今回の記事でとりあえず最後にしたいが、
『ザ・コーブ』に関して言えば、大変厳しい検閲がされていることが目につく。
例えば、映画ではイルカ肉がクジラ肉と表記して売られていること、
イルカ肉の中に含まれている水銀の濃度が濃いことが指摘されているが、
これはエンディングのほうで「諸説あります」との但し書きがされている。
他にも、特典には保守派で有名な御用学者のコメントがあって、
映画の内容を否定するような発言が多くされている。
これは『アンネの日記』の巻末に
ホロコースト否定論が記述されているようなものだ。
このように、映画の内容を逐一否定するコメントを付記しない限り、
DVDの発売すら危うかったという事情は、大いに問題があるのではないだろうか。
大体、この映画自体、ほとんどの映画館が「自粛」して
事実上、公開が禁じられたようなものであり、彼ら活動家が述べるように
国民がイルカビジネスの問題点や負の歴史を知る機会は著しく制限されている。
『ザ・コーブ』は単に生物保護運動の知識だけでなく、
日本の学者や記者、役人が自発的にプロパガンダに協力していること、
発売者側が相当、空気を読まない限り販売することすら出来ないことを
露わにした、非常に重大な問題提起がされている作品なのである。
私は真の独裁とは国民の協力があって初めて成り立つものであり、
その独裁の度合いは途上国のそれよりも先進国のそれのほうが高いと思っている。
この映画にしても、反日映画とレッテルを貼って無視する視聴者が大半ではないだろうか?
そういうレビューが出回ることで、問題の本質がますます見えてこなくなってしまう。
これは捕鯨やイルカ漁に限らず、沖縄基地問題や歴史問題、
その他諸々の時事問題に通じることだ。
右翼を中心とした大衆が情報規制に自分から進んで参加している。
関東大震災の際には、有志が自警団を結成して、朝鮮人を殺しまわったが、
それと同じことが、今の日本では起きている。
つまり、真の独裁は民主的に行われる。
民主主義がー民主化がーと小うるさい連中もいるが、本当の問題は
「真の民主主義は各人が相当な努力をして確かな知識と判断力をつけることで初めて成立する」
という命題をすっ飛ばして話を進めることではないだろうか?
現代民主主義が真の民主主義とは程遠いことは感覚的にわかるはずだ。
この現代民主主義社会では大衆がプロパガンダを再生産することで、
権力者と結託しながら自らの手で自らの足を縛るような真似をする。
監視されるのではなく、監視しあう社会になっている。
都合の悪い意見や情報は禁止されることも時にあるが、それよりも重要なのは
全員によって無視と非難を行うことでそれら情報を歪め、無力化することにある。
『ザ・コーブ』を巡る言論状況をよく見てほしい。
水族館ビジネスの問題を指摘した人間は何人いるだろうか?
捕獲数が文字通りケタ違いに増えていることを指摘した人間は?
政府が小国を買収している実態は?
これら問題をガン無視して「日本人にむけた環境テロの文化破壊行動」という
お決まりの言説がゲラ刷りされて目に入っているのが現状ではないだろうか?
『ザ・コーブ』は、そういう意味でも視聴をぜひ勧めたい映画だ。
日本のメディアコントロールに関心がある方はぜひ観てほしい。
『ザ・コーブ』に関して言えば、大変厳しい検閲がされていることが目につく。
例えば、映画ではイルカ肉がクジラ肉と表記して売られていること、
イルカ肉の中に含まれている水銀の濃度が濃いことが指摘されているが、
これはエンディングのほうで「諸説あります」との但し書きがされている。
他にも、特典には保守派で有名な御用学者のコメントがあって、
映画の内容を否定するような発言が多くされている。
これは『アンネの日記』の巻末に
ホロコースト否定論が記述されているようなものだ。
このように、映画の内容を逐一否定するコメントを付記しない限り、
DVDの発売すら危うかったという事情は、大いに問題があるのではないだろうか。
大体、この映画自体、ほとんどの映画館が「自粛」して
事実上、公開が禁じられたようなものであり、彼ら活動家が述べるように
国民がイルカビジネスの問題点や負の歴史を知る機会は著しく制限されている。
『ザ・コーブ』は単に生物保護運動の知識だけでなく、
日本の学者や記者、役人が自発的にプロパガンダに協力していること、
発売者側が相当、空気を読まない限り販売することすら出来ないことを
露わにした、非常に重大な問題提起がされている作品なのである。
私は真の独裁とは国民の協力があって初めて成り立つものであり、
その独裁の度合いは途上国のそれよりも先進国のそれのほうが高いと思っている。
この映画にしても、反日映画とレッテルを貼って無視する視聴者が大半ではないだろうか?
そういうレビューが出回ることで、問題の本質がますます見えてこなくなってしまう。
これは捕鯨やイルカ漁に限らず、沖縄基地問題や歴史問題、
その他諸々の時事問題に通じることだ。
右翼を中心とした大衆が情報規制に自分から進んで参加している。
関東大震災の際には、有志が自警団を結成して、朝鮮人を殺しまわったが、
それと同じことが、今の日本では起きている。
つまり、真の独裁は民主的に行われる。
民主主義がー民主化がーと小うるさい連中もいるが、本当の問題は
「真の民主主義は各人が相当な努力をして確かな知識と判断力をつけることで初めて成立する」
という命題をすっ飛ばして話を進めることではないだろうか?
現代民主主義が真の民主主義とは程遠いことは感覚的にわかるはずだ。
この現代民主主義社会では大衆がプロパガンダを再生産することで、
権力者と結託しながら自らの手で自らの足を縛るような真似をする。
監視されるのではなく、監視しあう社会になっている。
都合の悪い意見や情報は禁止されることも時にあるが、それよりも重要なのは
全員によって無視と非難を行うことでそれら情報を歪め、無力化することにある。
『ザ・コーブ』を巡る言論状況をよく見てほしい。
水族館ビジネスの問題を指摘した人間は何人いるだろうか?
捕獲数が文字通りケタ違いに増えていることを指摘した人間は?
政府が小国を買収している実態は?
これら問題をガン無視して「日本人にむけた環境テロの文化破壊行動」という
お決まりの言説がゲラ刷りされて目に入っているのが現状ではないだろうか?
『ザ・コーブ』は、そういう意味でも視聴をぜひ勧めたい映画だ。
日本のメディアコントロールに関心がある方はぜひ観てほしい。