いよいよ今年も残りわずかになりました。年末は年賀状書きとか新年に向けての様々な準備などで大変ですよねえ。また、日頃会う機会がなかなかない人と、別に年末に取り立てて会わなくてもいいのですが、なぜか飲み会をしたりで、まあたいへんですねえ。先日も元職場の、また前職場のそれぞれの同僚と三宮で続けて飲む機会がありました。後者の会では4人で飲んでましたが、少々飲み過ぎたせいか、途中で居眠りをしてしまいました。情けないことであります。せっかくお会いできたのに、残念でありました。申し訳ない気持ちで一杯であります。まあ、そんなわけで、年末飲み会も終わりでしょうかねえ。
そんな年末、三宮に出たついでに中古やさんにも出かけました。そのときに、数枚買ってしまったわけですが、今回はその中の一枚。シューベルトの交響曲第8番ロ短調「未完成」D.759。ホルスト・シュタイン指揮バンベルグ交響楽団です。ホルスト・シュタインは、昨年の7月に80才で永眠したドイツの指揮者ですね。実力の割には、現在聴くことができる演奏はそれほど多くありません。別に録音嫌いというわけではないでしょうが、残された遺産は少ないので、どれも貴重と言っていいでしょう。このシューベルトは、彼が残した交響曲全集からのものです。
ホルスト・シュタインは、ドイツなどの各地の歌劇場の指揮者を歴任した、たたき上げの指揮者であり、いわゆるカペルマイスターの典型的な経歴の指揮者です。派手さや意表を突くような演奏とは無縁で、地味ではあるが、基本に忠実でオーソドックスな演奏を聴かせてくれます。このシューベルトもまさにそのような演奏であります。もっと多くの録音を残してくれていたら、今以上に評価されるべき指揮者だと思います。たしかに、このシューベルトも、ああ、そういったら、全集を録音していたんだなあ、って思う程度の印象しかありませんでした。HMVで見ても、ほんと今でも入手できるCDは少ないですねえ。このシューベルトは1986年の録音です。1985年にバンベルク交響楽団首席指揮者となった直後の演奏でしょう。
この「未完成」、立派な演奏です。このCDを聴く前に、とある指揮者の演奏で、未完成を聴いたのですが、あまりのつまらなさに途中でやめてしまいました。そして、ホルスト・シュタインによる演奏を聴きましたら、これがまたいいんですねえ。意外にいいのでびっくりしたのでした。誠に正攻法で、基本に忠実な演奏というんでしょうか。過度な表現や感情移入もなく、淡々とシューベルトの書いた音楽を正面から取り組み、正しく再現したものと言えるのではないでしょうか。また、まさにインテンポな演奏。聴き込む度に、演奏の正確さを実感し、それが魅力となんですよ。そして、全体的に暗く鬱々としたものではなく、伸び伸びとした明快で軽快な未完成です。ここでのシューベルトの旋律は、実に明るくまろやかですねえ。第1楽章のオーボエによる第一主題過度な暗さを感じないし、チェロによる第二主題は適度なチャーミングさを印象づけられる。展開部でも、着実なメロディが歌われ、適度なメリハリの効いた演奏が聴かれ、整然とした美しさを感じます。第2楽章でも、曲想の違いによって、それに応じた最適な演奏が展開され、その音楽の表情の変化は、この曲の素晴らしさを実感させてくれます。旋律の歌わせ方や、各楽器の強弱の展開などは理想的と言っても過言ではないでしょう。バンベルグ響の演奏は、屈託のない素直な音色であり、基本が非常にしっかりとしている印象を受けます。合わせて収録されている第9番も、ほんとにいい演奏です。
ホルスト・シュタインの演奏、以前にブラームスを取り上げましたが、ベートーヴェンの演奏も聴きたかったな、と思います。 しかし、このCDは安かったです。600円でした。
(RCA 74321 21282 2 1994年 輸入盤)
そんな年末、三宮に出たついでに中古やさんにも出かけました。そのときに、数枚買ってしまったわけですが、今回はその中の一枚。シューベルトの交響曲第8番ロ短調「未完成」D.759。ホルスト・シュタイン指揮バンベルグ交響楽団です。ホルスト・シュタインは、昨年の7月に80才で永眠したドイツの指揮者ですね。実力の割には、現在聴くことができる演奏はそれほど多くありません。別に録音嫌いというわけではないでしょうが、残された遺産は少ないので、どれも貴重と言っていいでしょう。このシューベルトは、彼が残した交響曲全集からのものです。
ホルスト・シュタインは、ドイツなどの各地の歌劇場の指揮者を歴任した、たたき上げの指揮者であり、いわゆるカペルマイスターの典型的な経歴の指揮者です。派手さや意表を突くような演奏とは無縁で、地味ではあるが、基本に忠実でオーソドックスな演奏を聴かせてくれます。このシューベルトもまさにそのような演奏であります。もっと多くの録音を残してくれていたら、今以上に評価されるべき指揮者だと思います。たしかに、このシューベルトも、ああ、そういったら、全集を録音していたんだなあ、って思う程度の印象しかありませんでした。HMVで見ても、ほんと今でも入手できるCDは少ないですねえ。このシューベルトは1986年の録音です。1985年にバンベルク交響楽団首席指揮者となった直後の演奏でしょう。
この「未完成」、立派な演奏です。このCDを聴く前に、とある指揮者の演奏で、未完成を聴いたのですが、あまりのつまらなさに途中でやめてしまいました。そして、ホルスト・シュタインによる演奏を聴きましたら、これがまたいいんですねえ。意外にいいのでびっくりしたのでした。誠に正攻法で、基本に忠実な演奏というんでしょうか。過度な表現や感情移入もなく、淡々とシューベルトの書いた音楽を正面から取り組み、正しく再現したものと言えるのではないでしょうか。また、まさにインテンポな演奏。聴き込む度に、演奏の正確さを実感し、それが魅力となんですよ。そして、全体的に暗く鬱々としたものではなく、伸び伸びとした明快で軽快な未完成です。ここでのシューベルトの旋律は、実に明るくまろやかですねえ。第1楽章のオーボエによる第一主題過度な暗さを感じないし、チェロによる第二主題は適度なチャーミングさを印象づけられる。展開部でも、着実なメロディが歌われ、適度なメリハリの効いた演奏が聴かれ、整然とした美しさを感じます。第2楽章でも、曲想の違いによって、それに応じた最適な演奏が展開され、その音楽の表情の変化は、この曲の素晴らしさを実感させてくれます。旋律の歌わせ方や、各楽器の強弱の展開などは理想的と言っても過言ではないでしょう。バンベルグ響の演奏は、屈託のない素直な音色であり、基本が非常にしっかりとしている印象を受けます。合わせて収録されている第9番も、ほんとにいい演奏です。
ホルスト・シュタインの演奏、以前にブラームスを取り上げましたが、ベートーヴェンの演奏も聴きたかったな、と思います。 しかし、このCDは安かったです。600円でした。
(RCA 74321 21282 2 1994年 輸入盤)
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