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ボニーによるモーツァルトの歌曲

2010年02月02日 21時51分17秒 | モーツァルト
先週末は、前の職場でイヴェントがあったので、それに寄させてもらい、その足で岡山に行きました。今回は娘もイヴェントに参加させてもらいました。娘は、来年の4月から私と同業者になることになっておりまして、それもあってのことでした。それが終わって岡山まで同行しました。そして、いつものようにラーメンを食べて、10時前に帰宅しました。そして、いつものことですが、11時くらいから飲み始めました。ここが至福の時間であります。明日は休みだ!ってこともあり、酒が進むのであります。最近は湯豆腐を簡単に作りまして、バーボンを飲んでいます。あまり合う取り合わせではないかもしれませんが、とにかく村上春樹いうところの「小確幸」でありました。そして、前後不覚になって寝てしまいました。

そんなわけで、今回はモーツァルト。歌曲集です。モーツァルトの歌曲は、それほど多くはないようです。三十数曲ほどが知られていますが、シューベルトなどに比べれば、その数は少なく、なかなかよい詩にめぐりあえなかったためともいわれています。モーツァルトの歌曲集といえば、ギーゼキングのピアノにシュワルツコップのソプラノによる名盤があります。これは、その昔私も、レコードで持っておりまして、それなりに聴いたものでした。ここでのシュワルツコップの歌唱はすごいのです。これほど曲によって表情をかえることができるのか、というようななんともたいしたものなんです。いやになるほどうまいとでもいいましょうか。そんな印象を持ってました。まあ、長いこと聴いていませんので、その記憶に頼っているのが、少々不安ですが…。半世紀以上前の録音ではなく、新しいものを取り上げます。バーバラ・ボニーのソプラノに、ジェフリー・パーソンズのピアノによる演奏。1990年の録音。新しいといっても、もう20年も前のものになります。このCDには、22曲が収められています。LPの時代に比べるとたくさんの曲が聴けます。その中で、K.500番台のものは12曲。半分強が1785年以降に作られたものです。晩年の曲が多いんですねえ。

このバーバラ・ボニーですが、モーツァルトの歌劇などにもよく出演されており、モーツァルトのオペラにはなくてはならないソプラノとも言えますね。実にきれいなソプラノです。くせがなく、純粋で混じりっけのない澄んだ美声です。シュワルツコップはうまいんですが、時として聴いていたら疲れることがあるんですね。その豊かな表情は、聴く方にとってはしんどいところがあるんですよ。それに比べて、このボーニーの演奏は、体に抵抗なく入ってくるものです。聴いていて、違和感を感じることなく、心に染み込んでくるようです。癒されるような歌声なんです。悪く言えば、どの曲も同じやないか、とも言えますが、それ以上にこのモーツァルトの純粋な美しい旋律には、よく合う歌声であり、歌唱なんですね。そして妙に技巧を凝らすよりは、ここでのボニーのような歌唱がモーツァルトにはいいのでしょう。ボニーの歌唱は純粋なモーツァルトにはぴったりです。ここで年代順に並べられた歌曲、どれもモーツァルトらしさ一杯なんですが、最初の「喜びに寄せて」では12才の純真さ、「自由の歌」などはつい口ずさんでしまうような愉悦感などを感じます。晩年では「子供の遊び」など明るさたっぷりです、そして、中でも好きなのは「夕べの想い」です。静寂の諦観を歌いあげた内省的な曲ですが、ボニーはゆったりとしたテンポで歌い、哀愁帯びた中に、モーツァルトへの瑞々しい共感を感じます。

一方、ジェフリー・パーソンズの伴奏もいいです。落ち着いた、やわらかいタッチのピアノです。このピアノだけを追ってみてもけっこうおもしろいです。いろんな表情を垣間見ることができますね。ボニーの歌声を着実に支えています。最後にどうでもいいことですが、このCDの国内盤には、「春への憧れ」という題が付けられています。
(TELDEC 2292-46334-2 1991年 輸入盤)

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