こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ホーレンシュタインのマーラー

2011年01月22日 22時10分09秒 | マーラー
しかし、今年の冬は本格的に寒いですね。先日、調子が悪いCDプレーヤーを修理に出しました。一昨年の春も修理に出しましたが、うーん、もう8年になるんですが、酷使したためでしょうか。とにかく、ヘッドホンでしか聴けないのは、つらいです。居間のCDプレーヤーもトレイが出てこないような状態で、これも聴けない。この寒さの中、満足に音楽が聴けないのは、本当に不便ですねえ。困ったことです。

さて、そんな悪環境の中でも、その苦難を乗り越えてしっかり聴きましょう。今回は、マーラー。交響曲『大地の歌』です。別にマーラー没後100年ということでもないのですが、最近よくマーラーの全集を買いまして、それらにある不満は、この『大地の歌』がない!ってことなんすね。収められていない全集がけっこう多いです。マゼール、アバド、バーンスタイン、クレンペラー、ギーレンなどには含まれていません。以前にも述べましたが、『大地の歌』は欧米では交響曲の範疇ではなく、歌曲に分類されているかららしいです。確かに、番号がない交響曲で全集に入ってないものとしては、チャイコフスキーのマンフレッド交響曲、シベリウスのクレルヴォ交響曲などがあります。ちょっと違うかも知れませんが、ベートーヴェンの戦争交響曲もあります。これらは、ほとんど全集にはないですね。でも、これらの曲とは『大地の歌』は少々違うんじゃないかと思いますが…。まあ、これら全集にない指揮者も、他では録音しているから、まあなんとかなるんですがね。

ということで、今回の『大地の歌』、ヤッシャ・ホ-レンシュタイン指揮BBCノーザン交響楽団。アルフレッダ・ホジソン(Ms)・ジョン・ミッチンソン(T)の演奏です。録音は1972年4月28日マンチェスターでのライブ録音です。ホーレンシュタインは、マーラーブーム以前からマーラーを得意とする指揮者として知られていました。私もEMIのセラフィムのLPで4番を持っています。1・3・4・6・7・8・9番はCDとしても出ています(他もあるかもしれませんが…)。そして、この『大地の歌』であります。まず、ふたりの歌手ですが、それほど個性があるわけではなく、曲の流れに乗って歌っているという感じで、まったく違和感なく管弦楽と一体となった印象があります。特に、アルトのホジソンは、クセのない声で声質もこの曲にうまく合っています。やはりこの演奏で特筆すべきは、ホーレンシュタインの指揮であります。まずマーラーの色彩美が非常に綺麗に表現されています。そして、各楽器はねっとりと落ち着いた響きで曲全体に充満しています。ライブに見られる熱い表現もみられます。またオケは非常に雄弁で、時たま声楽を上回るパワーをもつときもあります。全体的には、曲に対する優しさに充満した思い込みのたっぷりの演奏です。第1楽章、管弦楽は、たいそうねっとりした演奏、これ比べて、テノールのあっさりさが引き立つ。終盤には、オケの絶唱が展開される。第2楽章、ここと終楽章のアルトの歌唱は、実にいいです。悠久の時間の中で展開されるような中にとっぷりと漬かる快感を感じます。第3楽章、前楽章の静に比べて動の展開、テノールも雄弁なオケに負けず快活な歌唱が展開されます。第4楽章でも第2楽章に比べるとアルトも快活な歌唱。特に後半は躍動的な展開の中、オケも爆発し、それにアルトも引っぱられていく。最後はゆるやかな噛みしめるようなアルトで閉められる。第5楽章、ますますオケは好調になり、テノールとともにスケールの大きな演奏に酔うような盛り上がりを聴かせてくれて、曲が閉まる。そして、終楽章。やはりここですよ、この曲のキモは。オケも旋律を慈しむように、その美しさを最大限に演奏していく中で、管が地の底に達するような幽玄の美を繰り広げ、アルトのいつ果てるとも知れないような歌唱が加わる。流れる音楽に身を浸していると、この曲の世界に引き込まれそうです。ホジソンも弱音が実に美しいです。そしてオケに対抗するのではなく、オケ一部になるようなところが、一層曲を引き立てています。この「告別」、実にいいです。

このCD,去年の年末に元町の中古やさんで買いました。ホーレンシュタインのマーラー、これからも聴いていきたいと思いました。
(BBC LEGENDS BBCL 4042-2 2000年 輸入盤)

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