自民党と民主党の総裁・代表の選挙があるそうですが、ほぼ野田さんで決まりの民主党は置いといて、自民党がおもしろいですね。誰になるんでしょうか。安部さん、前回の首相辞任は難病を患ったからで、2年前に新薬が開発されて完治されたそうです。ぜひ、病名と新薬名を教えて欲しいものです。また、麻生さんの「石原を支持する人の神経がわからん」と言われ、谷垣さんを押しのけて立候補された石原さんへの批判発言もおもしろかったです。一番気の毒なのは、谷垣さんでしょうねえ。無念でしょうねえ。別に支痔しているわけではありませんが…。
ということで、前回述べたとおり、今回はオペラ。モーツァルトの歌劇『後宮からの逃走』であります。この作品は、モーツァルトの数ある歌劇の中でも、最も親しみ安いものと思っています。かくいう私も、この歌劇はかの映画『アマデウス』で初めて知りました。最初の方に、モーツァルトはドイツ語のオペラとしてこれを作曲し、上演するあたりが描かれていました。一昔前は、三大オペラ以外では『コシ』『劇場支配人』とこれくらいがせいぜい聴く作品でしたよねえ。加えて『女はみんなこうしたもの』というのもあるなあ、っていうくらいの認識しかないのが、『アマデウス』以前のモーツァルトの歌劇についての私でありました。
『後宮からの逃走』は、ジングシュピール(ドイツ語の歌芝居)です。モーツァルトのジングシュピールとしては『魔笛』が有名ですねえ。他にも、オペラ・セリアやオペラ・ブッファを作っていますが、このジングシュピールは、セリフが入ることで、レチタティーヴォによって曲と曲がつながるオペラに比べれば、どうも音楽が断絶されるので、そこんとこが少々気になります。『フィデリオ』や『魔弾の射手』もこの形式ですので、まあそれもありか、と思ってしまいます。
それで、この『後宮』、先頃発売されたゲオルグ・ショルティの生誕百周年記念のモーツァルト・オペラ・ボックス(15CD)から。エディタ・グルベローヴァ(S)キャスリーン・バトル(S)エスタ・ヴィンベルイ(T)ハインツ・ツェドニク(T)マルッティ・タルヴェラ(B)とVPOによる演奏。1985年の録音です。グルベローヴァとバトルの出演が話題となった演奏です。この曲にはベームによる演奏が有名ですが、若干コンスタンツェが弱い。それに対して、この演奏ではグルベローヴァが素晴らしい。だいたいこの人、ソプラノでは1980年代以降ピカイチと思います。第一幕の第6曲の「私の愛を幸福でした」、そして第二幕の第11曲の「ありとあらゆる拷問が」は、グルベローヴァの高音とコロラトゥーラが素晴らしいです。これだけ歌えるソプラノはまあいませんね。そして魅力的なのはブロンデのバトル、ベーム盤のグリストに比べると線が細そく、声量や高音に多少の難はあります。しかし、その美声は愛らしいですし、コロラトゥーラもいいですねえ。特に、この二人がこの演奏では最大の聴きどころです。そして、オスミンのタルヴェラ、これが上手くなければ締まりません。多少まじめな様子もありますが、技量は素晴らしい。一方、ふたりのテノールですが、ペドリロのツェドニクもいい味を出していますが、まじめなベルモンテのヴィンベルイは、役がらもあってか、今イチ面白みがありませんかね。ショルティの指揮はやはり硬め。切れ味はなかなか。もっとまろやかな気持ちも欲しいが、VPOがその分たいそうな美音で補っています。1幕終わりの三重唱、2幕終わりの四重唱などの迫力はいいですね。そして、三幕の最後のヴォードビヴィルは、それぞれの歌手の個性が感じられて。幸せな気分になります。近年の古楽器による演奏では、トルコ風の雰囲気が強調されているようですが、この演奏でも十二分に感じることができますね。
