時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

人質事件に関わる自己責任論について

2015-02-04 23:22:25 | リビア・ウクライナ・南米・中東
私は、あえてご冥福を祈るという言葉を書かなかった。

ありきたりな表現だし、テンプレートを書くよりもまず、
今回の事件は安倍政権の軍拡・金もうけ主義が引き起こしたものだと
いうことを、しっかり指摘して、危険を煽る外交をやめるようにすること。

それが何よりの事件再発の予防になるからだと思うからだ。


が、しかし、ここ数日の自己責任論、
要するに「殺されたお前が悪い」論を見ると、
随分とまぁ冷たい連中だなと感じてならない。


湯川氏に至っては、思いっきり極右の人間、
すなわち、今をときめくネトウヨと同じ主義・信条の持ち主だったのに、
仲間が殺されても、イスラム国に対する怒りの一言もないとは。


とっとと、金を払えば良かったのに、国の威信とやらを優先し、
湯川氏を見殺しにしたMr.トリモロスのほうが正しいと仰る様には驚きだ。


私が右翼を信用しないのは、異常に身内に対して厳しいのも理由の1つとしてある。


ところで、今回、
もし殺したのがアラブ人ではなく、
北朝鮮の人間だったら?










連中は今頃、報復せよと
暴れているのでは?




ところが、新聞やテレビは言うに及ばず、
ネトウヨもどこかおとなしい。いつもの威勢がない。


メディアは湯川氏を全力で無視し、後藤氏の偉業を称えているし、
ネトウヨは自己責任論の連呼、よくて改憲の主張だ。


これが、もし韓国や中国に殺されていたとすれば、
メディアも右翼も左翼も一体となって、全国的な抗議デモが起きたに違いあるまい。

イランの社説>日本の社説

2015-02-04 00:36:08 | マスコミ批判
テロ事件を利用した安倍の軍拡について批判的なイランラジオだが、
本日の解説記事(というか社説)でも、再びこの件について取り上げていた。


以下がその前文である。



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日本の首相の立場、ISIS対策か軍国主義か



ホセイニー解説員

日本人の二人目の人質がテロ組織ISISによって殺害されたことは、
安倍首相による立場に影響を及ぼしています。


多くの専門家は、安倍首相の新たな立場は、消極的で感情的なもので、
軍事政策を推し進めるためにISISの犯罪を利用していると見ています。


安倍首相は、日本人の二人目の人質が殺害されたことが確実と見られた後、
「日本はISIS対策に向けて各国と協力を行う」と発言しました。



多くの専門家は、欧米の指導者が
真剣にISIS対策をとろうとしているのか疑問を抱いています。


一部の情報筋は、アメリカは対ISIS連合の結成と
このテログループへの対抗により、
中東地域の軍事駐留を正当化しようとしていると述べています。


このため、
安倍首相の最近の立場、つまりISISへの抵抗を主張したことは、
日本の市民を守るためのものではなく、
自らの軍事同盟国を参戦させようとするアメリカの圧力を受けた
ものです。



しかしながら、
日本は国外でのアメリカとの軍事協力に関して法的に禁じられ、
この国の人々も国外での軍事作戦の実施に向けた日米の協力に反対していることから、
今回の人質事件のような事件を利用し、世論にこうした協力を納得させようしています。



今回の事件を受け、安倍首相は国会の安全保障委員会の会議で、
日本の治安を強化する計画に関して、
今年、集団的自衛権の行使容認に向けた
 安全保障法制の整備を目指す
」と語りました。



安倍首相は、2012年、日本で権力の座についた当初から、何度となく、
同国の防衛政策の変更と国際レベルでの日本の軍事的な役割の拡大について語ってきました。




安倍首相は1ヶ月前にも、強力な軍隊の保有と
自衛隊の国際紛争への参加を強調していました。



こうした安倍首相のアプローチは、
日本の野党や国民、さらには公明党の反対に直面しているだけでなく、
地域諸国、とくに過去に日本の軍事政策から被害を受けた中国や韓国も、
安倍首相のこの政策に抗議し、彼に対して歴史から学び、
軍国主義路線をとるのではなく、地域や世界の平和や安定を促すよう求めました。




