先週半ばから、雨が続いていますねえ。お盆の岡山への帰省も、コロナ感染のこともあり、ほぼ誰とも接することなしに、一泊したのみで帰って来ました。これだけこの時期に雨が続くのは珍しいですねえ。災害ももちろん心配ですが、甲子園大会も8月中に追われるのか、米は育つのか、などいろんな心配がありますねえ。私ごとですが、走ることも出来ない‥。今月は、もう100㎞走ったので、目標の半分には達していますがねえ、加えて、増え続けるコロナ感染も心配ですねえ。
いろんな心配がありますが、とりあえず今回はハイドンなんです。こうなったのは、以前に取り上げた村上春樹さんの『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で、何人かの贔屓にしている演奏家をあげておられる中に、サー・トーマス・ビーチャムがおられました。そして、ビーチャムの演奏でハイドンの『驚愕』を取り上げておられたのです。この指揮者、私はあまり聴いたことがありません。ただ昔に、ビゼーの『カルメン』(ロス・アンヘレスとニコライ・ゲッタ)を聴いたことがある程度ですかねえ。それでCDになっても、村上さんが指摘されていたハイドンのロンドン交響曲集の4枚組をかなり昔に中古やさんで買ったことがありました。それで今回ビーチャムの演奏を聴いてみようと思ったわけです。
それと同じ頃に、前回取り上げたコリン・ディヴィスの演奏をもう少し聴いてみよう、と思ったのです。この人の演奏もハイドンのロンドン交響曲があるなあ、と思い、聴いてみました。それで、デイヴィスのハイドンも、モーツァルト同様、非常にカッチリした、スキのない演奏であり、非常によかったんです。これに対して、ビーチャムのハイドンも、それ以上にいいのでありました。
そのビーチャムのハイドン、私の持っているCDは、EMIの2枚組がふたつ。93番から104番までの12曲が1CDあたり3曲づつ収められています。録音は、93-98番が1957-8年でモノラルです。そして99~104番までが1958-59年で、こちらはステレオ録音です。村上さんが取り上げられていた『驚愕』は、1951年の録音のもの。このLPには『驚愕』に加えて『太鼓連打』も収められているので、このときに他の曲も録音したのかもしれませんね。オケはともにロイヤルPOです。そして今回は、交響曲第93番二長調であります。
ビーチャムという人、サーの称号をもつ大富豪。いわゆる英国紳士。ロイヤルPOも彼が私財で設立したオケとか。まあ、そんな人ですから明るく屈託もなく、まっすぐで喜びにあふれている、そんな音楽に違いない。そして、ハイドンのロンドン交響曲。イギリス人にとって、自国の音楽なんでしょうねえ。ハイドンの音楽はこのように演奏するのが正統なんですよ、と言わんばかりの自信満々。他の指揮者があくせくしているのを尻目に、余裕たっぷりの名人芸なのでありました。そんな音楽なので、聴く方もゆったりと構えて、ハイドンを楽しみましょうって感じなんですね。でも、どうすればこんな風格のある音楽が演奏できるんだろうと、思ってしまいます。
第1楽章、ゆったりとして厳格な序奏、そして明朗な主部、この移り変わりが実にいい。そしてテンポも自由自在で、こぼれ落ちそうな表情の豊かさ、そして気がつけば非常にスケールも大きくなって、聴き手を包み覆うような懐の深さであります。第2楽章、冒頭から美しい旋律が優しく語りかける。そう思えば実に堂々と。決して先を急がずゆっくりとハイドンへの愛情を感じさせるような音楽で優しく語りかけてくれます。それに従順にうなずく私でありました。第3楽章メヌエット。ここで少しキアを上げます。とは言え、舞曲としての有り様はきちんと維持しつつ、優雅に、気品も感じさせながら、そしてスキは見せないような厳しさも加味させるのであります。そして第4楽章。まとめに向かって進む緊張感を見え隠れしながら、充実したオケの響き。それで、この曲はもう終わりに近づいていますと、優しく語りかける。生き生きした演奏でこれ以上にバイドンがあろうか、と思ってしまうのでありました。
今日でお盆もおしまい。お墓参りに行って来ました。午後からも久々にお日さんが顔を出しましたね。甲子園も、9時半くらいまでかかって4試合すべて実施。でも、また雨がふるそうな。残りの夏は、夏らしい暑さを期待したいですねえ。あっ、このCDに用いられているロンドンのモノクロの写真、いいですね。
