神戸に住んでいるみいちゃんから今年の夏はトムラウシ山に登りたいとのリクエストがありました。
そこで、7月の20日に照準を当てて北海道へ来てもらうことにしました。
この時期だと天気も安定することと何といっても高山植物の花々が真っ盛りだからです。
当初予定していたルートは沼ノ原から五色岳経由でヒサゴ沼へ入ることを考えていました。
しかし、このルートは林道が一昨年秋の豪雨で林道に架かってる橋が損傷を受けて封鎖中。
今年も開通には至らないとのことで三川台から入山することにしたものです。
三川台からのルートは、東大雪荘からのルートに較べるとなじみにない方が多いと思います。
しかし、このルートは登山口がすでに千メートルを超えているので急登が無く比較的やさしいコースといえます。
とは言ってもコースの全長が長いので侮ることはできません。
7月19日の朝、友達の夜行虫さんと千歳に着いたみいちゃんをピックアップ。
まずは富良野観光をしてもらいます。
そして、上川中部森林管理署の美瑛事業所で林道の鍵を借ります。
事業所へ行くとドアに鍵が掛かっています。
どうやら職員の皆さんが出張中です。
4時過ぎにもう一度行って事業所の前で待ちます。
ほどなく帰ってきた職員の人から手続きを行い鍵を借ります。
鍵は上川に10個、美瑛に10個用意してあるそうです。
美瑛で鍵を借りる場合には、事前に何時頃借りに来ればいいか確認した方がいいですね。
美瑛では美馬牛にある「おかせん里」という民宿に泊まります。
この宿は昨年も泊まりましたが、とても気さくなご主人がいてアットホームな雰囲気です。
料理も美味しく低料金、心安らぐ宿です。
7月20日(金)
朝6時に宿を出発。
一路三川台の登山口を目指します。
俵真布の集落を過ぎて林道を走るとゲートがあります。
このゲートを借りてきた鍵で開けて登山口へ向かいます。
登山口となる林道です。
本来の登山口はこの先2キロほどの所にありますが、一昨年の豪雨により路面に一部が流されたので通行止めになっています。
準備を終えて、6:55分出発です。
まずは林道歩きです。
幸いに天気は上々、すでに陽が射し暑くなってきます。
林道から40分ほどで以前の登山口に着きます。
ここから先、雨が降ると登山道に水が流れる足場の悪いところを歩きます。
(先日偵察に来た時は川のようになっていました。)
8:40分、岩がゴロゴロしている場所の少し下で休憩します。
ここに岳樺の幹に咲いているゴゼンタチバナを見つけました。
大きな岩が累々と重なり合っています。
ルートはピンクテープがしっかり付けられているので迷うことはありません。
この岩を登ると笹原をジグを切って登ります。
ハイ松がでてくると扇沼山が近いです。
9:35分、扇沼山に到着です。
ここでやっと視界が開けます。
目の前には旭岳の噴煙が見えています。
南を見るとオプッテシケ山がドンと大きな山容を見せてくれます。
そして、目の下には青い水を湛えた硫黄沼が見えます。
これから歩いていくトムラウシ方面の景観です。
ここまで来ると軽いアップダウンはあるものの快適な稜線歩きとなります。
ただし1個所だけベベツ川の源流部に掛けてのアップダウンがあります。
11:00分、 ベベツ川の源流部へ降ったところで休憩します。
その時、事件が勃発、何と夜行虫さんがザックの横に付けていたストックの先の部分がありません。
どうやら藪漕ぎをしていて取れたようです。
これを探しに行く時間もありませんので帰りに探すことにします。
ベベツ川の源流部に水は流れていませんでした。
涸沢となっていました。
ここからの登りがきつかったです。
でも、目を楽しませてくれる花々に助けられて登ります。
やっと源流部を登って稜線に出ます。
上の方に人影が見えます。
そこまで行くと何と犬を連れた女性が休んでいました。
彼女は朝4時半に登山口を出発してトムラウシ山に登り帰る途中とのことでした。
ベベツ川の源流部を振り返ると兜岩が大きく見えています。
12:10分、三川台に到着です。
この辺りは、右手が急な崖となっており一面のお花畑です。
そしてその下には雪渓と沼が広がります。
こんな景色を楽しみながら歩きます。
トムラウシ山へ近づくにしたがってガスが出てきます。
登山道の両側一面にチングルマが咲いています。
14:00分、やっと南沼に到着です。
沼の半分は雪渓です。
その雪渓がコバルトブルーに光っています。
とても綺麗な色です。
最後の斜面を登るとやっと南沼のキャンプ地です。
ガスも晴れてきます。
14:10分、テントサイトに到着です。
すでに10張り近くテントが張られています。
私達のテントをどこに張るか少し上の方まで見に行ってみます。
すると雪渓から流れる水の直ぐ脇に砂地のテントサイトが開いています。
先に張っている人に断って私達もこの砂地にテントを張ることにします。
隣のテントは千葉から来た単独の女性です。
もう3ほどここにいるといっています。
少しテントで休んでから空身で山頂へ出掛けます。
辺り一面お花畑です。
イワブクロの大きな塊がありました。
こんな塊となって咲いているイワブクロは初めて見ました。
山頂に登っている途中から見たテントサイトです。
砂礫地のコマクサが咲いていました。
山頂から見た南側です。
北側はガスで視界がありません。
山頂で記念写真を取り合っていましたが、まだ時間があるので北側に降りることにしました。
そして、北側に岩場を降っている時です。
とうとうナキウサギを見つけました。
ピーッ、ピーッ、と甲高い声は何度も聞いていましたが、なかなか姿を見せてくれません。
やっとその姿を見ることができました。
北沼です。
そしてここでもナキウサギを見つけました。
トムラウシ山の山頂部はほとんど岩場です。
ここには沢山のナキウサギがいます。
そしてお花畑も規模が大きいです。
アオノツガザクラとエゾツガザクラの混血種でしょうか?
