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グールドのベートーヴェン、ピアノ・ソナタ

2008年12月01日 00時01分57秒 | ベートーヴェン
もう11月も終わりです。いよいよ師走。なんとなく慌ただしさを感じます。中島美嘉さんの「雪の華」、私の大好きな歌なんですが、その中に「♪風が冷たくなって、冬のにおいがした」というところがあります。ほんとにそんな季節になりましたね。街路樹の木々の落葉で覆われた歩道を歩きながら、「冬のにおい」を感じるのであります。
そんな中、ベートーヴェンのピアノ・ソナタです。名曲が目白押しな中、晩年の30・31・32番ということで。32曲中、最も好きな曲です。この3曲、一枚のCDに収められる形で出されていますので、一緒に聴くことが多いです。それほど聴きにくいものでもなく、いいですねえ。感動的な変奏曲をもつ30番、「嘆きの歌」と壮大なフーガの31番、情熱的なソナタ形式と限りなく美しい変奏曲による32番。これらの曲、今回はグレン・グールドの演奏であります。
グールドは、ベートーヴェンのピアノソナタのうち、22曲を録音しています。そして、グールドが、あのデビュー盤となった「ゴールドベルク変奏曲」の次に録音したのが、このベートーヴェン、30・31・32番のソナタです。1956年6月下旬、一気に録音されました。グールド、24歳。モノラルですが、まったく気にならない音質です。
30番、第1楽章、きめ細やかなタッチのピアノで、丁寧なピアノ。引き続き演奏される第2楽章、案外あっさり。テンポは速め、あっという間に第3楽章「歌うように、心の底からの感動をもって」、主題と6つの変奏。ここでのグールドは、過度な表情はつけずに淡々とした演奏に終始してます。しかし、切れ味鋭いグールドのピアノが聴かれます。31番、第1楽章、細やかな配慮の行き届いた演奏。第2楽章スケルツォ風の三部形式。第3楽章、フーガはさすがの満点。そして、32番。私的にはこの演奏が一番でした。二つの楽章の対比が見事。第1楽章、少々速めのテンポで素晴らしい技巧を見ることができますね。加えて、第2楽章では曲の心情を深く掘り下げた演奏に心が打たれます。この三曲の演奏には、20台の若者の描くベートーヴェンが強く表現されています。曲は刷新された詩情に満ちており、極めて現代的と言えるでしょう。ピアノの音色は清新であり、透明な美しさを感じます。また、ここでも雄弁な左手での表現力は、さすがであります。
私は、あまりグールドのベートーヴェンは聴いたことがありませんでした。他の19曲も聴きたいものです。夏だったか、グールド/オリジナル・ジャケット・コレクション(80CD)が安く出てたことがあったのですが、さすがにこれの購入は見送りました。でも今となっては複雑ですねえ。
(Sony Classical 88697147482.Glenn Gould Jubilee Edition.2007年 Europe 輸入盤)

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