いろんな心配がありますが、とりあえず今回はハイドンなんです。こうなったのは、以前に取り上げた村上春樹さんの『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で、何人かの贔屓にしている演奏家をあげておられる中に、サー・トーマス・ビーチャムがおられました。そして、ビーチャムの演奏でハイドンの『驚愕』を取り上げておられたのです。この指揮者、私はあまり聴いたことがありません。ただ昔に、ビゼーの『カルメン』(ロス・アンヘレスとニコライ・ゲッタ)を聴いたことがある程度ですかねえ。それでCDになっても、村上さんが指摘されていたハイドンのロンドン交響曲集の4枚組をかなり昔に中古やさんで買ったことがありました。それで今回ビーチャムの演奏を聴いてみようと思ったわけです。
それと同じ頃に、前回取り上げたコリン・ディヴィスの演奏をもう少し聴いてみよう、と思ったのです。この人の演奏もハイドンのロンドン交響曲があるなあ、と思い、聴いてみました。それで、デイヴィスのハイドンも、モーツァルト同様、非常にカッチリした、スキのない演奏であり、非常によかったんです。これに対して、ビーチャムのハイドンも、それ以上にいいのでありました。
そのビーチャムのハイドン、私の持っているCDは、EMIの2枚組がふたつ。93番から104番までの12曲が1CDあたり3曲づつ収められています。録音は、93-98番が1957-8年でモノラルです。そして99~104番までが1958-59年で、こちらはステレオ録音です。村上さんが取り上げられていた『驚愕』は、1951年の録音のもの。このLPには『驚愕』に加えて『太鼓連打』も収められているので、このときに他の曲も録音したのかもしれませんね。オケはともにロイヤルPOです。そして今回は、交響曲第93番二長調であります。
ビーチャムという人、サーの称号をもつ大富豪。いわゆる英国紳士。ロイヤルPOも彼が私財で設立したオケとか。まあ、そんな人ですから明るく屈託もなく、まっすぐで喜びにあふれている、そんな音楽に違いない。そして、ハイドンのロンドン交響曲。イギリス人にとって、自国の音楽なんでしょうねえ。ハイドンの音楽はこのように演奏するのが正統なんですよ、と言わんばかりの自信満々。他の指揮者があくせくしているのを尻目に、余裕たっぷりの名人芸なのでありました。そんな音楽なので、聴く方もゆったりと構えて、ハイドンを楽しみましょうって感じなんですね。でも、どうすればこんな風格のある音楽が演奏できるんだろうと、思ってしまいます。
第1楽章、ゆったりとして厳格な序奏、そして明朗な主部、この移り変わりが実にいい。そしてテンポも自由自在で、こぼれ落ちそうな表情の豊かさ、そして気がつけば非常にスケールも大きくなって、聴き手を包み覆うような懐の深さであります。第2楽章、冒頭から美しい旋律が優しく語りかける。そう思えば実に堂々と。決して先を急がずゆっくりとハイドンへの愛情を感じさせるような音楽で優しく語りかけてくれます。それに従順にうなずく私でありました。第3楽章メヌエット。ここで少しキアを上げます。とは言え、舞曲としての有り様はきちんと維持しつつ、優雅に、気品も感じさせながら、そしてスキは見せないような厳しさも加味させるのであります。そして第4楽章。まとめに向かって進む緊張感を見え隠れしながら、充実したオケの響き。それで、この曲はもう終わりに近づいていますと、優しく語りかける。生き生きした演奏でこれ以上にバイドンがあろうか、と思ってしまうのでありました。
今日でお盆もおしまい。お墓参りに行って来ました。午後からも久々にお日さんが顔を出しましたね。甲子園も、9時半くらいまでかかって4試合すべて実施。でも、また雨がふるそうな。残りの夏は、夏らしい暑さを期待したいですねえ。あっ、このCDに用いられているロンドンのモノクロの写真、いいですね。
(EMI 5857702 2004年 輸入盤)
ハイドンが手元になかったので、ベートーヴェンやヘンデルなどを聴いてみました。なるほど自信に満ちた指揮ですね。おおらかな演奏の中に、今では聴けない個性的な表現もあります。(村上さんのように)レコードで聴くのにふさわしい演奏かもしれません。
私もハイドン、初めて聴いたのはクレンペラーのLPでした。これも英国ものですね。また、ご教示ください。