花の色が不思議でした。
上の方はクリーム色ですが、下の方が赤くなっています。
このテントサイトはまさに楽園です。
高山植物にナキウサギ、雪渓があり沼もある。
千葉の女性のように数日ここにいて散歩をするのは最高の贅沢かもしれません。
雲がドンドン晴れてきました。
明日の天気が期待できます。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
この南沼キャンプ地から山頂部を見ていると本当に楽園のような場所です。
ここで大量遭難死が発生したことが信じられません。
逆に考えるとこの美しい景色の底に恐ろしい顔が潜んでいると言うことでしょう。
そういったことをいつも考えながら山と対峙する必要があります。
3年前の3月にこの山頂に立った時も快晴無風という最高の天気でした。
天気一つで最高から最悪にいつでも変わりうることを心に刻みました。
そこで、7月の20日に照準を当てて北海道へ来てもらうことにしました。
この時期だと天気も安定することと何といっても高山植物の花々が真っ盛りだからです。
当初予定していたルートは沼ノ原から五色岳経由でヒサゴ沼へ入ることを考えていました。
しかし、このルートは林道が一昨年秋の豪雨で林道に架かってる橋が損傷を受けて封鎖中。
今年も開通には至らないとのことで三川台から入山することにしたものです。
三川台からのルートは、東大雪荘からのルートに較べるとなじみにない方が多いと思います。
しかし、このルートは登山口がすでに千メートルを超えているので急登が無く比較的やさしいコースといえます。
とは言ってもコースの全長が長いので侮ることはできません。
7月19日の朝、友達の夜行虫さんと千歳に着いたみいちゃんをピックアップ。
まずは富良野観光をしてもらいます。
そして、上川中部森林管理署の美瑛事業所で林道の鍵を借ります。
事業所へ行くとドアに鍵が掛かっています。
どうやら職員の皆さんが出張中です。
4時過ぎにもう一度行って事業所の前で待ちます。
ほどなく帰ってきた職員の人から手続きを行い鍵を借ります。
鍵は上川に10個、美瑛に10個用意してあるそうです。
美瑛で鍵を借りる場合には、事前に何時頃借りに来ればいいか確認した方がいいですね。
美瑛では美馬牛にある「おかせん里」という民宿に泊まります。
この宿は昨年も泊まりましたが、とても気さくなご主人がいてアットホームな雰囲気です。
料理も美味しく低料金、心安らぐ宿です。
7月20日(金)
朝6時に宿を出発。
一路三川台の登山口を目指します。
俵真布の集落を過ぎて林道を走るとゲートがあります。
このゲートを借りてきた鍵で開けて登山口へ向かいます。
登山口となる林道です。
本来の登山口はこの先2キロほどの所にありますが、一昨年の豪雨により路面に一部が流されたので通行止めになっています。
準備を終えて、6:55分出発です。
まずは林道歩きです。
幸いに天気は上々、すでに陽が射し暑くなってきます。
林道から40分ほどで以前の登山口に着きます。
ここから先、雨が降ると登山道に水が流れる足場の悪いところを歩きます。
(先日偵察に来た時は川のようになっていました。)
8:40分、岩がゴロゴロしている場所の少し下で休憩します。
ここに岳樺の幹に咲いているゴゼンタチバナを見つけました。
大きな岩が累々と重なり合っています。
ルートはピンクテープがしっかり付けられているので迷うことはありません。
この岩を登ると笹原をジグを切って登ります。
ハイ松がでてくると扇沼山が近いです。
9:35分、扇沼山に到着です。
ここでやっと視界が開けます。
目の前には旭岳の噴煙が見えています。
南を見るとオプッテシケ山がドンと大きな山容を見せてくれます。
そして、目の下には青い水を湛えた硫黄沼が見えます。
これから歩いていくトムラウシ方面の景観です。
ここまで来ると軽いアップダウンはあるものの快適な稜線歩きとなります。
ただし1個所だけベベツ川の源流部に掛けてのアップダウンがあります。
11:00分、 ベベツ川の源流部へ降ったところで休憩します。
その時、事件が勃発、何と夜行虫さんがザックの横に付けていたストックの先の部分がありません。
どうやら藪漕ぎをしていて取れたようです。
