こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

コンヴィチュニーのブルックナー。

2011年04月09日 19時57分23秒 | ブルックナー
なんとなく春らしくなってきましたね。暖かくなって桜も咲いてきました。新年度になってからの一週間、この時期独特の忙しさに追いまくられていました。以前に車を買うことについて言及したことがありましたが、私が欲しいなって思う車は、震災の影響で在庫がないので、紆余曲折をへて、私が車を買うのではなく、娘が買うことになりました。赤のフィットであります。それで、私は約21万㎞を走った11年目のストリームにしばらくは乗り続けることになりました。うーん、仕方ないですねえ。まあ、今の車にはけっこう愛着もあるのでねえ…。

ということで、今回はブルックナーです。交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』であります。この曲は、私の初めてのブルックナー体験の曲であります。何度も触れましたが、7番以降に比べると、少々内容的にも薄いところがあり、聴いているうちに飽いてくるところもある曲でもありますかね。一方、聴きやすいことでは一番の曲か、とも思います。それゆえか、演奏によって、かなり聴いた印象が異なる曲でもあります。このブログでは、去年6月にケンペ盤を取り上げていますが、約10ヶ月振りの登場であります。

今回の演奏は、フランツ・コンヴィチュニー指揮ウィーン交響楽団です。1961年の録音。コンヴィチューニーのブルックナーは、管見の限りでは、2番・4番・5番・6番・7番・8番・9番の録音があります。なかなか入手が難しい、というかネットなどで見ても、あまり出回っていませんね。私も5番以外は持っているのですが、主に中古やさんで購入しました。ただ『フランツ・コンヴィチュニーの芸術-2(11CD)』というBOXものには、2・5・7番が収められています。4番については以前に、①1952年のチェコ・フィル盤、②1960年ゲヴァントハウス菅盤、③1961年のウィーン響盤の三種類の録音があると言われていました。しかし、近年②と③は同一のものであることが明かになり、初めてオリジナル・マスターからリマスタリングされたものとして発売されました。その結果、過去のCDよりも、数段の音質の向上が見られるといわれています。

この演奏、まず音質に注目されます。非常に鮮明な音です。特にアナログっぽいとでもいいましょうか、暖かみのある音に引き込まれます。この録音によって、ウィーン響の柔らかく暖かみのある響きが一層強調されています。コンヴィチュニーの演奏も、この響きを縦横に駆使し、非常に旋律は鮮明で、輪郭は明瞭、暖かみのある音楽がどんどん展開されています。この曲の構造であるとか言わんとするところなどがよく理解できる演奏であります。第1楽章、まず弦のトレモロの明快な音に驚かされる。それにホルン、木管、弦が加わり厚みを増していきながらの展開は、明晰であり、弦を中心に楽器の音質がうまく表されて、ほどよくブレンドされています。いわば、素材の良さを十二分に生かした演奏であります。過度な表現もなく、自然体のブルックナー。第2楽章、この楽章はややもすれば冗長の印象を私は持ちますが、ここでも楽器の音色の特徴や、良さをうまく現しての演奏。特にチェロを主とした弦の響きが実に渋い。テンポやリズム感のよさに、各楽器の重なり合いが絶妙であり、それゆえに曲の展開にうまくついて行くことができる。第3楽章スケルツォ。一転して躍動感あふれる展開。それでも金管や弦の生き生きとした演奏によって、細部までも見通しがよい。トリオでも木管と弦の絡みが曲のよさを引き出していますね。そして、第4楽章、金管の鮮やかな合奏が、次第に力強さを増して、スケールの大きな音楽が展開される。熱も帯びてきて、終楽章にふさわしい演奏となる。その中でも各楽器のよさがよく表現されている。やはり金管の壮麗さに、他の楽器が加わって。壮大なブルックナーの宇宙が現れる演奏であり、輝かしい響きで終始しますね。いいブルックナーです。

コンヴィチュニーの演奏、ベートーヴェン・シューマン、そしてブルックナーと、ドイツの作曲家の作品については、いぶし銀のようなよさを感じますね。もっといろんな演奏を聴いてみたいものです
(DENON COCQ-84623 オイロディスク ヴィンテージ・コレクション 2009年)

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