時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

2000万人のイギリス人、5000万のアメリカ人が貧困者に

2015-02-26 23:16:57 | 国際政治
イタリア、ポルトガル、スペイン、ギリシャ、アイルランド、
ルーマニア、キプロスの7カ国で、4人に1人が貧困状態にある。



過去5年間に、経済状況の悪化により、イタリアの貧困者の数が2倍に増加してる。
EUやIMFが緊縮政策を強いるため、失業者や低賃金労働者が激増しているのである。



これはイギリスやアメリカのような侵略国も例外ではない。


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イギリスで、2000万人が貧困状態



イギリスで、2000万人が貧困状態にあることが明らかになりました。


プレスTVによりますと、9日月曜に発表された、イギリスでのある調査の結果から、
同国の貧困者は1983年以来現在までに倍増し、今後5年間でさらに悪化することが見込まれています。


この調査によりますと、イギリスでは現在2000万人が貧困状態にあるということです。

また、イギリスでは子ども5人に1人がホームレスであり、
さらに子ども10人に1人は保温に適した十分な衣服にも事欠く状態だといわれています。


さらに、イギリスの人々の21%は負債を抱えており、彼らの3分の1は貯蓄能力がないということです。


イギリス政府は、2010年から赤字予算の削減と経済発展の加速を目指すため、
緊縮財政政策をとっていますが、このことは人々の抗議の高まりを引き起こしています。


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/
item/52027-%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82
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公式統計によれば、イギリスは、若者たちの失業について、過去数十年で最悪の危機に直面しています。


イギリスの新聞ガーディアンは、イギリスの若者たちの失業は懸念すべき状況であるとし、
「統計によれば、イギリスの若者の失業率は、他の階層のほぼ3倍になっている」と報じました。


これによれば、イギリスの16歳から24歳までの若者のうち、仕事にも就かず、
学校にも行っていない人の数は、昨年の第4四半期に増加し、およそ50万人だということです。


イギリス労働党のレイチェル・リーヴス氏は、
イギリスの若者の失業率の高さは、この国の根本的な問題だとしました。


http://japanese.irib.ir/news/
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イギリスの総人口は2013年の時点で、6410万。
2000万が貧困状態にあるということは、3~4人に1人は貧困だということだ。




イギリスもまた格差社会なので、
まさに少数の金持ちのために多数の人間が犠牲に合っていると言えるだろう。


イギリスも相当に非道い状況だが、アメリカも負けず劣らず非道い有様だ。


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アメリカ人5000万人が貧困


アメリカ政府は、アメリカの人口の15%にあたる
5000万人が現在、貧困の中で暮らしていると発表しました。



中国・新華社通信によりますと、アメリカ政府は議会への最近の報告で、
収入が増えないことから同国の中産階級に圧力がかかっているとしました。



アメリカ政府はこの報告の中で、同国の賃金の低迷により、
アメリカの中産階級が打撃を受けていると警告を発しました。

この報告では、アメリカの金融危機後のアメリカの経済状況の改善にもかかわらず、
アメリカで収入が増加しないことは、同国の中産階級に打撃を与えているとされています。


アメリカ大統領の経済チームによって作成されたこの報告は、
同国の賃金の全体的な上昇に向けた議会の合意のための次のステップとなっているようです。


オバマ政権は何度となく、アメリカ全土で賃金を上昇させるために
議会を説得しようとしていますが、共和党議員だけでなく、一部の民主党議員もそれに反対しています。


この報告によりますと、アメリカの低所得層や貧困層は現在、
金融危機の前よりもさらに悪化した状態にあるということです。


フランスの研究所も最近、アメリカは先進国で最多の貧困者を抱える国だと報告しています。


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/52318
-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E4%BA%BA5000%
E4%B8%87%E4%BA%BA%E3%81%8C%E8%B2%A7%E5%9B%B0

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北朝鮮の総人口は2490万。キューバは1127万。

悪の枢軸と名指しされた両国の人口を足してもアメリカの貧困にあえぐ人々の数には遠く及ばない。

テロ政党自民・維新の党

2015-02-26 22:09:05 | 日本政治
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民族差別をあおるヘイトスピーチは
自由や民主主義と相いれず、健全な市民社会と両立しません。

