高倉健さんが逝去されました。新聞の報道の大きさに改めて大俳優だったことを再認識しました。任侠映画はあまり見たことないですが、東映退社以来の作品はほとんど見ました。一番の作品は、『駅 STATION』でありました。なぜなら、このときの健さんはやくざでも犯罪者でもなく、まっとうな人間だからです。大阪の大毎地下で見たことを思い出します。ネービーのキャップとスイングトップにコッパンの健さんはかっこよかったですねえ。ご冥福をお祈りします。
ということで、今回はモーツァルト。弦楽四重奏曲第22番変ロ長調K.589『プロシャ王第2番』です。演奏はウィーン・フィルハーモニー四重奏団。1961年3月15日の録音です。
モーツァルトの弦楽四重奏曲は、ハイドン・セットと呼ばれる6曲が最も有名ですが、それに続くのがこの『プロシャ王』と呼ばれている三曲ですね。ベルリンへ赴いたときに、プロシャ王だったフリードリヒ・ウィルヘルム2世の依頼で作曲されたもの。王がチェロの名手だったために、チェロが活躍する曲であります。ケッヘル番号も五百番台の終わり。死の1年半前の1790年5月に作曲された最晩年の作品です。
このVPO四重奏団のCDは、最近タワーさんから復刻されたウィーン・フィル室内楽名盤選vol.2の一枚です。このVPO四重奏団というのは、私は寡聞にして初めて聞く名でしたが、1961年にバリリSQから引退したワルター・バリリの後継としてウィリー・ボスコフスキーが加盟し、残った三人と結成した弦楽四重奏団でした。メンバーはVPOのコンマスのボスコフスキーにオットー・シュトラッサー、ルドルフ・シュトレンク、エマヌエル・ブラベックでありました。
このプロシャ王は、チェロがこれまでの曲と違って活躍することで、やはり音色がちがうのであります。そんなことで、派手さはなく、渋さを感じる曲であります。そして、このSQは、弦が実に優美であります。柔らかく、典雅な色合いが実にいいです。鋭角な音はきこえず、まろやかで、ゆったりとした演奏なんですねえ。時によっては、少々優しすぎて、物足りないような気持ちになることもあります。熱気とか緊張感なんて、まったく感じない、そんな質の演奏ではないのです。それは、このモーツァルトの音楽には、よくあっているようですね。この曲は、チェロが活躍しますが、チェロのブラベックは素晴らしいですが、やはりボスコフスキーのヴァイオリンは他の彼の多くの録音同様に、優雅で気品に満ちています。しかし、一方で弦楽四重奏曲であるんですが、特にディヴェルティメントのような雰囲気も感じます。それはウィーン風に奏でられたディヴェルティメントと同じ情景が浮かぶからであります。
第1楽章、気品に満ちた冒頭から、弦の優しさと美しさがあふれる。それぞれの四つの楽器のバランスもいいし、取っ替え引っ替えそれぞれ楽器があふれるような優美さを持ちながら、その中で、チェロの響きは新鮮であります。第2楽章ラルゴ。モーツァルトのこのジャンルの援徐楽章では唯一のラルゴです。この楽章は、優美の極みでありますねえ。最初はチェロが低音で曲をリードしていく中で、ヴァイオリンも負けず、です。この楽章をまず聞いてしまう、モーツァルトの音楽の中でも、美の極みであります。チェロの低音がいいですね。そして、第3楽章メヌエット。この楽章は、まさにディヴェルティメント風ですね。少々躍動感が欲しい気もしますが、メヌエット好きの私にとっても、この曲いいです。第4楽章、活気あふれる楽章。安定した弦がたいそう心地よい。曲は複雑な構成の一面も見せるが、そんなことも気にならない弦の美しさでありました。
私は、高倉健さんの任侠ものは、全く見たことがありません。やはり健さんを語るなら、これらの映画を見ることが必要でしょうねえ。テレビの追悼特集でやるでしょうから、見ましょう。
(Decca PROC-1595/6 2014年 TOWER RECORD VINTAGE COLLECTION)
