先週末、先頃逝去された先輩のお宅に弔問に行かせていただきました。奥様と、先輩との思い出などを2時間ほどお話させていただき、退出させていただきました。遺影は少し若い頃のもので、いろいろとお世話になったときのことを思いだしました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
そして、その足で難波で友人と会いまして、日本橋界隈に出向くいつもの中古やさんめぐりをしました。最近、よく思うのですが、以前ほど中古やさんの商品に魅力がなくなったかな、ってことです。もちろん常に数枚は買ってますので、入手し難いものも見られ、それはそれで嬉しいのです。しかし、まずは値段についてです。中古やさんの値段が高くなったわけではないのですが、ネットなどを中心に新品の値段があまりにも安くなり、中古商品が相対的に高く感じるのですね。今回、CDでなくDVDを買いました。1890円でした。しかし、ネットでは1316円なんですね。それなりに欲しいCDは、できるだけ主にネットで「市場調査」はしているつもりなんですが、なかなかこんな失敗もあります。そして、中古やさんのCDは当たり前ですが、少々古い。セットでもしっかりケース入りで、場所を取るんですね。紙ケースに入って、数枚組でもスリムのなった現在のものとは少々違うのです。中には、スリムケースが出たら、それに買い換える方もいらっしゃるとか…。まあそうは言っても、これは欲しいものなら、入れ物がどーのこーのなんて言わないのですがね…。そんなことを思っていますが、そうは言っても、行ったら行ったでけっこうこれは!、って思うものを見つけるので、中古やさんめぐりはやめられないのであります。
それで、今回はその1316円で買えるのに、中古やさんで1890円で買ったDVDであります。そのものとは、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮VPOによるブルックナーの交響曲第8番ハ短調であります。1988年11月にウィーンのムジークフェラインザールで収録されたものです。この演奏と全く同じかどうかはよくわかりませんが、CDでもこのときの演奏が発売されていることは周知のとおりですね。なぜ、そのCDも持っているのにDVDを買ったのか。それは、この8番の映像は、カラヤンの最晩年のもので、同じ年のジルヴェスター・コンサートのライヴでキーシンとのチャイコのP協奏曲の映像が最後の映像になるのですが、その一ヶ月前ということで、そんな感心興味から買いました。
以前にもカラヤンの映像については、述べたことがありますが、この映像も同じで、カラヤンの指揮する姿がやはり多く見られ、オケの奏者を正面から撮ったりする映像は皆無で、奏者よりもその楽器が中心に映されています。またその奏者がみなさん無表情。楽器を奏しているときに微動だにしない。そして画面にはそれぞれの奏でる楽器も規則正しく配列されているような映像が常に出て来ます。これらは至極不気味であります。そして、ムジークフェラインも霞みがうっすらかかたよう。ライブで見るときは、それほどの奥行きがあるとは思えないのに、広さを感じます。遠くの方に金色のいくつもある彫像が見えるのです。不思議です。画像は鮮明で、ティンパニを叩くとバチから飛び散る白い繊毛までも見ることができます。そして、指揮者カラヤンですが、ほんとに年を取られました。若い頃の指揮振りからは考えられない姿。指揮の動きもたいそうゆったりとして、エネルギッシュとか汗が飛び散るということとは無縁です。カラヤンの指揮は目はつぶったまま、というイメージでしたが、ほとんどは目を開けての指揮になっていました。そして恐いくらいの無表情。こんな映像にから醸し出される音楽とは、いったいどんなものなんでしょう。少々霞みのかかったようなホールで、指揮者とオケ奏者は無表情で無駄な動きはほとんどなく演奏は続けられます。ほんとに不気味。そんな中での演奏、これがまた美の極地なのであります。VPOのアンサンブルにも一糸の乱れもなく、鮮明で美しい音楽が絶え間なく流れていきます。こんな演奏が可能なんだと思ってしまうほどの演奏。そういえば、この不気味な映像もカラヤンの奏でる美しい演奏を強調させているのかもしれませんねえ。
DVDもかなりお安くなってきました。大画面にテレビでブルーレイ、となれば、鮮明で美しい映像が楽しめるんでしょうね。わが家では今だに地デジ対応ではない、26型のちんけなTV。早くいいテレビで、音楽も楽しみたいものであります。
(Sony Classical SVD46403 2005年 輸入盤)
