのコブ山から戸蔦別岳は何としてもこのシーズンに歩きたいと思っていました。
それは、去年に続き7号堰堤の工事により6号堰堤にある最終ゲートまで除雪されていることが大きな理由です。
トツタベツ林道は、最終人家まで普段でも除雪されていますが、ここからラッセルをしながら林道を歩いても取り付きまで1日はかかってしまいます。
それが、最終ゲートまで車で入れるということは、往復で2日分の行程が短縮されるのです。
そういったことで、3月も末になりましたがメンバーの休みが合ったので27日から29日にこの区間を歩くことにしました。
いつも一緒に登ってるKo氏は腰の不調により残念ながら参加できません。
その代わりというわけではないのですが、北見山岳会のmocoさんが初日高として参加することになりました。
今回は、私にSz氏、On氏、紅一点のmocoさん、4人での挑戦となります。
当初は、26日から出かける予定でしたが、27日の天気予報は雨のため1日ずらして札幌を出発することにしました。
3月27日
午後3時に集合して一路十勝を目指します。
今日は、剣山にある小屋で前泊の予定です。
この剣小屋は剣山の麓にありなかなか便利な場所にある小屋です。
剣小屋に着くと前着者が1人いました。
長野から来られている男性のご老人でした。
本人曰く、「カリスマ失業者」という方でもう数年前に仕事を辞めて山登りに専念しているようでした。
この方に、明日は早出するので少し騒がしいかもしれないがよろしくと挨拶をしておきます。
3月28日
4時に目を覚まし出発の準備をします。
前日買い置きしておいたお弁当などで簡単に食事を済ませます。
5時過ぎに剣山小屋を出発してトツタベツ林道を目指します。
林道へ入ると路面が凍ってツルツルです。
慎重に運転して最終ゲートに到着。
さあ、ここから今回の登山が始まります。
6:30分、凍った路面のため私はスキーを担ぐことにしました。
On氏はスキーを履いていきます。
それぞれの方法で進みます。
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7号堰堤までは除雪されている路面がツルツルでした。
それでも25分ほどで到着です。
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前回来たときにあった作業用の詰め所などはきれいに片づけられています。
ここからは、除雪されていない林道歩きですのでスキーを履きます。
8号堰堤までは林道がしっかりしています。
しかし、この先は廃道となっているようです。
8号堰堤の横(右岸)は急な崖となっており、そこから雪が流れ落ちて急斜面を作っています。
急斜面の下は遮るものがない状態で砂防ダムに堰き止められた湖面となっています。
私とSz氏はスキーのままその急斜面をトラバースします。
クラストした斜面のトラバースですので滑り落ちると湖面にまっしぐらです。
緊張しながらスキーのエッジを雪面に食い込ませながら何とかトラバースを終えます。
On氏とmocoさんはスキーを脱いでトラバースしてきます。
ここから先は、地図には林道の表示があるのですが現場でははっきりしません。
しかし、時々避難所の道路標識があるので林道であることは間違いありません。
そんな道を歩いていると大きな足跡が山の上の方から沢に向かってありました。
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何と、熊さんの足跡です。
足跡の輪郭が融けているので数日前の足跡のようです。
3月も末ですので、すでに熊さんも冬眠からお目覚めのようです。
林道の跡がはっきりしないので川原へ降ります。
すると、右岸の奥から雪崩れたデブリが川原まで達しています。
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川原が狭くなったところで右岸から大きな沢が入り込んできています。
どうやら八の沢のようです。
ここまで約3時間かかりました。
八の沢の出会いを回り込んでから尾根に取り付きます。
しかし、早朝のためクラストしたままの急な斜面ではスキーのエッジが利きません。
やむなく、スキーをデポしてツボ足で登ることにします。
幸いなことにツボ足でもクラストした斜面なので何とか歩けます。
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しかし、斜面の傾斜は半端ない急斜面です。
おまけに所々クラストした斜面を踏み抜くと腰くらいまで埋まってしまうのです。
だましだまし登りますが息が切れてきます。
Sz氏が斜面を踏み抜き転がり落ちます。
2回転したところで窪んだところに助けられ止まります。
怪我がないようでしたので一同ホッとしました。
登っても登っても急な斜面が続きます。
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1,200mを越えたところで少し傾斜が緩くなります。
しかしこの先にはさらなる急斜面が待っています。
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登るに従って神威岳の方が見えてきます。
この景色を励みに登ります。
今日の目標は1,500m辺りまで登ることです。
