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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

フルトヴェングラーの田園

2008年03月12日 21時22分46秒 | ベートーヴェン
今週になって、急に春めいてきました。今日なんか日向ではぽかぽかで、ほんとうに暖かいなあっていう日和でした。このまま、春へと突っ走って欲しいですねえ。今年の冬は厳しかったですよねえ。
そんな陽気とは関係ありませんが、その昔、LPでベートーヴェンの英雄と田園を買いました。EMIでリストの前奏曲とスメタナのモルダウと一緒になっていました。2000円くらいしたでしょうか。この2枚はよく聴きました。そして、ともにいわゆる擬似ステレオ盤でした。この擬似ステ盤には賛否両論があって、なかなか結論がだせないんですが、私的には断然に擬似ステがいいと思います。音の広がりや鮮明さが擬似ステの方がいいんですよね。まあ、そうは言ってももとの音質がどうかということも関連していると思いますが。この擬似ステの英雄と田園はほんとに思い入れがあります。私のフルトヴェングラー体験と、英雄・田園体験は、これが出発点でした。後になって、ライブ音源のフルトヴェングラーの演奏を聴くようになって、その違いに驚いたものでした。
そんなフルトヴェングラーの田園を、先日入手しました。1952年11月のスタジオ録音で、VPOです。そして擬似ステ、正確にはブライトクランク・ステレオです。昔の記憶で曖昧かもしれませんが、CDとなって音は驚くほど良くなってますね。LPではこもったような音の印象がありました。やはり音がいい、ということはかけがえないものですね。とは言っても、乾ききった音には限界がありますが…。この田園は、特に第一楽章から、ほんとにゆったりとした演奏です。一定のテンポで雄大な田園の風景を大きなスケールで描いています。第二楽章に至ってもそんな田園風景が広がります。加えて、ヴァイオリンと木管はほんとに美しい音を奏でていますね。そこには誇張した表現もないし、自然体での音づくりに徹した見事な演奏になっています。聴いていくと、いい曲やなあ、いい演奏だなあ、と自らが納得させられます。第三楽章では、ウィンナホルンの瑞々しい音はいいですね。そして、嵐がやってきて、喜びの感謝に至るこのべートーヴェンの曲づくりの見事さがよく伝わってきますし、第五楽章は感動的ですよね。祈りに充ち満ちた気持ちを抱かせてくれます。また特に全体の後半では、VPOの美しさが十二分に発揮されています。
ライブもいいですが、スタジオ録音のフルトヴェングラーのよさをしみじみと感じさせる演奏であります。

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2 コメント

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フルトヴェングラーの田園 (tooru)
2008-03-12 22:43:58
こんばんわ。
写真のCDは正確にはブライトクランクのリマスターですね。
HS-2088いわゆるオカザキリマスターといわれ、評価はよくありません。音の周辺成分をカットしてしまい、音は細く音色は薄くなってしまっているからです。
それ以前の、黒ジャケの西ドイツエレクトーラ製TOCE-6513は音の厚みと音色があって良いものでした。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2008-03-12 22:55:23
ご教示ありがとうございます。疑似ステにもいろんな種類があるんですね。以前にエントリーしたフルトヴェングラーの第9は、TOCE-6515ですから、tooruさんの言われるTOCE-6513と同じ種類のものですかね。そうなら、確かに音の雰囲気は違いますね。この田園は、「音は細く音色は薄くなって」という感じはします。
「ブライトクランク」に訂正します。
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