日本共産党はヘイトスピーチを根絶するために
「立法措置を含めて、政治が断固たる立場にたつ」(第3回中央委員会総会)ことを求めています。


具体的には3点が大切だと考えています。


第一に、人種差別禁止の理念を明確にした特別法の制定をめざすことです。

この間、京都の朝鮮学校に対する「在日特権を許さない市民の会」によるヘイトデモが、
国連の人種差別撤廃条約にいう「人種差別」に該当するとした判決が、
2014年、最高裁で確定されました。

同年8月には、国連の人種差別撤廃委員会が日本政府に対し、
ヘイトスピーチ根絶へ法的措置を含む毅然(きぜん)とした対応をとるよう勧告しました。


日本共産党は、憲法で保障された基本的人権を全面的に擁護するとともに、
それに抵触しない法整備にむけて積極的に対応します。

立法措置については「言論・結社・表現の自由」との関係や、
「市民運動の弾圧に悪用されないか」との懸念もあります。

法律の条文をよく検討・吟味し、「差別」の恣意(しい)的解釈を許さないこと、
刑事罰を設けないこと、市民運動規制などへの濫用(らんよう)を防ぐことなどが必要と考えます。


第二に、ヘイトスピーチを繰り返す団体や
極右勢力と政権与党幹部との癒着がヘイトスピーチの温床になっています。


安倍政権がこうした関係を反省してきっぱり手を切り、ヘイトスピーチに毅然と対処するよう求めます。


第三に、地方自治体がヘイトスピーチに毅然として対応し、適切な対応をとることを求めます。


この間も、自治体がヘイトデモを行う団体に公園や公的施設の使用を認めてこなかった例があります。
特定の団体が開催するからというだけでなく、利用者市民の安全を考慮し、
また、会館の使用条例に照らして集会が明らかに「公序良俗」を害する恐れがあると確認したからです。


現行法・条例も最大限活用し、ヘイトスピーチを世論と運動で包囲し追い詰めていくことが大切です。

(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-25/2015022504_02_0.html)
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最近、ヘイトスピーチのような極端な差別表現をする団体を非難しながら、
彼らと全く同じ主張をしている右翼集団・活動家をよく見かける。


安倍晋三などは、その筆頭で、慰安婦否定、歴史改竄、
アジア諸国にはデカい態度をとりながらアメリカには尻尾を振る素晴らしい方だ。


彼が抜擢した高市早苗氏や山谷えり子氏や稲田朋美氏などの良心派の議員は、
いずれも要職に就いているが、彼らはネオナチや在特会などの人種差別主義者たちとの
つながりがあり、その発言内容も国粋的で自民党の品格の程度をよく表したものとなっている。


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在日韓国・朝鮮人に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返す
「在日特権を許さない市民の会」(在特会)幹部らとの写真が
波紋を広げている山谷えり子国家公安委員長(参院議員)が、
この在特会幹部と行動をともにしてきた関係者から献金を受け取っていたことが、わかりました。


山谷氏が支部長を務める「自民党東京都参議院比例区第八十四支部」
の政治資金収支報告書によると、2010年に617万8000円の個人献金を集めています。


このなかに、在特会幹部の活動を伝える会報(11年1月15日付)に、
「平成22年12月8日 新しくなった参議院議員会館を早速訪問」との説明付きで
在特会幹部と一緒に山谷氏と写真に写っている女性が、1月18日と6月24日に各3万円、
計6万円を献金していることが記載されています。住所は三重県で、職業欄は「無職」となっています。


この女性は、同日付会報の1面に「天長節に思う」との一文を寄せ、
「皇室在ればこそ、日本の権威が保たれている」などとのべています。


ヘイトスピーチについては、国連人権差別撤廃委員会が日本政府に対し、
規制や取り締まりを勧告するなど、国際問題になっていますが、
山谷氏は9月25日、日本外国特派員協会での記者会見で、
「在日特権については、私が答えるべきことではない」とあいまいな態度に終始しました。