尾根を登っていくと細い尾根が見えてきます。
この細い尾根の先は降らなければならないようです。
このコブ尾根を降るのが大変でした。
腰ほどまで埋まってしまうのです。
1歩1歩を腰くらいまで埋まりながらラッセルして何とかコルに到着です。
この先はまたまた急な斜面が続きます。
その斜面を登りきるとやっと主稜線が見えてきました。
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大きな雪庇が続きます。
前回歩いたときにあった雪庇の根元のクラックが頭をよぎります。
雪庇の根元に注意しながら歩きますが、どうやらクラックはないようです。
雪面も堅く締まっています。
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前方に見えるコブの頭を目標に登ります。
13:50分、今日の雪洞ポイントに到着です。
この場所は雪庇が顕著ではなく大きな雪が貯まっています。
尾根の前後を見ても雪庇が大きく雪庇の下に回り込むのが難しいのです。
それに比べるとこの場所は簡単に雪庇の下に回り込むことができます。
On氏がゾンデで雪の深さを測ります。
上からと横から深さを測りますが雪洞を掘るには十分な量であることが確認できました。
早速いつものように2穴を同時に掘り進めます。
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今回の雪洞はできるだけ雪面に近い場所に掘り進めます。
それは、雪が深くなると堅くなっているからです。
上部から1mほど下が天井になるように掘り進めます。
雪洞堀りの途中で外を見ると空が晴れています。
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沢の向こうには前回登った神威岳からの稜線がクッキリと見えています。
約2時間で完成しました。
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雪洞の中にテントを張ってやっと一息付けます。
荷物を整理したら水作りです。
前室もあるのでそれぞれの場所に陣取りお酒を飲んだり会話を楽しんだりとホッとする時間を楽しみます。
テントの中で小事件が発生しました。
Sz氏がホットウイスキーを作るためにガスストーブでウィスキーを温めているときです。
蒸発したアルコールに火が付きカップから炎が上がります。
まさにフランベした状態です。
一瞬テントを燃やしてしまうのではないか緊張が走りましたが、幸いなことにウィスキーの量が少量だったため大事には至りませんでした。
テント内での火の扱いには十分な注意が必要ですね!!
それは、去年に続き7号堰堤の工事により6号堰堤にある最終ゲートまで除雪されていることが大きな理由です。
トツタベツ林道は、最終人家まで普段でも除雪されていますが、ここからラッセルをしながら林道を歩いても取り付きまで1日はかかってしまいます。
それが、最終ゲートまで車で入れるということは、往復で2日分の行程が短縮されるのです。
そういったことで、3月も末になりましたがメンバーの休みが合ったので27日から29日にこの区間を歩くことにしました。
いつも一緒に登ってるKo氏は腰の不調により残念ながら参加できません。
その代わりというわけではないのですが、北見山岳会のmocoさんが初日高として参加することになりました。
今回は、私にSz氏、On氏、紅一点のmocoさん、4人での挑戦となります。
当初は、26日から出かける予定でしたが、27日の天気予報は雨のため1日ずらして札幌を出発することにしました。
3月27日
午後3時に集合して一路十勝を目指します。
今日は、剣山にある小屋で前泊の予定です。
この剣小屋は剣山の麓にありなかなか便利な場所にある小屋です。
剣小屋に着くと前着者が1人いました。
長野から来られている男性のご老人でした。
本人曰く、「カリスマ失業者」という方でもう数年前に仕事を辞めて山登りに専念しているようでした。
この方に、明日は早出するので少し騒がしいかもしれないがよろしくと挨拶をしておきます。
3月28日
4時に目を覚まし出発の準備をします。
前日買い置きしておいたお弁当などで簡単に食事を済ませます。
5時過ぎに剣山小屋を出発してトツタベツ林道を目指します。
林道へ入ると路面が凍ってツルツルです。
慎重に運転して最終ゲートに到着。
さあ、ここから今回の登山が始まります。
6:30分、凍った路面のため私はスキーを担ぐことにしました。
On氏はスキーを履いていきます。
それぞれの方法で進みます。
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7号堰堤までは除雪されている路面がツルツルでした。
それでも25分ほどで到着です。
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前回来たときにあった作業用の詰め所などはきれいに片づけられています。
ここからは、除雪されていない林道歩きですのでスキーを履きます。
8号堰堤までは林道がしっかりしています。
しかし、この先は廃道となっているようです。
8号堰堤の横(右岸)は急な崖となっており、そこから雪が流れ落ちて急斜面を作っています。
