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ディヴィス=SKDによるモーツァルト

2021年08月08日 23時34分47秒 | モーツァルト
コロナ感染爆発ですねえ。五輪は増加に関係ない、と断言する楽観的な考えもありますが、中等症患者対処をめぐる迷走、もっというなら感染開始から一年七ヶ月、最悪の状況を想定せずに、いうなら何もしてないに等しい現実が、もう必然的な医療崩壊を招いたとしか言うことがないですね。対策をしっかりしているというなら、国民の前で堂々と説明をして欲しいですねえ。説明しようとしても、原稿を飛ばして読むから意味不明、とも言われそうですねえ。とほほ、ですね。

まあ、感染恐怖に怯えながら、今回もモーツァルト。ふと思ったんですが、モーツァルトの例えば交響曲の現代的な演奏としては、どんなものがあげられるんだろうか、ということです。ベートーヴェンなどでは、いろんな新しい演奏が評価されており、これまでの顔ぶれを一新する状況。モーツァルトでは、例えばアーノンクール、ホッグウッド、ガーディナー、ブリュッヘンなどの古楽器の演奏が出て、もう20年以上が経っていますよね。うーん、どうなんでしょうかねえ。

そうは言っても、私はモーツァルトの交響曲を聴くなら、今になってもワルター、ベーム、クーベリックなどなど。そして前回のヨッフムやクリップスと、まあ20世紀の名演奏を言われたものに固執しているのであります。それで、レヴァインやテイトとなると、新しいものという印象なんですねえ。そんな中で、最近梅田の中古やさんで発見したのが、コリン・ディヴィス指揮SKDによる演奏であります。1980年代の録音、ちょうどLPからCDに移行するころのもの。私はこの演奏は聴いたことがなかったのですが、そう言えば、あったなあ、というところでありました。私的には新しい部類の演奏です。

そもそも、ディヴィスの演奏って、あまり聴いたことないんです。ベートーヴェンの交響曲やグリュミオーとのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲、ノーマンとの大地の歌などなど。特に、これらは印象に残っており、非常に締まった堅実な演奏でありました。このモーツァルトの交響曲も、第28~36番、38~41番の13曲が収められています。1981,1988,1991年、ドレスデンのルカ教会での録音。Philipsから出されていたものを、タワーさんが4枚組に編集しての復刻盤であります、

13曲ある中で、今回は第36番ハ長調「リンツ」K.425であります。「リンツ」ってあんまり取り上げてないよなあ、と思ったのですが、これまでガーティナーとカイルベルト盤を取り上げていました。まあ超有名曲ですが、このディヴィス盤、非常に新鮮な気持ちにさせてくれます。それは、まずSKDの響きが特徴的なことですね。考えてみれば、まだこの録音の時期は、東ドイツに属する都市だったこともありますが、非常に独特。弦の柔らかさ、木管では少しの古めかしさなど、他のオケでは聴けない音色であります。そして、ディヴィスは、このオケの響きを存分に生かして、折り目正しい、非常にキメの細かい、そして清新なモーツァルトを聴かせてくれます。

第1楽章、SKDの響きを駆使して、細部にまで明瞭に行き渡っている演奏であります。テンポは少しゆったりのインテンポ。堂々とした姿に威厳すら感じる。やはり、弦に木管が加わり、非常に透明感に満ちた響きがいいですね。第2楽章。一層のゆったり感の中、SKDの名人技が光る。その引き締まったオケによって奏でられるモーツァルトは幾度も聴いているのに、実に新鮮。第3楽章メヌエット。モーツァルトのメヌエットの中でも指折りの名曲と思う。舞踊には少し立派な印象ですね。それでいて優しい。中間部は木管が美しいですねえ。そして第4楽章。ここに来て、またまたSKDの堂々とした響きにまったくもって満足であります。余分なものはなく、引き締まって第一楽章同様、実に威厳まで感じてしまいます。特に最後に近づく辺りは、豪快であります。
今日で東京五輪終わりました。選手のクラスターなど発生しなくてよかったですね、とはいえ、これから五輪後がもっと心配ですねえ。しかし、閉会式も長かったですね。そういえば、次号の『レコ芸』、名曲名盤のモーツァルトになります。どんな演奏がでてくるでしょうかねえ。
(Philips PROC-2330/3 2021年)

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2021-08-15 21:57:52
お久しぶりです。今回は、ディヴィス/SKDの「リンツ」ですね。この演奏、私も所有していますが、SKDの音色が素晴らしいですね。1960年~1970年くらいまでは、どのオーケストラも、それぞれのお国なまりを持っていましたが、現在、グローバル化によって、あまり、見分けがつかなくなってきました。レコードの録音も、レーベルの個性がなくなってきました。どちらも、一言でいえば、「進化」なのでしょうが、聴く側にとっては、面白さがなくなったといえます。このSKDもシャルプラッテンなど、東側で録音されたものは、独特の味がありましたね。懐かしいです。
さて、コロナは陽性者の数が、半端ないですが、街には全く、危機感がありません。政府、首長、医学界、メディアと庶民の間の乖離が、著しいですねえ。プライバシーや差別の観点から、陽性者の詳細を明らかにしないのも、身近に感じないのかも知れません。医療現場の逼迫も、受け入れている病院だけの話で、それ以外の病院では、何も逼迫はしていません。もう少し、国全体が一体感を持って取り組まなければ、収束は、遙か先になってしまうのでは、ないでしょうか?
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2021-08-16 01:08:32
クレモナ 様、残暑お見舞い申し上げます。またコメント、ありがとうございます。東ドイツという国があったことすら、もう歴史上のこととなりましたね。SKDというオケを知ったのは、カラヤンのマイスタージンカーがBPOではなく、SKDであったことくらいからでした。今もいいですが、このころの音色はまた独特ですねえ。ご指摘のとおり、グローバル化で地域性という個性がなくなってきたんでしょうねえ。
コロナの病症逼迫。一般の医者が受け入れられないなら、中国みたいにコロナ専用病院を政府がつくるとかなぜしないのでしょうね。変に金をばらまくのをやめて、それらの金で造ってほしいですね。もう1年半以上になるのに、無策すぎますねえ。
また、ご教示ください。
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