首里城が焼失しました。出火の前日に三月の沖縄旅行を予約したこともあり、ビックリしました。私はこのところ仕事で沖縄によく行っており、その整備される様子も見ていましので、実に残念です。首里城の立派さは、建物以外に沖縄のグスク(城)のなかでも、最高級の石垣にあるといつも思っていました。でも、正殿などがあるとないとでは全然違いますからねえ。まさに沖縄の象徴でした。再建にはまたかなりの時間がかかると思いますが、またその勇姿を見たいですねえ。
その他、いろんなことがあった先週でしたが、今回は、久々にモーツァルトであります。最近、とんとモーツァルトがないなあ、と思っていました。あまり聴いていないんですねえ。そんなことも反省?しつつ、今回は、モーツァルトのピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415であります。演奏は、アルトゥーロ・ベネデッテイ・ミケランジェリのピアノに、コード・カーベン指揮北ドイツ放送交響楽団による演奏。1990年のライブ録音です。
ミケランジェリは、あまり聴いたことがないピアニストでした。まあ、それほど多くの録音があるわけではないのでねえ。一番よく聴いたのは、ドビュシーの前奏曲なんですかねえ。これは以前にも取り上げたこともある名盤でありました。以前に、DGからのBOXを中古やさんで見つけました。8枚組で3000円くらいだったのですが、これとは別の10枚組のBOXもあるのをあとで知りました。そっちのほうがシューマンのピアノ協奏曲やベートーヴェンの32番のソナタなどがあるので、よかったなあ、と思いました。残念でありました。
それで、このモーツァルトです。指揮のガーベンですが、あまり聞いたことのない人ですね。DGの音楽プロデューサーであり、指揮者やピアニストなどとしても活躍されたようです。他にもそんな演奏したCDがいくつかありますねえ。そして、この13番の協奏曲は、昔ハスキルのLPなどでよく聴きました。かなり、好きな曲でありました。
やはり、ミケランジェリのピアノですねえ。これほど美しいモーツァルトはなかなか聴けないですよねえ。たいそうクリアで繊細。そしてフレーズごとに香り立つようなニュアンスが浮かび上がる。一音一音に入魂の演奏。テンポも思いのまま。微妙なルパードがまたピアノの美しさを引き立てます。どこかで「窒息してしまうほどの圧倒的な美」と表現されていましたが、いい表現ですねえ。でもどこかしらモーツァルトらしいか、と言えばミケランジェリらしいのでしょうねえ。加えて、ガービンとオケの演奏ですが、どうも時折、らしくない響きが聴けます。ミケランジェリのピアノにあわすのは難しいのでしょうが、思わずベートーベンのようなところもあったりであります。
第1楽章。堂々としたオケが鳴り響く中に、実に鮮やかにミケランジェリのピアノが歌う。最初はその自由な演奏に戸惑うが、この美音と繊細さに魅了されていく。きらびやかに歌い、そして繊細な表情がきらめく、実にゴージャスな演奏。そして短いカデンツァですが、ミケランジェリのピアノの素晴らしさが凝縮されているようですねえ。第2楽章、ここでのピアノの美しさは飛びきりですねえ。澄んだ音色に、艶が加わり、美しい旋律を奏でる極上のピアノです。大袈裟に言うなら、こんなきれいなピアノがあるだろうか、でありますねえ。そして、美しいという言葉で表現すること自体が失礼に思えるのでありました。第3楽章、オケも渾身の力で頑張る中、ピアノは、平常心でのスケールの大きなモーツァルトを展開。曲は早くなってもピアノの速さは速さを感じないほど、ゆったりと確かめるような演奏が実に素晴らしいのでありました。まあ全体的には、個性的なモーツァルトと言えるし、ミケランジェリのピアノを聴く演奏でありました。
首里城の再建への募金、もう1億円集まったとか。封建時代の遺物という階級史観的な認識ははるか遠くのものになりましたねえ。
(DG COLLECTORS EDITION 469 820-2 2002年 輸入盤)