これを探しに行く時間もありませんので帰りに探すことにします。
ベベツ川の源流部に水は流れていませんでした。
涸沢となっていました。
ここからの登りがきつかったです。
でも、目を楽しませてくれる花々に助けられて登ります。
やっと源流部を登って稜線に出ます。
上の方に人影が見えます。
そこまで行くと何と犬を連れた女性が休んでいました。
彼女は朝4時半に登山口を出発してトムラウシ山に登り帰る途中とのことでした。
ベベツ川の源流部を振り返ると兜岩が大きく見えています。
12:10分、三川台に到着です。
この辺りは、右手が急な崖となっており一面のお花畑です。
そしてその下には雪渓と沼が広がります。
こんな景色を楽しみながら歩きます。
トムラウシ山へ近づくにしたがってガスが出てきます。
登山道の両側一面にチングルマが咲いています。
14:00分、やっと南沼に到着です。
沼の半分は雪渓です。
その雪渓がコバルトブルーに光っています。
とても綺麗な色です。
最後の斜面を登るとやっと南沼のキャンプ地です。
ガスも晴れてきます。
14:10分、テントサイトに到着です。
すでに10張り近くテントが張られています。
私達のテントをどこに張るか少し上の方まで見に行ってみます。
すると雪渓から流れる水の直ぐ脇に砂地のテントサイトが開いています。
先に張っている人に断って私達もこの砂地にテントを張ることにします。
隣のテントは千葉から来た単独の女性です。
もう3ほどここにいるといっています。
少しテントで休んでから空身で山頂へ出掛けます。
辺り一面お花畑です。
イワブクロの大きな塊がありました。
こんな塊となって咲いているイワブクロは初めて見ました。
山頂に登っている途中から見たテントサイトです。
砂礫地のコマクサが咲いていました。
山頂から見た南側です。
北側はガスで視界がありません。
山頂で記念写真を取り合っていましたが、まだ時間があるので北側に降りることにしました。
そして、北側に岩場を降っている時です。
とうとうナキウサギを見つけました。
ピーッ、ピーッ、と甲高い声は何度も聞いていましたが、なかなか姿を見せてくれません。
やっとその姿を見ることができました。
北沼です。
そしてここでもナキウサギを見つけました。
トムラウシ山の山頂部はほとんど岩場です。
ここには沢山のナキウサギがいます。
そしてお花畑も規模が大きいです。
アオノツガザクラとエゾツガザクラの混血種でしょうか?
花の色が不思議でした。
上の方はクリーム色ですが、下の方が赤くなっています。
このテントサイトはまさに楽園です。
高山植物にナキウサギ、雪渓があり沼もある。
千葉の女性のように数日ここにいて散歩をするのは最高の贅沢かもしれません。
雲がドンドン晴れてきました。
明日の天気が期待できます。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
この南沼キャンプ地から山頂部を見ていると本当に楽園のような場所です。
ここで大量遭難死が発生したことが信じられません。
逆に考えるとこの美しい景色の底に恐ろしい顔が潜んでいると言うことでしょう。
そういったことをいつも考えながら山と対峙する必要があります。
3年前の3月にこの山頂に立った時も快晴無風という最高の天気でした。
天気一つで最高から最悪にいつでも変わりうることを心に刻みました。
それにしてもナキウサギきれいに撮れてる。
私のはいまいちでした・・・。
山頂から北側へ降るルートは岩に書いてある表示が薄くなっており分かりずらかったですね。
今回は天気が良かったのであの場所での遭難が信じられないくらいでしたね。
トムラウシ素晴らしい展望ですね
私も次に目標にしている憧れの山です
登って見たい~お天気なら、山の天気だけはわかりませんね
神戸から来て最高のお天気に恵まれ、本当に良かったですね!トムラウシも色々な行き方があるんですね~
いつも登りで、へこたれますが登った時の感動が大好き
雪渓の溶けた水があり、鉱山植物が咲き乱れ、ナキウサギが鳴いています。
トムラウシ山は十勝連峰と大雪山の中間にあるためなかなか遠い山です。
東大雪荘から日帰りもいいですが、ここはゆっくりとトムラウシ全体を楽しむために1泊をお勧めします。