先日、初めてリモート飲み会なるものをしました。今年は忘年会自粛で、友人二人とLINEのビデオ通話で一時間半ほどでした。初めはぎこちなかったのが次第に慣れてきて、けっこう楽しい時間でした。音がとぎれることなど通信が不安定なこともあったし、発言するタイミングがよくわからず、発言がかぶることがあったり…。でもこれも場数を踏むことで解消されるだろうし、要は慣れですね。飲み屋でのお金も節約できるし、帰宅する面倒もないしで、これはいいな、と思いました。
ということで、今回もベートーヴェンです。過日出張で大阪に行ったときに、disc unionに寄りました。そこで、山田一雄指揮札幌響のベートーヴェン交響曲全集を見つけました。2250円だったので、安かったのもあって買いました。山田一雄さんって私はお顔とヤマカズさんの名前ぐらいしか存じ上げませんでした。 1991年に78才で逝去されました。情熱的な指揮スタイルや熱い演奏で人気のあった往年の名指揮者であります。その昔、TVの『題名のない音楽会』の運命の出だしの指揮者あてクイズで、ヤマカズさんは「フルトヴェングラー」と答えたのですが、それはご自身の演奏だったとか。他にも指揮中にジャンプして指揮台から落ちた、などのいろんな逸話が残っている、たいそう人気があったヤマカズさんでありました。日本にも一昔前には、個性的な名指揮者がいろいろとおられましたねえ。やはり、昔の世代の指揮者はすごいですねえ。
それで、この交響曲全集ですが、1989~91年の札幌響とのベートーヴェン・チクルスのライブです。残念なことに1番だけは、1991年8月13日にヤマカズさんが逝去されたため演奏できず、お弟子さんの矢崎彦太郎さんの指揮となっています。過去にインディーズレーベルでCD化されましたが、すぐに廃盤となったのを、タワーさんによって復刻されたのでした。ヤマカズさんの最晩年の名演であります。どの曲も始まると途端に、耳が釘付けになりますね。こんな立派なベートーヴェンがあったとは、驚きでもありました。2番、4番、5番、7番、9番などもいいのですが、これらの中から、今回は交響曲第3番変ホ長調作品55『英雄』であります。1989年11月20日北海道厚生年金会館大ホールでのライブ録音です。
最初この全集を聴いたときには、札幌響の粗さが非常に気になったのですが、聴き続けていくに連れて、ヤマカズさんの凄い演奏の方に耳を奪われてしまいました。札幌響からたいそう骨太の音色を引き出しているのです。そして、剛毅であり、力強さ一杯であります。ヤマカズさんと札幌響が全身全霊を込めての演奏、第1楽章冒頭から終楽章のコーダまで、まったくもって緊張感が持続され、非常に心地よいのでありました。
第1楽章、多少ゆっくりめであるが、分厚い管弦楽がとてもいい。札幌響も随分頑張っています。ヤマカズさんの指揮に適格に対応していますねえ。そして堂々として、それに力強さが加わり、次第にスケールが大きくなり、実に心が動く演奏であります。ティンパニの強打もいいです。第2楽章、オケが渾身の力で歌い、ゆったりと心が籠もっての実に感動的な葬送行進曲であります。弦楽器が確かな響きで歌い、それに木管が彩りを添えます。テンポ強弱の変化も非常に効果的で、沈痛な心持ちもスケールが大きく、豊かに表現されています。第三楽章スケルツォ、前楽章から一転して躍動的。ティンパニの強打が加わり、壮絶な演奏が展開されています。札幌響も頑張って指揮について行ってますね。怒涛のスケルツォであります。そして終楽章、彩り豊かに、そして表情豊かに、終楽章に相応しい演奏。優しさ、優雅さ、緊張感、壮絶など、ヤマカズさんのこの曲の集大成のような演奏を全力で展開。札幌響もいいですねえ。やはり、ライブならではの気迫は緊張感がいい意味で発揮され、伝わってくるのでありました。
「5人以上での会食を控えましょう」に対して、「6人家族の食事はどうするんだ」と言われた政治家の方がおられます。ああ、もうこの人の発言だから仕方ないねえ、という雰囲気になっているようですが、これもまたすごいことですねえ。とは言うものの、私はできる限りの感染予防をします!