ヘイト集団との密接な関係は国家公安委員長の職責にふさわしいとはいえません。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-04/2014100415_01_1.html
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高市早苗総務相は12日の記者会見で、
極右の「ネオナチ」政治団体「国家社会主義日本労働者党」の
山田一成代表との記念撮影に応じていた問題について問われ、
「ご迷惑がかかったとしたら、大変申し訳ない」と述べました。

迷惑の中身を明示していませんが、山田氏とのツーショット写真が
ネオナチとの関係を示すものとして海外メディアに相次いで取り上げられたことを受け、
政治不信を招いたことに反省の姿勢を示し批判を逃れようとしたもの。

山田氏の所属団体や思想・信条を知っていたわけではないとして、
写真に撮られたことは「率直に言って不可抗力であった」と正当化しました。


会見で高市氏は、同様に山田氏との記念撮影に応じた
自民党の稲田朋美政調会長や西田昌司参院議員の事務所と協力して調べたところ、
撮影を受けた時期に共通して『撃論』という雑誌のインタビュー取材を
受けていたことが判明したと述べました。


取材の同行者に山田氏が含まれていた可能性には、
「その(山田氏との)写真を見ても、それが誰か分からなかった」と述べ、
山田氏だという認識はなかったかのように説明。

インタビュアーを務めるライターや識者以外のスタッフとは
「名刺も交換していない」として、山田氏の所属団体や思想・信条について一切知らなかった、
「分かっていたら決してお会いしなかった」との説明を繰り返しました。


インタビューが掲載されている『撃論』2011年10月号で、
高市氏は日の丸・君が代の教育現場への押し付けは当然と主張し、
稲田氏は人権擁護法案は在日韓国・朝鮮人の人権に重きを置くものだと主張しています。


こうした取材を受け、自らの政治的立場を表明する機会を得ながら、
相手がどのような立場の人間であるかを確かめないということは、
政治家として通常あり得ないことです。相手が誰か知らなかったという説明で、
疑問は深まるばかりです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-14/2014091402_03_1.html
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安倍晋三首相を含めて第2次安倍改造内閣の19人の閣僚のうち15人が、
日本の侵略戦争を正当化する改憲・右翼団体「日本会議」を支援するためにつくられた
「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)の所属議員であることが、
本紙が入手した同議連の名簿などから明らかになりました。

超タカ派・改憲勢力が政権中枢に躍り出た形で、まさに「日本会議」内閣です。


2013年2月現在の役員表によると、
日本会議議連には安倍首相と麻生太郎副総理・財務相が特別顧問に就任。

高市早苗総務相、菅義偉官房長官、下村博文文部科学相が副会長、
山谷えり子国家公安委員長が政策審議会長、有村治子女性活躍担当相は政策審議会副会長を務めています。
衛藤晟一、礒崎陽輔両首相補佐官、加藤勝信官房副長官らも役員に名を連ねます。


自民党役員でも、谷垣禎一幹事長が同顧問、稲田朋美政調会長が政策審議会副会長を務め、
また茂木敏充選対委員長も議連メンバーです。



日本会議は「憲法改正をめざす国民運動」を進めるとして各地でフォーラムなどを開催。

同議連や地方議員懇談会が、地方議会で
「憲法改正の早期実現」を求める意見書を採択させる先頭にたっています。


また、日本会議は「男らしさや女らしさを否定する
男女共同参画条例が各県で制定され、子供や家庭をめぐる環境がますます悪化」
しているなどとして男女共同参画や夫婦別姓に反対。


2010年3月の「日本の国柄と家族の絆を守るためストップ!夫婦別姓」と題した集会には、
高市、山谷、有村、稲田各氏が参加して意見表明。

同11月の集会では、山谷氏が「国民世論を無視している」と夫婦別姓に反対を表明しています。


安倍内閣が憲法破壊と歴史修正を
強引に推し進める根源に、
これら極右グループの存在があります。



今年2月に米議会調査局がまとめた報告書は「日本会議」を名指しで警戒。

「安倍氏は、戦時中の行為について、
 日本は不当な批判を受けていると議論するグループと連携」とし、
 安倍政権の歴史修正の動きの背景に日本会議の存在があるとしました。