ということで、今回はモーツァルト。弦楽四重奏曲第22番変ロ長調K.589『プロシャ王第2番』です。演奏はウィーン・フィルハーモニー四重奏団。1961年3月15日の録音です。
モーツァルトの弦楽四重奏曲は、ハイドン・セットと呼ばれる6曲が最も有名ですが、それに続くのがこの『プロシャ王』と呼ばれている三曲ですね。ベルリンへ赴いたときに、プロシャ王だったフリードリヒ・ウィルヘルム2世の依頼で作曲されたもの。王がチェロの名手だったために、チェロが活躍する曲であります。ケッヘル番号も五百番台の終わり。死の1年半前の1790年5月に作曲された最晩年の作品です。
このVPO四重奏団のCDは、最近タワーさんから復刻されたウィーン・フィル室内楽名盤選vol.2の一枚です。このVPO四重奏団というのは、私は寡聞にして初めて聞く名でしたが、1961年にバリリSQから引退したワルター・バリリの後継としてウィリー・ボスコフスキーが加盟し、残った三人と結成した弦楽四重奏団でした。メンバーはVPOのコンマスのボスコフスキーにオットー・シュトラッサー、ルドルフ・シュトレンク、エマヌエル・ブラベックでありました。
このプロシャ王は、チェロがこれまでの曲と違って活躍することで、やはり音色がちがうのであります。そんなことで、派手さはなく、渋さを感じる曲であります。そして、このSQは、弦が実に優美であります。柔らかく、典雅な色合いが実にいいです。鋭角な音はきこえず、まろやかで、ゆったりとした演奏なんですねえ。時によっては、少々優しすぎて、物足りないような気持ちになることもあります。熱気とか緊張感なんて、まったく感じない、そんな質の演奏ではないのです。それは、このモーツァルトの音楽には、よくあっているようですね。この曲は、チェロが活躍しますが、チェロのブラベックは素晴らしいですが、やはりボスコフスキーのヴァイオリンは他の彼の多くの録音同様に、優雅で気品に満ちています。しかし、一方で弦楽四重奏曲であるんですが、特にディヴェルティメントのような雰囲気も感じます。それはウィーン風に奏でられたディヴェルティメントと同じ情景が浮かぶからであります。
第1楽章、気品に満ちた冒頭から、弦の優しさと美しさがあふれる。それぞれの四つの楽器のバランスもいいし、取っ替え引っ替えそれぞれ楽器があふれるような優美さを持ちながら、その中で、チェロの響きは新鮮であります。第2楽章ラルゴ。モーツァルトのこのジャンルの援徐楽章では唯一のラルゴです。この楽章は、優美の極みでありますねえ。最初はチェロが低音で曲をリードしていく中で、ヴァイオリンも負けず、です。この楽章をまず聞いてしまう、モーツァルトの音楽の中でも、美の極みであります。チェロの低音がいいですね。そして、第3楽章メヌエット。この楽章は、まさにディヴェルティメント風ですね。少々躍動感が欲しい気もしますが、メヌエット好きの私にとっても、この曲いいです。第4楽章、活気あふれる楽章。安定した弦がたいそう心地よい。曲は複雑な構成の一面も見せるが、そんなことも気にならない弦の美しさでありました。
私は、高倉健さんの任侠ものは、全く見たことがありません。やはり健さんを語るなら、これらの映画を見ることが必要でしょうねえ。テレビの追悼特集でやるでしょうから、見ましょう。
(Decca PROC-1595/6 2014年 TOWER RECORD VINTAGE COLLECTION)
「プロシャ王」は何種類か所有していますが、アルバンベルクSQを主に聴いています。
さて、高倉健ですが、モーツァルトと関係あるのでしょうか?
まあ、それはともかく、私は特別、健さんのファンではありませんが、やはり任侠映画時代が全盛かと思います。映画というのは、エンターテイメントですから、ハラハラ、ドキドキ、笑い、涙、これらが総合されて出来上がるものですから、あまり深刻なものは面白くありません。昔、時代劇で青春を過ごした世代だけに、今の映画は面白くないです。一級のエンターテイメントになっていません。どう思いますか?