(Tower Records TWCO-1001 2009年)
ということで、今回もベートーヴェンです。過日出張で大阪に行ったときに、disc unionに寄りました。そこで、山田一雄指揮札幌響のベートーヴェン交響曲全集を見つけました。2250円だったので、安かったのもあって買いました。山田一雄さんって私はお顔とヤマカズさんの名前ぐらいしか存じ上げませんでした。 1991年に78才で逝去されました。情熱的な指揮スタイルや熱い演奏で人気のあった往年の名指揮者であります。その昔、TVの『題名のない音楽会』の運命の出だしの指揮者あてクイズで、ヤマカズさんは「フルトヴェングラー」と答えたのですが、それはご自身の演奏だったとか。他にも指揮中にジャンプして指揮台から落ちた、などのいろんな逸話が残っている、たいそう人気があったヤマカズさんでありました。日本にも一昔前には、個性的な名指揮者がいろいろとおられましたねえ。やはり、昔の世代の指揮者はすごいですねえ。
それで、この交響曲全集ですが、1989~91年の札幌響とのベートーヴェン・チクルスのライブです。残念なことに1番だけは、1991年8月13日にヤマカズさんが逝去されたため演奏できず、お弟子さんの矢崎彦太郎さんの指揮となっています。過去にインディーズレーベルでCD化されましたが、すぐに廃盤となったのを、タワーさんによって復刻されたのでした。ヤマカズさんの最晩年の名演であります。どの曲も始まると途端に、耳が釘付けになりますね。こんな立派なベートーヴェンがあったとは、驚きでもありました。2番、4番、5番、7番、9番などもいいのですが、これらの中から、今回は交響曲第3番変ホ長調作品55『英雄』であります。1989年11月20日北海道厚生年金会館大ホールでのライブ録音です。
最初この全集を聴いたときには、札幌響の粗さが非常に気になったのですが、聴き続けていくに連れて、ヤマカズさんの凄い演奏の方に耳を奪われてしまいました。札幌響からたいそう骨太の音色を引き出しているのです。そして、剛毅であり、力強さ一杯であります。ヤマカズさんと札幌響が全身全霊を込めての演奏、第1楽章冒頭から終楽章のコーダまで、まったくもって緊張感が持続され、非常に心地よいのでありました。
第1楽章、多少ゆっくりめであるが、分厚い管弦楽がとてもいい。札幌響も随分頑張っています。ヤマカズさんの指揮に適格に対応していますねえ。そして堂々として、それに力強さが加わり、次第にスケールが大きくなり、実に心が動く演奏であります。ティンパニの強打もいいです。第2楽章、オケが渾身の力で歌い、ゆったりと心が籠もっての実に感動的な葬送行進曲であります。弦楽器が確かな響きで歌い、それに木管が彩りを添えます。テンポ強弱の変化も非常に効果的で、沈痛な心持ちもスケールが大きく、豊かに表現されています。第三楽章スケルツォ、前楽章から一転して躍動的。ティンパニの強打が加わり、壮絶な演奏が展開されています。札幌響も頑張って指揮について行ってますね。怒涛のスケルツォであります。そして終楽章、彩り豊かに、そして表情豊かに、終楽章に相応しい演奏。優しさ、優雅さ、緊張感、壮絶など、ヤマカズさんのこの曲の集大成のような演奏を全力で展開。札幌響もいいですねえ。やはり、ライブならではの気迫は緊張感がいい意味で発揮され、伝わってくるのでありました。
「5人以上での会食を控えましょう」に対して、「6人家族の食事はどうするんだ」と言われた政治家の方がおられます。ああ、もうこの人の発言だから仕方ないねえ、という雰囲気になっているようですが、これもまたすごいことですねえ。とは言うものの、私はできる限りの感染予防をします!
(Tower Records TWCO-1001 2009年)
今年も残すところ、あと1週間となってしまいました。
この山田一雄のベートーヴェン全集は、この間私も買いました。全曲通して聴くと山田一雄の人生をみるような思いがしました。
振り返ってみると、小学生のころにオーケストラがやってきたというテレビ番組の公開収録でこの山田一雄の指揮を観たのが私のクラシック音楽体験の原点のような気がします、