10月21日に、大阪のシンフォニーホールで、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルの演奏会がありました。曲目はモーツァルトの交響曲第41盤『ジュピター』とブルックナーの交響曲第4番『ロマンティック』でした。この演奏会、行きたかったんですが、残念なことに、仕事の関係で行くことが出来ませんでした。このスクロヴァチェフスキの演奏会の感想などは、いろんなブログで見ることができますが、大絶賛の嵐なのでありました。本当に残念でした。私は、出不精な人間なんで、コンサートに行くことはそれほどないのですが、この演奏会は本当に行きたかったのでした。チケットがまだ残っていそうだったので、当日仕事が早く終われば…、と思っていたのですが、ダメでした。
というのも、現在聴きうる最高のブルックナーは、このコンビによるものなのではないか、と思っているし、多くの人もそう考えていますよね。チェリビダッケ、ヴァント、朝比奈さん、と名だたるブルックナーを得意とされた方々が逝去されたあと、ブルックナーの演奏で本当に聴きたい!と思うのは、この人だけなんでねえ。ブルックナーだけでなく、この人のベートーヴェンも大好きです。まあ、ヴァント、ザンデルリングと亡くなられ、この人ももう九十才近い高齢。何時までも長く活躍してもらいたいですね。そこで、スクロヴァチェフスキのブルックナーです。1999年1月21日NHKホールでのライブ録音。交響曲第7番ホ長調。オケはNHK交響楽団です。
最近、スクロヴァチェフスキの演奏は、日本での読売日本響などとのライブ録音が多く出ているのですが、このCDは、Arte Novaのザールブリュッケン放響とのブルックナー全集の録音の終わり頃のもの。このCDもまったく予備知識もなく、年末の阪神デパートの中古セールで安かったので買ったやつでした。しかし、これほど立派なブルックナーはなかなか聴けないな、って思うこと十分の演奏でありました。まず、ライブなんですが、特に前半は驚くほど完成度が高い。そして、N響なんですが、このオケそれほど聴いたことがないんです。最近それほどCD出ているわけでもないので…。しかし、優れて充実した演奏であります。日本を代表するオケですねえ。このオケからこれほど雄大で、かつ繊細なブルックナーが聴けようとは、であります。取り立てて個性を主張するのではなく、極めて自然体でゆったりとした大河の流れのようなブルックナーの音楽が演奏されています。どの旋律も息が長く、慈しむように流れていきます。
第1楽章、まずチェロの第1主題の伸びやかで澄んだ響きがいい。弦楽器ののアンサンブルの精密さにも驚かされる。また金管の重低音の充実も素晴らしい。インテンポというより、所々の場面の急緩が効果的。全体としてゆったりめに曲はすすみ、三つに主題を中心に揺るぎない造計がそびえたつような演奏。終結部の盛り上がりもいい。第2楽章、ゆたっりとしたテンポで、大河のような雄大なスケールで、いつおわるとも知れないような美しい曲が続く。23分もの間、多少単調にもなったりだが、これほどの雄大な演奏の前では時をも忘れてしまうような感覚になる。また、金管の中でもホルンがいい音を出していますねえ。第3楽章スケルツオ。冒頭のトランペットが不調ですが、リズム感にあふれたスケルツォ。簡素な印象があるが、堂々とした流れ。中間部がそれと対比するように落ち着いた憩いの雰囲気。木管の愛らしさがいいです。そして、第4楽章、この曲は後半が前半に比べて物足りないということをよくいいます。この演奏でも、前半の充実振りに対して、後半特にこの楽章では少々疲れて来たのでしょうか、気になるところもあるのですが、金管を中心とした頑張りには十分満足させられます。
全曲中、スクロヴァチェフスキのうなり声がよく聞こえますね。かなりでかい声なんでしょうか。他にも、2010年の読売日本響とのライブもSACDで出ていますので是非聴いてみたいものであります。
(Altus ALT030 2002年)
というのも、現在聴きうる最高のブルックナーは、このコンビによるものなのではないか、と思っているし、多くの人もそう考えていますよね。チェリビダッケ、ヴァント、朝比奈さん、と名だたるブルックナーを得意とされた方々が逝去されたあと、ブルックナーの演奏で本当に聴きたい!と思うのは、この人だけなんでねえ。ブルックナーだけでなく、この人のベートーヴェンも大好きです。まあ、ヴァント、ザンデルリングと亡くなられ、この人ももう九十才近い高齢。何時までも長く活躍してもらいたいですね。そこで、スクロヴァチェフスキのブルックナーです。1999年1月21日NHKホールでのライブ録音。交響曲第7番ホ長調。オケはNHK交響楽団です。
最近、スクロヴァチェフスキの演奏は、日本での読売日本響などとのライブ録音が多く出ているのですが、このCDは、Arte Novaのザールブリュッケン放響とのブルックナー全集の録音の終わり頃のもの。このCDもまったく予備知識もなく、年末の阪神デパートの中古セールで安かったので買ったやつでした。しかし、これほど立派なブルックナーはなかなか聴けないな、って思うこと十分の演奏でありました。まず、ライブなんですが、特に前半は驚くほど完成度が高い。そして、N響なんですが、このオケそれほど聴いたことがないんです。最近それほどCD出ているわけでもないので…。しかし、優れて充実した演奏であります。日本を代表するオケですねえ。このオケからこれほど雄大で、かつ繊細なブルックナーが聴けようとは、であります。取り立てて個性を主張するのではなく、極めて自然体でゆったりとした大河の流れのようなブルックナーの音楽が演奏されています。どの旋律も息が長く、慈しむように流れていきます。
第1楽章、まずチェロの第1主題の伸びやかで澄んだ響きがいい。弦楽器ののアンサンブルの精密さにも驚かされる。また金管の重低音の充実も素晴らしい。インテンポというより、所々の場面の急緩が効果的。全体としてゆったりめに曲はすすみ、三つに主題を中心に揺るぎない造計がそびえたつような演奏。終結部の盛り上がりもいい。第2楽章、ゆたっりとしたテンポで、大河のような雄大なスケールで、いつおわるとも知れないような美しい曲が続く。23分もの間、多少単調にもなったりだが、これほどの雄大な演奏の前では時をも忘れてしまうような感覚になる。また、金管の中でもホルンがいい音を出していますねえ。第3楽章スケルツオ。冒頭のトランペットが不調ですが、リズム感にあふれたスケルツォ。簡素な印象があるが、堂々とした流れ。中間部がそれと対比するように落ち着いた憩いの雰囲気。木管の愛らしさがいいです。そして、第4楽章、この曲は後半が前半に比べて物足りないということをよくいいます。この演奏でも、前半の充実振りに対して、後半特にこの楽章では少々疲れて来たのでしょうか、気になるところもあるのですが、金管を中心とした頑張りには十分満足させられます。
全曲中、スクロヴァチェフスキのうなり声がよく聞こえますね。かなりでかい声なんでしょうか。他にも、2010年の読売日本響とのライブもSACDで出ていますので是非聴いてみたいものであります。
(Altus ALT030 2002年)
ハイティンクさん、マゼールさん、スクロヴァチェフスキさん、プレートルさんと、ご高齢になりました。
ず~と棒振りしていてほしいんですが、そうもいきますまい。(なんて言うのもちょっと失礼なんですが)
今巨匠の域に達した人達、聴いておきたいですね。
僕は3年前に、読響との3番の素晴らしい演奏を聴くことが出来ましたが、手兵とのコンビで、生演奏を聴きたいです。