先週の三連休、家人と大阪箕面の勝尾寺、川西の多田神社、そして宝塚の中山寺に行ってきました。初詣のようですが、二つの寺は西国の札所で、このふたつの間に多田神社があります。もう20年以上前に、1年に一つずつ、家族旅行も兼ねて西国三十三ヶ所を訪れていました。子どもが中学生になったころから行っていませんでしたが、最近またボツボツ再開。まあ、特に信心があるわけでもなく、寺社参りが好きで行くだけですが、今回もそんな感じで…。共にたくさんの参拝客で賑わっていました。多田神社は摂津源氏の故地。これも興味深かったのでありました。
それはさておき、今回はシューベルトです。シューベルトもけっこう聴いているようですが、去年は一回だけで、一昨年は九回ですから、まあ最近は極端に聴くことが少なくなったのでしょうねえ。そんなシューベルトの交響曲第9(8)番ハ長調D.944『ザ・グレート』であります。演奏は、オイゲン・ヨッフム指揮バイエルン放送交響楽団。1958年2月ミュンヘンのヘラクレスザールでの録音になります。今からもう55年以上も前の録音になります。ヨッフムはバイエルン放送交響楽団の初代首席指揮者で、この録音時にはその地位にあったのでした。
ヨッフムですが、この人のCDは、やはり彼が得意としていた独墺系が多いんでしょうね。ベートーヴェン交響曲は3度、ブルックナーも2度、ブラームスも2度とまあこれだけの録音を残した人は、そういませんよね。加えて、ブルックナーなどを中心にライブ音源もたくさん出回っていますので、その人気の高さを感じますね。3回のベートーヴェン全集といえば、カラヤン、バイティンク、アバド、そして朝比奈さんくらいしかいませんからねえ。
しかし、ヨッフムはシューベルトをどれくらいの録音してるのでしょうかね。少し調べると、このザ・グレートは、この1958年盤と最晩年の1986年にベルリン放響のライブ盤があります。後者については、これまで知りませんでした。調べてみると、ヨッフムの晩年の色彩が非常に色濃くでたものだそうです。これも聴いてみたいものですねえ。未完成もボストン響とのものがありますが、他はあまり確認できませんでした。
まず、第1楽章、冒頭のホルンがこれまたたいそうなゆっくり。そして消え入るような音量。最初はこの調子だとこの演奏はこれからどうなるんだろう、という妙な期待を抱かせる。同時にこの音色は美しい。主部に入ると、一転して次第に速度は増し、勢いと熱気が加わって、それにかなりの優しさも織り交ぜながらどんどん進んでいきます。第2楽章、曲自体にもよるのですが、この楽章は長いです。といっても特にゆったりとした演奏でもないのですが、かなりテンポも揺れ、この演奏の中に入り込んでいく印象があります。しっかり曲を味わうことができるので、退屈な印象はまったくありませんねえ。第3楽章スケルツォ。この楽章はいいです。まず主部はリズミカルで快活。実にスケルツォ的な演奏になって、これは面白い。そして中間部になると一転し、たいそうな味わい深さたっぷりの演奏になり。この変化がいい。この楽章だけでもなく、全体にそうなのですが、表情に変化が非常に豊かなんです。それも大げさに言えば刻一刻と変わっていくようで、それがこの長い曲を楽しく聴くことができる一因でありましょう。それに私はいつも思うのですが、ヨッフム演奏では、弦の響きや表情はたいそう好きであります。そして、終楽章。この楽章もいいですねえ。オケの澄んだ音色に、彫りの深い表情が加わり、行進曲風の楽しさも加わり、次第に気持ちも高揚しつつ、であります。加えて、曲を慈しむような優しさも時折見せながら、壮大さを見せながら、そんなところにもヨッフムの演奏のよさを見たのでありました。この演奏を聴いて、1986年にベルリン放響のライブ盤も未聴なので、聴いてみたいですねえ。
しかし、今年は寒いですねえ。特に寒さが身にしみるのは私だけでしょうか…。
(DG The originals 4775354 2005年 輸入盤)
それはさておき、今回はシューベルトです。シューベルトもけっこう聴いているようですが、去年は一回だけで、一昨年は九回ですから、まあ最近は極端に聴くことが少なくなったのでしょうねえ。そんなシューベルトの交響曲第9(8)番ハ長調D.944『ザ・グレート』であります。演奏は、オイゲン・ヨッフム指揮バイエルン放送交響楽団。1958年2月ミュンヘンのヘラクレスザールでの録音になります。今からもう55年以上も前の録音になります。ヨッフムはバイエルン放送交響楽団の初代首席指揮者で、この録音時にはその地位にあったのでした。
ヨッフムですが、この人のCDは、やはり彼が得意としていた独墺系が多いんでしょうね。ベートーヴェン交響曲は3度、ブルックナーも2度、ブラームスも2度とまあこれだけの録音を残した人は、そういませんよね。加えて、ブルックナーなどを中心にライブ音源もたくさん出回っていますので、その人気の高さを感じますね。3回のベートーヴェン全集といえば、カラヤン、バイティンク、アバド、そして朝比奈さんくらいしかいませんからねえ。
しかし、ヨッフムはシューベルトをどれくらいの録音してるのでしょうかね。少し調べると、このザ・グレートは、この1958年盤と最晩年の1986年にベルリン放響のライブ盤があります。後者については、これまで知りませんでした。調べてみると、ヨッフムの晩年の色彩が非常に色濃くでたものだそうです。これも聴いてみたいものですねえ。未完成もボストン響とのものがありますが、他はあまり確認できませんでした。
まず、第1楽章、冒頭のホルンがこれまたたいそうなゆっくり。そして消え入るような音量。最初はこの調子だとこの演奏はこれからどうなるんだろう、という妙な期待を抱かせる。同時にこの音色は美しい。主部に入ると、一転して次第に速度は増し、勢いと熱気が加わって、それにかなりの優しさも織り交ぜながらどんどん進んでいきます。第2楽章、曲自体にもよるのですが、この楽章は長いです。といっても特にゆったりとした演奏でもないのですが、かなりテンポも揺れ、この演奏の中に入り込んでいく印象があります。しっかり曲を味わうことができるので、退屈な印象はまったくありませんねえ。第3楽章スケルツォ。この楽章はいいです。まず主部はリズミカルで快活。実にスケルツォ的な演奏になって、これは面白い。そして中間部になると一転し、たいそうな味わい深さたっぷりの演奏になり。この変化がいい。この楽章だけでもなく、全体にそうなのですが、表情に変化が非常に豊かなんです。それも大げさに言えば刻一刻と変わっていくようで、それがこの長い曲を楽しく聴くことができる一因でありましょう。それに私はいつも思うのですが、ヨッフム演奏では、弦の響きや表情はたいそう好きであります。そして、終楽章。この楽章もいいですねえ。オケの澄んだ音色に、彫りの深い表情が加わり、行進曲風の楽しさも加わり、次第に気持ちも高揚しつつ、であります。加えて、曲を慈しむような優しさも時折見せながら、壮大さを見せながら、そんなところにもヨッフムの演奏のよさを見たのでありました。この演奏を聴いて、1986年にベルリン放響のライブ盤も未聴なので、聴いてみたいですねえ。
しかし、今年は寒いですねえ。特に寒さが身にしみるのは私だけでしょうか…。
(DG The originals 4775354 2005年 輸入盤)
曲も申し分ないですしね。