急斜面の下は遮るものがない状態で砂防ダムに堰き止められた湖面となっています。
私とSz氏はスキーのままその急斜面をトラバースします。
クラストした斜面のトラバースですので滑り落ちると湖面にまっしぐらです。
緊張しながらスキーのエッジを雪面に食い込ませながら何とかトラバースを終えます。
On氏とmocoさんはスキーを脱いでトラバースしてきます。
ここから先は、地図には林道の表示があるのですが現場でははっきりしません。
しかし、時々避難所の道路標識があるので林道であることは間違いありません。
そんな道を歩いていると大きな足跡が山の上の方から沢に向かってありました。
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何と、熊さんの足跡です。
足跡の輪郭が融けているので数日前の足跡のようです。
3月も末ですので、すでに熊さんも冬眠からお目覚めのようです。
林道の跡がはっきりしないので川原へ降ります。
すると、右岸の奥から雪崩れたデブリが川原まで達しています。
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川原が狭くなったところで右岸から大きな沢が入り込んできています。
どうやら八の沢のようです。
ここまで約3時間かかりました。
八の沢の出会いを回り込んでから尾根に取り付きます。
しかし、早朝のためクラストしたままの急な斜面ではスキーのエッジが利きません。
やむなく、スキーをデポしてツボ足で登ることにします。
幸いなことにツボ足でもクラストした斜面なので何とか歩けます。
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しかし、斜面の傾斜は半端ない急斜面です。
おまけに所々クラストした斜面を踏み抜くと腰くらいまで埋まってしまうのです。
だましだまし登りますが息が切れてきます。
Sz氏が斜面を踏み抜き転がり落ちます。
2回転したところで窪んだところに助けられ止まります。
怪我がないようでしたので一同ホッとしました。
登っても登っても急な斜面が続きます。
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1,200mを越えたところで少し傾斜が緩くなります。
しかしこの先にはさらなる急斜面が待っています。
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登るに従って神威岳の方が見えてきます。
この景色を励みに登ります。
今日の目標は1,500m辺りまで登ることです。
尾根を登っていくと細い尾根が見えてきます。
この細い尾根の先は降らなければならないようです。
このコブ尾根を降るのが大変でした。
腰ほどまで埋まってしまうのです。
1歩1歩を腰くらいまで埋まりながらラッセルして何とかコルに到着です。
この先はまたまた急な斜面が続きます。
その斜面を登りきるとやっと主稜線が見えてきました。
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大きな雪庇が続きます。
前回歩いたときにあった雪庇の根元のクラックが頭をよぎります。
雪庇の根元に注意しながら歩きますが、どうやらクラックはないようです。
雪面も堅く締まっています。
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前方に見えるコブの頭を目標に登ります。
13:50分、今日の雪洞ポイントに到着です。
この場所は雪庇が顕著ではなく大きな雪が貯まっています。
尾根の前後を見ても雪庇が大きく雪庇の下に回り込むのが難しいのです。
それに比べるとこの場所は簡単に雪庇の下に回り込むことができます。
On氏がゾンデで雪の深さを測ります。
上からと横から深さを測りますが雪洞を掘るには十分な量であることが確認できました。
早速いつものように2穴を同時に掘り進めます。
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今回の雪洞はできるだけ雪面に近い場所に掘り進めます。
それは、雪が深くなると堅くなっているからです。
上部から1mほど下が天井になるように掘り進めます。
雪洞堀りの途中で外を見ると空が晴れています。
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沢の向こうには前回登った神威岳からの稜線がクッキリと見えています。
約2時間で完成しました。
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雪洞の中にテントを張ってやっと一息付けます。
荷物を整理したら水作りです。
前室もあるのでそれぞれの場所に陣取りお酒を飲んだり会話を楽しんだりとホッとする時間を楽しみます。
テントの中で小事件が発生しました。
Sz氏がホットウイスキーを作るためにガスストーブでウィスキーを温めているときです。
蒸発したアルコールに火が付きカップから炎が上がります。
まさにフランベした状態です。
一瞬テントを燃やしてしまうのではないか緊張が走りましたが、幸いなことにウィスキーの量が少量だったため大事には至りませんでした。
テント内での火の扱いには十分な注意が必要ですね!!