新型コロナウィルス感染のことが大変ですねえ。死亡率や感染率がそれほどでもないので、少し安堵しておりますが、まだまだ余談を許さないところです。マスクや消毒薬は売り切れ状態。私はマスクは眼鏡が曇ったりするのが嫌なのでしていませんが、電車などでは多くの人が着用しています。しかし、あの黒っぽい色つきのマスクはなんだか異様ではないですか。清潔感も?って感じもするので、私はこれも嫌いです。ということでマスクは苦手ですが、手洗いなどは励行しているのでした。
そんなこんなで、今回は久々のバッハのカンタータであります。たまに、異様に聴きたくなるときがありまして、聴けばやはりこの世界はいいなあ、としみじみ思うのであります。そんな中で、カンタータ第108番『われ世を去るは汝らのためなり』です。今回は、カール・リステンパルト指揮RIAS室管とディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(B)、イングリト・ロレンツェン、ヘルムート・クレプス(T)。1950年4月17,18,27日の録音です。このBOXは9枚組で、auditeのRIAS音源復刻CD。1949-52年のカンタータ29曲が収められています。当然、すべてモノラルですが、けっこう聴きやすく、まったくストレスは感じません。
カール・リステンパルトは、1900年ドイツのキールで生まれ1967年に逝去されました。戦後は、アメリカ軍占領地区放送局(RIAS)の室内管弦楽団を作り、バッハのカンタータを中心に活発な演奏活動を展開しました。1953年からはザール放送室内管弦楽団を指揮し、多くの録音を残しています。その昔、LPでバッハのフーガの技法をザール室管との演奏で買い聴いていました。バッハの演奏家としては、クルト・レーデル、ヘルムート・ヴィンシャーマンと並び、LPの時代に馴染み深かったですね。カンタータの演奏では、以前にも取り上げましたが、ARCHIVからカンタータ56.82.4番が出てました。ただオケがカール・リステンパルト室内管弦楽団とあります。契約などの問題で、もしかするとRIAS室管と同一のものかも知れませんねえ。
さて、このカンタータ第108番、その構成は、1.アリア(Bs)、2.アリア(T)、3.レチタティーヴォ(T)、4.合唱、5.アリア(A)、6.コラールで、全曲で約17分となっています。しかし、バッハのカンタータの魅力ってなんだろう、と思うのですが、やはり私はアリアですえ。実に禁欲的とでも申しましょうか、そんな美しさいっぱいなのですねえ。このカンタータにも3つのアリアがいいです。まず、冒頭のバス。DFDの歌声が最初から響きます。このとき20代半ば。若いです。しかし声の安定感や艶やかな響きは比類なきものであります。この人がいると、曲が本当に締まりますねえ、そしてDFDは、バッハを歌うのが一番好きと思ってしまいます。このアリアでは、伴奏がオーボエでありますが、それぞれの伴奏楽器が魅力でもあります。次のテノールのアリアでは、ヴァイオリンが響きます。そして伸びやかな高音がとても美しいテノール。クレプスはあまり聴いたことありませんが、バッハのテノールには相応しい歌声であります。そして、アルトのアリア。この曲がこのカンタータの中では最もいいですね。ロレンツェンについてもあまり存じ上げません。アルトとアルトによるカンタータのアリアのよさが、にじみでてくるような歌唱であります。ロレンツェンの歌声は、非常に真摯であり、訴えかけるものがありますねえ。また、合唱のコラールも、それそれの特徴がよく表れています。コラールは、アルトとともにいいですねえ。
加えて、リステンパルトの演奏、リヒターのに比べると緩い印象を持ちますが、それはそれでじっくりとゆったりと聴くことができます。モダン楽器のよさも感じられ、ひと時代前の印象を持ちますが、私はやはりこれがいいな、と思うのでありました。
今年は暖冬だったのですが、先週から気温が低めになって寒いことこのうえないのであります。日本海側では雪も降っていますねえ。でも、今週末あたりからまた暖かくなるそうです。いくら暖冬でも、早く春が来て欲しいのでありました。