その他、いろんなことがあった先週でしたが、今回は、久々にモーツァルトであります。最近、とんとモーツァルトがないなあ、と思っていました。あまり聴いていないんですねえ。そんなことも反省?しつつ、今回は、モーツァルトのピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415であります。演奏は、アルトゥーロ・ベネデッテイ・ミケランジェリのピアノに、コード・カーベン指揮北ドイツ放送交響楽団による演奏。1990年のライブ録音です。
ミケランジェリは、あまり聴いたことがないピアニストでした。まあ、それほど多くの録音があるわけではないのでねえ。一番よく聴いたのは、ドビュシーの前奏曲なんですかねえ。これは以前にも取り上げたこともある名盤でありました。以前に、DGからのBOXを中古やさんで見つけました。8枚組で3000円くらいだったのですが、これとは別の10枚組のBOXもあるのをあとで知りました。そっちのほうがシューマンのピアノ協奏曲やベートーヴェンの32番のソナタなどがあるので、よかったなあ、と思いました。残念でありました。
それで、このモーツァルトです。指揮のガーベンですが、あまり聞いたことのない人ですね。DGの音楽プロデューサーであり、指揮者やピアニストなどとしても活躍されたようです。他にもそんな演奏したCDがいくつかありますねえ。そして、この13番の協奏曲は、昔ハスキルのLPなどでよく聴きました。かなり、好きな曲でありました。
やはり、ミケランジェリのピアノですねえ。これほど美しいモーツァルトはなかなか聴けないですよねえ。たいそうクリアで繊細。そしてフレーズごとに香り立つようなニュアンスが浮かび上がる。一音一音に入魂の演奏。テンポも思いのまま。微妙なルパードがまたピアノの美しさを引き立てます。どこかで「窒息してしまうほどの圧倒的な美」と表現されていましたが、いい表現ですねえ。でもどこかしらモーツァルトらしいか、と言えばミケランジェリらしいのでしょうねえ。加えて、ガービンとオケの演奏ですが、どうも時折、らしくない響きが聴けます。ミケランジェリのピアノにあわすのは難しいのでしょうが、思わずベートーベンのようなところもあったりであります。
第1楽章。堂々としたオケが鳴り響く中に、実に鮮やかにミケランジェリのピアノが歌う。最初はその自由な演奏に戸惑うが、この美音と繊細さに魅了されていく。きらびやかに歌い、そして繊細な表情がきらめく、実にゴージャスな演奏。そして短いカデンツァですが、ミケランジェリのピアノの素晴らしさが凝縮されているようですねえ。第2楽章、ここでのピアノの美しさは飛びきりですねえ。澄んだ音色に、艶が加わり、美しい旋律を奏でる極上のピアノです。大袈裟に言うなら、こんなきれいなピアノがあるだろうか、でありますねえ。そして、美しいという言葉で表現すること自体が失礼に思えるのでありました。第3楽章、オケも渾身の力で頑張る中、ピアノは、平常心でのスケールの大きなモーツァルトを展開。曲は早くなってもピアノの速さは速さを感じないほど、ゆったりと確かめるような演奏が実に素晴らしいのでありました。まあ全体的には、個性的なモーツァルトと言えるし、ミケランジェリのピアノを聴く演奏でありました。
首里城の再建への募金、もう1億円集まったとか。封建時代の遺物という階級史観的な認識ははるか遠くのものになりましたねえ。
(DG COLLECTORS EDITION 469 820-2 2002年 輸入盤)
さて、沖縄の、首里城火災には、びっくりしました。不謹慎ですが、まるで、映画での、火災シーンを見ているようでした。こういった文化財を、どう保存するのか。誰が、責任をもって管理しているのか?問題はいっぱいありますね。
モーツァルト/ピアノ協奏曲第13番は、ブレンデル、シュミット、内田など持っていますが、このミケランジェリのCDも持っています。どんな作曲家の曲を演奏しても、クリアで硬質感のある音色は、ミケランジェリの特徴ですね。それに加えて、重量感があるんですね。ドビュッシーなども、決して、モヤモヤしませんね。ポリーニなどに、似たところもありますが、重量感が違うのかなあ?私は、シューマンなどが収録された、BOXを所有しています。主に、ライブ録音が、収められていますが、録音の少ないミケランジェリですから、貴重なBOXだと思います。