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リヒテルのシューベルト

2006年04月01日 21時58分50秒 | シューベルト
もう、シューベルトばかりで申し訳ありませんね。今回もシューベルトです。加えて、ピアノ・ソナタ。職場の同僚U氏に、近鉄の駅で電車を待っているとき、「シューベルトって、ピアノ・ソナタ何曲書いた知ってる?」て尋ねたら、あまりの突然と脈絡のなさに、絶句されてしまいました。最後の変ロ長調D.960が第21番とされてますので、21曲とするのが一般的ですが、この人、短い生涯において、未完成の作品がけっこうあります。特にピアノ・ソナタについてはかなり多いのです。12曲は完成したが、9曲ほどは未完のままの曲です。1.2.3.5.6.8.10.11.15番は断片として残ってます。以前も取り上げた内田光子の8枚組のソナタ集は、完成した12曲に第15番D.840ハ長調を加えた13曲からなっています。断片の曲は、録音しないというポリシーですかね。かの未完成交響曲も、往年の名画『未完成交響楽』において「わが恋の終わざるが如く,この曲もまた終わざるべし」と言って未完のまま置かれたとされてましたが、なんのことはない。少しでも行き詰まったりして書けなくなると、それで止めてしまった!ってのが彼の悪い癖のようですね。
先日、甲子園からの帰りに三宮のタワーさんで、スヴィヤトスラフ・リヒテルの「さすらい人」幻想曲とピアノ・ソナタ第13番イ長調D.664のCDを買いました。1300円。1963年の録音ですから、かれこれ40年以上前に演奏です。「さすらい人」の方は、名盤の誉高いものですが、これはさておき、D.664のソナタです。僕はこれがかなり好きで、ルプーの演奏について以前に述べました。シューベルトの同様の曲の中では、小品となるもので、リヒテルの演奏でも25分くらいの曲です。リヒテルは、この愛らしい第一楽章をほんとにチャーミングに弾き、明暗もはっきりと描きます。第二楽章もゆっくりとしたテンポで美しく旋律を歌わせます。最後の第三楽章では軽やかなテクニックでの愉悦感あふれた演奏になってます。リヒテルは、シューベルトの他のソナタをかなりゆっくり目のテンポで弾いていますが、ここではそうではありません。特に、ピアノの一音一音をしっかり、きちんと弾き、テンポも一定でありながら、豊かな表情を醸し出しているリヒテルの凄さを感じます。うまいですね。ルプー盤では気になった曲本来の姿は、このリヒテル盤で着実に表現されているように思いました。僕は、一つ一つの音をしっかり弾いてくれるピアニストが好きです。
このCDは、昔のレコードのジャケットと同じ絵を使ってます。レコードのCD化にあたっては、このようにして欲しいものです。

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