(Audite Deutschlandra AU21415 2012年 輸入盤)
そんなこんなで、今回は久々のバッハのカンタータであります。たまに、異様に聴きたくなるときがありまして、聴けばやはりこの世界はいいなあ、としみじみ思うのであります。そんな中で、カンタータ第108番『われ世を去るは汝らのためなり』です。今回は、カール・リステンパルト指揮RIAS室管とディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(B)、イングリト・ロレンツェン、ヘルムート・クレプス(T)。1950年4月17,18,27日の録音です。このBOXは9枚組で、auditeのRIAS音源復刻CD。1949-52年のカンタータ29曲が収められています。当然、すべてモノラルですが、けっこう聴きやすく、まったくストレスは感じません。
カール・リステンパルトは、1900年ドイツのキールで生まれ1967年に逝去されました。戦後は、アメリカ軍占領地区放送局(RIAS)の室内管弦楽団を作り、バッハのカンタータを中心に活発な演奏活動を展開しました。1953年からはザール放送室内管弦楽団を指揮し、多くの録音を残しています。その昔、LPでバッハのフーガの技法をザール室管との演奏で買い聴いていました。バッハの演奏家としては、クルト・レーデル、ヘルムート・ヴィンシャーマンと並び、LPの時代に馴染み深かったですね。カンタータの演奏では、以前にも取り上げましたが、ARCHIVからカンタータ56.82.4番が出てました。ただオケがカール・リステンパルト室内管弦楽団とあります。契約などの問題で、もしかするとRIAS室管と同一のものかも知れませんねえ。
さて、このカンタータ第108番、その構成は、1.アリア(Bs)、2.アリア(T)、3.レチタティーヴォ(T)、4.合唱、5.アリア(A)、6.コラールで、全曲で約17分となっています。しかし、バッハのカンタータの魅力ってなんだろう、と思うのですが、やはり私はアリアですえ。実に禁欲的とでも申しましょうか、そんな美しさいっぱいなのですねえ。このカンタータにも3つのアリアがいいです。まず、冒頭のバス。DFDの歌声が最初から響きます。このとき20代半ば。若いです。しかし声の安定感や艶やかな響きは比類なきものであります。この人がいると、曲が本当に締まりますねえ、そしてDFDは、バッハを歌うのが一番好きと思ってしまいます。このアリアでは、伴奏がオーボエでありますが、それぞれの伴奏楽器が魅力でもあります。次のテノールのアリアでは、ヴァイオリンが響きます。そして伸びやかな高音がとても美しいテノール。クレプスはあまり聴いたことありませんが、バッハのテノールには相応しい歌声であります。そして、アルトのアリア。この曲がこのカンタータの中では最もいいですね。ロレンツェンについてもあまり存じ上げません。アルトとアルトによるカンタータのアリアのよさが、にじみでてくるような歌唱であります。ロレンツェンの歌声は、非常に真摯であり、訴えかけるものがありますねえ。また、合唱のコラールも、それそれの特徴がよく表れています。コラールは、アルトとともにいいですねえ。
加えて、リステンパルトの演奏、リヒターのに比べると緩い印象を持ちますが、それはそれでじっくりとゆったりと聴くことができます。モダン楽器のよさも感じられ、ひと時代前の印象を持ちますが、私はやはりこれがいいな、と思うのでありました。
今年は暖冬だったのですが、先週から気温が低めになって寒いことこのうえないのであります。日本海側では雪も降っていますねえ。でも、今週末あたりからまた暖かくなるそうです。いくら暖冬でも、早く春が来て欲しいのでありました。
(Audite Deutschlandra AU21415 2012年 輸入盤)
さて、バッハのカンタータですが、私は、殆ど聴いたことがないので、コメントできませんが、これから、少しは、聴いていきたいと思っています。