こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

プレートルのマーラー

2011年06月11日 21時49分18秒 | マーラー
新車に乗り出して、二週間となります。なかなか新しい車ってのは、いいですねえ。まず、車内がいわゆる新車の匂いが、なんとも心地よい。これは時間がたつにつれて、薄くなっていきますので、今が嗅ぎどき(?)であります。車に乗っているときも、できたらいい音で聴きたいということで、車のスピーカーを純正のものを外して、質のいいやつに取り替えてもらいました。加えて、ツィーターもつけてもらいました。お陰で、なかなかましな音がしています。それなりに満足しています。そんなわけで車に乗るのが楽しい毎日であります。いいスピーカーとツィーターは、値引き交渉の中で、サービスで付けてもらいました。

まあ、そんなわけで今回は、マーラー。交響曲第5番嬰ハ短調であります。演奏は、ジョルジュ・プレートル指揮ウィーン交響楽団。1991年5月19日ウィーンコンツェルトハウスにおけるライブ録音です。この演奏は、いろんな方面から極めて評判のいいものです。それほど興味があるわけではなかったので、この演奏のCDを買おう!、と言う気にはなかなかならなかったのです。今回、東日本大震災の募金活動の一環として、かなりお安くなっていたので(一枚784円であります)、何枚かまとめて買いました。実に安かったですねえ。

この指揮者であるプレートルですが、御年86才にもなる大長老でありますね。2008年のニューイヤー・コンサートに史上最高齢で出演して話題となったことは周知のことでありました。そのことで話題となったことで、このマーラーのライブも発売されたということです。それで、これらの演奏で、またまた脚光を浴びることになりました。プレートルは、あまり馴染みのなかった指揮者です。その昔、ビゼーの「カルメン」をカラスと録音したLPがありましたが、この演奏についてカラスは賞賛されていましたが、指揮に問題がある、という評を見た記憶があります。まあ、そんな風に見られていたんですね。しかし、そんなことも近年の活躍で一新されましたね。

それで、このマーラーですが、繰り返しますが、世評の高い演奏であります。まず、オケが非常によく鳴っています。マーラーの描いた管弦楽の色彩美が非常によく表現されています。次ぎに、ライブ特有の非常に熱い演奏になっています。生で聴いていたら、これはたいそう感動する演奏ですね。そして、マーラー独特の音楽のうねりのようなものが非常に濃く表現されているのです。マーラーの気質が良く表現された音楽になっています。このような点からも、この演奏、ひとつのマーラーの理想的なものと考えてもいい、と思います。第1楽章から、金管は明快な音、そして弦も心に重く響く。そしてプレートルによるテンポの変化もなんともマーラーの音楽を巧く表現していることにつながっています。第2楽章、もっとも変化の大きな曲想の楽章ですが、非常に旋律のひとつひとつが心に染み込むようで、マーラーの音楽を満喫できる。各楽器が生き生きと奏でそれが合わさって密度の濃い演奏が展開される。金管も咆哮し、弦も厚く縦横無尽な展開。それをティンパニの強打が炸裂する。マーラーの苦悩が最高潮に達する。第3楽章、レントラー風の第二主題の心地よい演奏がまず心に残る。全体に流麗に進む中にも、熱い魂が込められています。三つの主題がいろんな形で現れ、それの展開は誠に巧いプレートルでありました。最も長い楽章ですが、長さを感じさせません。プレートルに食いつくウィーン響の変幻自在の演奏も見事です。第4楽章アダージエット。プレートルは熱気むんむんの中での気だるい美しさを表現したいし、オケもそれに応える熱演です。しかし、聴かれる音楽は、多少緩くなっているような印象を持ってしまう。とはいえ、弦による美しさに対する苦悩が充満して、いい音楽ですねえ。そして終楽章。堀の深い表現であり、小気味よい音楽が次々と熱い演奏で、終楽章に相応しいダイナミックに展開されていく。ここらでのプレートルの曲造りは見事。最後にみんな大満足の閉幕でありました。

しかし、そうは言ってもウィーン響、健闘はしていますが、多少の心残りと言えば、プレートル、VPOを振っての演奏を聴いてみたい!と思ってしまいますね。加えて、ドイツものとは違う響きも感じられ、そのあたりが少し気になった次第であります。失礼しました。
(WEITBLICK SSS0078 2008年 輸入盤) 

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