そして、その足で難波で友人と会いまして、日本橋界隈に出向くいつもの中古やさんめぐりをしました。最近、よく思うのですが、以前ほど中古やさんの商品に魅力がなくなったかな、ってことです。もちろん常に数枚は買ってますので、入手し難いものも見られ、それはそれで嬉しいのです。しかし、まずは値段についてです。中古やさんの値段が高くなったわけではないのですが、ネットなどを中心に新品の値段があまりにも安くなり、中古商品が相対的に高く感じるのですね。今回、CDでなくDVDを買いました。1890円でした。しかし、ネットでは1316円なんですね。それなりに欲しいCDは、できるだけ主にネットで「市場調査」はしているつもりなんですが、なかなかこんな失敗もあります。そして、中古やさんのCDは当たり前ですが、少々古い。セットでもしっかりケース入りで、場所を取るんですね。紙ケースに入って、数枚組でもスリムのなった現在のものとは少々違うのです。中には、スリムケースが出たら、それに買い換える方もいらっしゃるとか…。まあそうは言っても、これは欲しいものなら、入れ物がどーのこーのなんて言わないのですがね…。そんなことを思っていますが、そうは言っても、行ったら行ったでけっこうこれは!、って思うものを見つけるので、中古やさんめぐりはやめられないのであります。
それで、今回はその1316円で買えるのに、中古やさんで1890円で買ったDVDであります。そのものとは、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮VPOによるブルックナーの交響曲第8番ハ短調であります。1988年11月にウィーンのムジークフェラインザールで収録されたものです。この演奏と全く同じかどうかはよくわかりませんが、CDでもこのときの演奏が発売されていることは周知のとおりですね。なぜ、そのCDも持っているのにDVDを買ったのか。それは、この8番の映像は、カラヤンの最晩年のもので、同じ年のジルヴェスター・コンサートのライヴでキーシンとのチャイコのP協奏曲の映像が最後の映像になるのですが、その一ヶ月前ということで、そんな感心興味から買いました。
以前にもカラヤンの映像については、述べたことがありますが、この映像も同じで、カラヤンの指揮する姿がやはり多く見られ、オケの奏者を正面から撮ったりする映像は皆無で、奏者よりもその楽器が中心に映されています。またその奏者がみなさん無表情。楽器を奏しているときに微動だにしない。そして画面にはそれぞれの奏でる楽器も規則正しく配列されているような映像が常に出て来ます。これらは至極不気味であります。そして、ムジークフェラインも霞みがうっすらかかたよう。ライブで見るときは、それほどの奥行きがあるとは思えないのに、広さを感じます。遠くの方に金色のいくつもある彫像が見えるのです。不思議です。画像は鮮明で、ティンパニを叩くとバチから飛び散る白い繊毛までも見ることができます。そして、指揮者カラヤンですが、ほんとに年を取られました。若い頃の指揮振りからは考えられない姿。指揮の動きもたいそうゆったりとして、エネルギッシュとか汗が飛び散るということとは無縁です。カラヤンの指揮は目はつぶったまま、というイメージでしたが、ほとんどは目を開けての指揮になっていました。そして恐いくらいの無表情。こんな映像にから醸し出される音楽とは、いったいどんなものなんでしょう。少々霞みのかかったようなホールで、指揮者とオケ奏者は無表情で無駄な動きはほとんどなく演奏は続けられます。ほんとに不気味。そんな中での演奏、これがまた美の極地なのであります。VPOのアンサンブルにも一糸の乱れもなく、鮮明で美しい音楽が絶え間なく流れていきます。こんな演奏が可能なんだと思ってしまうほどの演奏。そういえば、この不気味な映像もカラヤンの奏でる美しい演奏を強調させているのかもしれませんねえ。
DVDもかなりお安くなってきました。大画面にテレビでブルーレイ、となれば、鮮明で美しい映像が楽しめるんでしょうね。わが家では今だに地デジ対応ではない、26型のちんけなTV。早くいいテレビで、音楽も楽しみたいものであります。
(Sony Classical SVD46403 2005年 輸入盤)
あまりに独特なので私は全く彼のDVDなどの映像ソフトは持っていないのですよ。
カラヤンの映像ものに関しては、
川口マーン恵美「証言・フルトヴェングラーかカラヤンか」(新潮選書 2008年)という
ベルリン・フィルの奏者たちへのインタビュー本でも言及されています。
それによると映像は別撮りで、演奏しているふりだけして撮影したようです。
それも極力動きを少なくするよう指示されたそうで、
「動いても良いのはカラヤンだけ」だったとか。
あるメンバーは、
「あれは、見ない、気分が悪くなるから」
と言い放ってます。