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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

もう一回ノーマンで、ワーグナー

2008年05月16日 18時55分02秒 | ワーグナー
前回はジェシー・ノーマンでしたが、今回も続けてノーマンを取り上げます。これで、ノーマンは3回目。マーラー、R・シュトラウス、そして、今回のワーグナーです。ノーマンの歌唱で、聴きたいなと思うのは、この三人の作曲家でしょうか。
実際、ノーマンは、それほどいろんな作品を歌っている歌手ではないかもしれません。オペラの役柄でも彼女が演じたものとして、即座に出てくるのはなんでしょうか。全曲盤では、「ナクソス島のアリアドネ」のアリアドネ、「ローエングリン」のエルザ、「ワルキューレ」のジークリンデ、「パルジファル」のクンドリぐらいですかねえ。案外、少ないです。独墺系が主流になるんですかね。イタリアオペラをやった、というのはあまり聴きませんね。そんな中でも、ワーグナーは重要なレパートリーと思います。といっても、先述のエルザとジークリンデ、クンドリくらいしか聴くことができないのが残念ですね。ブリュンヒルデやイゾルデもやって欲しかったところであります。
そして、ノーマンのワーグナーを聴くことができるCDがあります。「Wagner Famous Scenes」と題したCDです。クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィルハーモニーの伴奏。1987年の録音です。ここで、ノーマンは、イゾルデ、エリーザベト、ゼンタ、ブリュンヒルデを歌ってます。どれもうまく歌いこなしていますね。ノーマンのワーグナーでの最大の武器は、けっしてオーケストラに負けない声量あふれる歌唱でしょう。それは大きくでかい声というものではありません。決して精一杯の声を出しているわけでもなく、無理をすることなく自然に大きな声量になり、また高音も力を込めて出すのではなく、絞り出すようでもなく、無為自然に出て行くのですね。また、テンポのゆったりで、しっかりと噛みしめるような歌唱です。このありさまは一種の快感でもあります。楽劇「トリスタンとイゾルデ」より愛の死と、歌劇「タンホイザー」第3幕よりエリーザベトの祈り「万能の処女マリア様!わが願いをききたまえ」がいいですね。後者の「私を潔く、天使のごと、御身の至福の門に入れたまえ!」「あなたの恵みに満ちた恩寵により、彼の罪のため乞い願うことが出来ますように!」とエリーザベトがマリアの像にひざまずき祈り唱うところが、私は特に好きです。ノーマンのここの味わい深い歌唱はい思わず聞き惚れてしまいます。また、最後の「ブリュンヒルデの自己犠牲」も、これだけ安定した歌唱も、ノーマンならではと思います。
付け足しのようになりましたが、テンシュテットもワーグナーの全曲を録音して欲しかったと思うように、いいです。


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