このため、多くの専門家は、
今回の人質事件はアメリカの同時多発テロ同様、
 日本の首相に対して、長年の夢である自衛隊の
 国外への紛争への参加に向けた口実を与えた
」としています。


このことから、アメリカがテログループに武器支援を行ったり、
テロリストを都合よく穏健派と過激派の二つのグループに分けたりしている中、



ISIS対策におけるアメリカとの同調という安倍首相の現在の立場は、
日本人の安全を確保することができないばかりか、
多くの人が考えているように、地域でのテログループの活動を拡大させることになるでしょう。



このことから、日本の首相の考えにもかかわらず、
こうした世界的な問題に対抗するためには、すべての国の真剣な決意が必要であり、
国連との協力や世界のすべての国の支援によってのみ、実現することができるのです。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/5
1845-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%A6%96%E7%9B%
B8%E3%81%AE%E7%AB%8B%E5%A0%B4%E3%80%81isis%E5%AF%
BE%E7%AD%96%E3%81%8B%E8%BB%8D%E5%9B%BD%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%8B


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ホセイニー解説員の文章を読むと、
朝日や毎日や東京といった左派系(と思われている)
新聞の社説がいかに情けない内容か、痛感してしまう。




日経
「日本はこれまで中東で一度も武力を行使したことはなく、
 ビジネスや技術の供与などを通して地域の平和と安定に貢献しようとつとめてきた。
 これは誇っていい。」


産経
「具体的には、必要な事態に自衛隊を派遣できるようにする法整備を考えたい。
 テロに対する抑止力にもなる。」

毎日
「日本の人道支援をイスラム国と戦う周辺国への軍事支援のように
 主張するのは言いがかりだ。非難されるべきはISの行動だ。
 だが演説がISに利用され、人質事件を新たな段階に進める
 きっかけになったことは否定できない。」

読売
「疑問なのは、集団的自衛権の行使容認により、
 日本に対するテロの危険が増すかのような見解を那谷屋氏が示したことだ。
 集団的自衛権の行使は、各国とも認めており、
 テロとの戦いに不可欠な日米同盟と国際連携の強化が目的である。
 日本だけが安全であればいいという考え方は、「一国平和主義」に陥りかねない。」

朝日
「日本は事件から、何を教訓とすべきか。
 少なくとも、軍事的関与に走ることが日本の安全に直結するとは到底思えない。
 むしろ逆だろう。日本はこれまで各国の軍事作戦とは一線を画し、
 人道的な支援に取り組んできた。その実績には中東一円で高い評価がなされている。
 その親日感情の資産を守りつつ、今後も進めるべきは各国政府や国際組織との連携である。」

(http://shasetsu.seesaa.net/archives/20150203-1.html)


これら社説からは、安倍政権が発足時から
軍拡へ邁進していることへの危機感が全く感じられない。



とっくの昔に平和国家ではなくなっているという自覚が足りない。
(これは他ならぬ安倍をはじめとした極右政治家にも言えることだが)



何よりアメリカに追従する危険性について一言も言及されていない。





現時点で、日本はアメリカ・イスラエルの戦争を支持し、
兵器産業の規制を緩和し、新兵器の開発と輸出に勤しんでいる。


安倍政権が2012年以降、進んだ軍拡の道が最悪の結果を招いた。
その責任を今こそ取るべきだ……という徹底的な批判は一切ない。


どこか他人事のようなコメントを左派系新聞がしているのをみると、
本当に他所の国のメディアのほうが読み応えがあるなと思ってしまう。




新聞が売れない理由は色々あるが、その最も足るものとして、
情報力の劣化が挙げられる。一言でいえば、読む必要がないのだ。

ショボすぎて。



若者の新聞離れが叫ばれて久しいが、
新聞の民衆離れのほうが事態は深刻だ。