このオペラは、ほんとに聴きやすく、メロディがどんどん耳に入ってきます。馴染みやすく引き込まれやすいメロディです。しかし、その反面飽きてしまうこともあるあるってことになるかもしれませんねえ。
(DECCA 478 4328 SOLTI THE OPERAS MOZART 2012年 輸入盤)
ということで、前回述べたとおり、今回はオペラ。モーツァルトの歌劇『後宮からの逃走』であります。この作品は、モーツァルトの数ある歌劇の中でも、最も親しみ安いものと思っています。かくいう私も、この歌劇はかの映画『アマデウス』で初めて知りました。最初の方に、モーツァルトはドイツ語のオペラとしてこれを作曲し、上演するあたりが描かれていました。一昔前は、三大オペラ以外では『コシ』『劇場支配人』とこれくらいがせいぜい聴く作品でしたよねえ。加えて『女はみんなこうしたもの』というのもあるなあ、っていうくらいの認識しかないのが、『アマデウス』以前のモーツァルトの歌劇についての私でありました。
『後宮からの逃走』は、ジングシュピール(ドイツ語の歌芝居)です。モーツァルトのジングシュピールとしては『魔笛』が有名ですねえ。他にも、オペラ・セリアやオペラ・ブッファを作っていますが、このジングシュピールは、セリフが入ることで、レチタティーヴォによって曲と曲がつながるオペラに比べれば、どうも音楽が断絶されるので、そこんとこが少々気になります。『フィデリオ』や『魔弾の射手』もこの形式ですので、まあそれもありか、と思ってしまいます。
それで、この『後宮』、先頃発売されたゲオルグ・ショルティの生誕百周年記念のモーツァルト・オペラ・ボックス(15CD)から。エディタ・グルベローヴァ(S)キャスリーン・バトル(S)エスタ・ヴィンベルイ(T)ハインツ・ツェドニク(T)マルッティ・タルヴェラ(B)とVPOによる演奏。1985年の録音です。グルベローヴァとバトルの出演が話題となった演奏です。この曲にはベームによる演奏が有名ですが、若干コンスタンツェが弱い。それに対して、この演奏ではグルベローヴァが素晴らしい。だいたいこの人、ソプラノでは1980年代以降ピカイチと思います。第一幕の第6曲の「私の愛を幸福でした」、そして第二幕の第11曲の「ありとあらゆる拷問が」は、グルベローヴァの高音とコロラトゥーラが素晴らしいです。これだけ歌えるソプラノはまあいませんね。そして魅力的なのはブロンデのバトル、ベーム盤のグリストに比べると線が細そく、声量や高音に多少の難はあります。しかし、その美声は愛らしいですし、コロラトゥーラもいいですねえ。特に、この二人がこの演奏では最大の聴きどころです。そして、オスミンのタルヴェラ、これが上手くなければ締まりません。多少まじめな様子もありますが、技量は素晴らしい。一方、ふたりのテノールですが、ペドリロのツェドニクもいい味を出していますが、まじめなベルモンテのヴィンベルイは、役がらもあってか、今イチ面白みがありませんかね。ショルティの指揮はやはり硬め。切れ味はなかなか。もっとまろやかな気持ちも欲しいが、VPOがその分たいそうな美音で補っています。1幕終わりの三重唱、2幕終わりの四重唱などの迫力はいいですね。そして、三幕の最後のヴォードビヴィルは、それぞれの歌手の個性が感じられて。幸せな気分になります。近年の古楽器による演奏では、トルコ風の雰囲気が強調されているようですが、この演奏でも十二分に感じることができますね。
このオペラは、ほんとに聴きやすく、メロディがどんどん耳に入ってきます。馴染みやすく引き込まれやすいメロディです。しかし、その反面飽きてしまうこともあるあるってことになるかもしれませんねえ。
(DECCA 478 4328 SOLTI THE OPERAS MOZART 2012年 輸入盤)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます