新型インフルエンザの流行もたいへんですが、一方で、麻疹も恐いですねえ。ウィルスの感染は、なんとも恐ろしいことであります。
今回は、クラウディオ・アバドです。いっとき激やせになった時期がありましが、最近は病気も克服され、元気になられたんでしょうね。昔は、GSの兄ちゃんのような感じのときがあったんですけどねえ。ちょうど、LPを買わなくなってCDを買おうか、といった時期に、このアバドさん、VPOとベートーヴェンの交響曲全集を録音し始めたのです。しかし、当時は一枚あたり高価なのでなかなか買えなかったです。輸入盤だと安い、でも輸入盤はどこで買えるのか。当然、タワーさんやHMVさんのような外資系のお店はなく、個人で営業されている専門店がぽつぽつあったくらいでした。そんなお店は淘汰され、結局は現在の大資本のお店が市場支配する状況になったんですね。それで、神戸の住吉さんの近所?にあった「ドレミ」というお店に友人に連れて行ってもらいました。おかしな店で夕方以降でないと開いていなかったんですが、当時大阪に住んでいた私は、神戸のお店まで行きました。しかしそれから間もなく閉店しちゃいました。その「ドレミ」で最初に買ったのが、アバドの「英雄」でした。この演奏はけっこう好きでよく聴いてました。アバドのVPOとのベートーヴェン全集は、その後BPOとの新録音が出されたために忘れれたみたいですが、非常にいい演奏です。
そのアバドとVPOのCDを先日、神戸の中古やさんで買いました。その中から交響曲第1番ハ長調作品21であります。1988年1月ウィーンのムジークフェラインでのライブ録音。当時、アバドはウィーン国立歌劇場音楽監督だったこともあり、この組み合わせになったんでしょう。BPOの音楽監督になる直前です。この演奏、まず、VPOが素晴らしい。非常に精度と純度の高いアンサンブルであります。VPOのベートーヴェン全集といえは、イッセルシュテット、ベーム、バーンスタインのものがまず思い出されますが、私はこのアバドとの演奏が一番だ、と思っています。木管もきれいですが、ここでは弦楽器がいい。そして、ここというところでの迫力もに満ちた演奏も聴き応えがあります。第1楽章、序奏の弦の伸びやかな美しさ、そして主部に入っても弦の清新で純度の高い弦の音色は素晴らしい。そして、低音部も明朗で澄んだ音を聴かせてくれる。アバドの指揮も覇気と若い活力に満ちています。第2楽章は、明るい。第1楽章から一転して明るい太陽がさんさんと照り輝くような優しさにも満ちてます。VPOも暖かい。第3楽章メヌエット。VPOの合奏力が立派です。この合奏力が曲に勢いをつけ、それが曲の推進力となるような、たいそう気力に満ちたメヌエットになっています。そして、終楽章。序奏のヴィオリンが美しい。そして、その後のロンドもVPOの美音による快活さと推進力が心地よい。曲を最後に盛り上がりを見せて終わってくれます。
しかし、これが果たして正統なベートーヴェンか、と問われれば、ためらいもないわけではありません。音づくりが少々明るい。そんなことを言い出すと、精神性が云々ということにもなりかねないので…。やはり現代最高のベートーヴェンには間違いありません。こんなベートーヴェンも好きですね。
(DG 427 301-2 1989年 輸入盤)
今回は、クラウディオ・アバドです。いっとき激やせになった時期がありましが、最近は病気も克服され、元気になられたんでしょうね。昔は、GSの兄ちゃんのような感じのときがあったんですけどねえ。ちょうど、LPを買わなくなってCDを買おうか、といった時期に、このアバドさん、VPOとベートーヴェンの交響曲全集を録音し始めたのです。しかし、当時は一枚あたり高価なのでなかなか買えなかったです。輸入盤だと安い、でも輸入盤はどこで買えるのか。当然、タワーさんやHMVさんのような外資系のお店はなく、個人で営業されている専門店がぽつぽつあったくらいでした。そんなお店は淘汰され、結局は現在の大資本のお店が市場支配する状況になったんですね。それで、神戸の住吉さんの近所?にあった「ドレミ」というお店に友人に連れて行ってもらいました。おかしな店で夕方以降でないと開いていなかったんですが、当時大阪に住んでいた私は、神戸のお店まで行きました。しかしそれから間もなく閉店しちゃいました。その「ドレミ」で最初に買ったのが、アバドの「英雄」でした。この演奏はけっこう好きでよく聴いてました。アバドのVPOとのベートーヴェン全集は、その後BPOとの新録音が出されたために忘れれたみたいですが、非常にいい演奏です。
そのアバドとVPOのCDを先日、神戸の中古やさんで買いました。その中から交響曲第1番ハ長調作品21であります。1988年1月ウィーンのムジークフェラインでのライブ録音。当時、アバドはウィーン国立歌劇場音楽監督だったこともあり、この組み合わせになったんでしょう。BPOの音楽監督になる直前です。この演奏、まず、VPOが素晴らしい。非常に精度と純度の高いアンサンブルであります。VPOのベートーヴェン全集といえは、イッセルシュテット、ベーム、バーンスタインのものがまず思い出されますが、私はこのアバドとの演奏が一番だ、と思っています。木管もきれいですが、ここでは弦楽器がいい。そして、ここというところでの迫力もに満ちた演奏も聴き応えがあります。第1楽章、序奏の弦の伸びやかな美しさ、そして主部に入っても弦の清新で純度の高い弦の音色は素晴らしい。そして、低音部も明朗で澄んだ音を聴かせてくれる。アバドの指揮も覇気と若い活力に満ちています。第2楽章は、明るい。第1楽章から一転して明るい太陽がさんさんと照り輝くような優しさにも満ちてます。VPOも暖かい。第3楽章メヌエット。VPOの合奏力が立派です。この合奏力が曲に勢いをつけ、それが曲の推進力となるような、たいそう気力に満ちたメヌエットになっています。そして、終楽章。序奏のヴィオリンが美しい。そして、その後のロンドもVPOの美音による快活さと推進力が心地よい。曲を最後に盛り上がりを見せて終わってくれます。
しかし、これが果たして正統なベートーヴェンか、と問われれば、ためらいもないわけではありません。音づくりが少々明るい。そんなことを言い出すと、精神性が云々ということにもなりかねないので…。やはり現代最高のベートーヴェンには間違いありません。こんなベートーヴェンも好きですね。
(DG 427 301-2 1989年 輸入盤)
指揮者の沼尻さんが「往年の巨匠の演奏と比べると、物足りなく感じるが、実はすごい仕事をしている」と仰っていました。
アバドのベートーヴェンを聴いて見たいとおもいつつ、BPOとのDVDなども買いそびれてしまいましたが、VPOのベートーヴェンも良さそうですね。