こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

無性に聴きたくなった、バッハのカンタータです。

2020年06月21日 22時56分29秒 | バッハ
やっとプロ野球、開幕しました。やはり本番となれば、練習試合とは違って、なかなか選手もシャキッとしますねえ。先日新聞に「ロッテは今季も打線が強力だ。…好打の荻野、角中、藤岡云々」とありました。おかしい。どこが強打なんですかねえ。いつも貧打と嘆いているのに。4番どころかクリーンアップも定着しない現状なんですがねえ。昨季は総得点は西武に次ぐ二位だったそうですが、まあ打てませんよ。投打共に核となり選手の不在であります。密かに最下位もあるのでは、と思っている開幕でありました。

さてさて、今回はバッハのカンタータであります。ときおり無性に聴きたくなるのであります。なんせ曲数はもう無尽蔵。どれもそれなりに楽しめるのでありました。このブログでももう30曲も取り上げています。ただ、どれを取り上げたか、あまりしっかり認識しているものばかりではなく、ダブりもあるのではないかといつも危惧しているのでした(笑)。

そして、このバッハのカンタータの魅力は、と考えてみるに、まずはバッハの音楽の声楽曲の魅力でしょうか。言わばカンタータの長時間版がマタイやヨハネやロ短調ミサである、ということですよねえ。マタイなどのストーリー性には欠けるところもありますが、ですのでマタイなどの好きなものにとっては、カンタータはたまらないのでありました。オペラには人間の愛憎などのどろどろしたものが必ず出て来ますので、それに比べると、神の崇高な世界ということで…。

そして、私は声楽はけっこう好きで、カンタータのアリアなどはもう大好きなんですが、そうでなくても、バッハの器楽も堪能できますよねえ。いろんな楽器のソロもあるし、器楽だけの演奏もかなり聴くことができます。これも魅力ですねえ。加えて、ポリフォニーと対位法、バッハの音楽の特徴でもありますが、これが声と楽器で展開される素晴らしさは、他の作曲家の音楽にはあまりないですからねえ。

ということで、今回は第115番『備えて怠るな、わが霊よ』BWV.115であります。鈴木雅明とBCJ、それにスザンヌ・リディーン(S)、パスカル・ベルタン(CT)、ゲルト・テュルク(T)、ペーター・コーイ(B)。2003年9月の録音です。このカンタータは、1724年ライプチヒでの作品で、三位一体節後第22日曜日用に書かれ、1724年11月5日に初演されました。六楽章からなり、①コラール、②アリア(A)、③レチタティーヴォ(B)、④アリア(S)、⑤レチタティーヴォ(T)、⑥コラールで全曲で20分と少しです。中核となるのは、②と④のアリア。全曲の3/4を占めます。アルトとソプラノ、女声好きの私にとっては嬉しいカンタータです。

この曲には、リヒターの演奏もあります。マティスやシュライヤー、DFDなどの豪華版です。しかし、最近の私の嗜好からは、どうもリヒター盤は重い。マティスの歌唱も立派で心をうつのですが、それが逆に負担となって…(笑)。そうなると鈴木さんの演奏がカンタータの演奏には相応しいのではないかと思うのです。決して力まず、軽快で穏やかな世界。切々とバッハの音楽を語りかけてくれます。もちろん古楽ですが、弦の響きが実に鮮明で明快。木管も美しい響き。

そして、やはり②と④のアルトとソプラノのアリアです。ともに長く7~8分。この演奏ではアルトをベルタン(CT)が歌ってます。ともに、澄み切った美声で切々の歌うところに、しみじみとした感動が湧き上がってきます。ベルタンの歌声は実にオケとともに語りかけ、そして、リディーンのクセのない美声が心に染み込んできます。バッハの女声のアリアの典型と思いますが、二人の歌唱には、気負いも過剰な表情もなく、それが少し物足りないな、とおもうこともないわけではありません。しかし、ここには穏やかで心静まる世界のほうがいいな、と思うのでありました。

鈴木さんのカンタータ、一枚一枚で買っていたのですが、5巻に分けたBOXが出て、それを買いました、難点はSACDではないこと。少し前に出た全集はSACDになっています。うーん、そっちが欲しいですねえ。
(BIS BIS-CD=1429 2005年 輸入盤)

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