日本会議国会議員懇談会に加入する閣僚
 安倍晋三総理
 麻生太郎副総理
 高市早苗総務相
 岸田文雄外相
 下村博文文科相
 塩崎恭久厚労相
 望月義夫環境相
 江渡聡徳防衛相
 菅義偉官房長官
 竹下亘復興相
 山谷えり子公安委員長
 山口俊一沖縄・北方相
 有村治子女性活躍相
 甘利明経済再生相
 石破茂地方創生相



日本会議国会議員懇談会 

1970年代から改憲や元号法制化、夫婦別姓反対の運動を進めていた
右翼改憲団体を再編・総結集し、97年に発足したのが「日本会議」です。

「日本会議国会議員懇談会」は、「日本会議」発足の動きに呼応して同年5月に発足。

日本の侵略戦争は「アジア解放」の「正義の戦争」だったと美化する「靖国」派の歴史観に立ち、
「自主憲法制定」、天皇元首化のほか、国民に「国防の義務」を課すべきだ
などの主張を展開してきました。

自民党のほか、民主党、日本維新の会、次世代の党、
みんなの党などの国会議員が加盟。同懇談会の資料によれば、2013年2月現在、
231人の国会議員が加盟しています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-06/2014090601_01_1.html
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日本会議のメンバーの中に民主党の党員もいることに注目。
民主党は極右にとっては左翼政党らしいが、実際は右翼も左翼もないまぜになった混合政党だ。


上の記事でネオナチとつながりがあるとされる稲田朋美は最近、次のような騒動を起こした。



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自民党の稲田朋美政調会長は25日のBS番組で、
安倍晋三首相が目指している「戦後70年新談話」をめぐり、

「(村山談話にある『植民地支配と侵略』など)個々のどのキーワードが入っているかどうかは、
  総理自身もいっているように、私はそういうことではないと思う」と述べました。


また日本軍「慰安婦」問題について謝罪した「河野談話」について稲田氏は、
「強制性はなかった。(韓国側と)すりあわせた形での政治的決着として談話が
できたことは確定、検証された」と述べ、「性奴隷」として強制された実態を否定しました。


稲田氏は24日にも都内で、「マスコミや野党の一部は(村山談話の)ある言葉を入れろとか、
いろいろいっているが、総理の談話だから総理に任せるべきだ」と述べました。


さらに日本の戦前の戦争指導者の責任が断罪された「東京裁判」について、
「サンフランシスコ条約11条は、(東京裁判判決の)主文は受け入れているが、
(判決)理由中の判断に拘束されるいわれはない」と述べました。

「東京裁判で思考停止になるのではなく、戦争を総括し反省する」とも述べました。
全面的な歴史偽造を推進する宣言です。


稲田氏は11日、広島県呉市で「日本会議」が建国記念の日に開いた式典でも、
「いわれなき非難に対して断固として日本の立場を示すことも、
『東京裁判』史観からの脱却につながる」などと述べていました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-26/2015022602_02_1.html

稲田朋美自民党政調会長の発言は、
第1回有識者会合など安倍首相の「戦後70年新談話」に向けた動きが本格化する時期に合わせ、
政権党の政策責任者として日本の侵略戦争を正当化し、
「慰安婦」制度の問題を否定する意思を強く示したもので極めて重大です。


戦後の国際政治へ日本が復帰をはたす一つの土台となったサンフランシスコ平和条約は11条で、
日本の侵略戦争とその開戦責任をはじめとする戦争犯罪を断罪した東京裁判の判決を受諾しています。

この東京裁判について稲田氏は「判決主文は受け入れたが理由中の判断に拘束されない」と述べました。


これは日本の戦争指導者への「死刑」を宣告するなどした判決の「主要部分」は受け入れるが、
その前提となる事実認定は受け入れないというもので、
日本の戦争が侵略戦争だったという事実を否定することに等しい認識を示したものです。


東京裁判判決を受け入れ、侵略戦争否定の歴史認識を示すことで
日本は国際連合中心の戦後の国際秩序に加わり、
憲法前文で確認した平和と民主主義を戦後日本政治の原点としました。

これを否定する稲田氏の発言は、安倍政権が
よりどころとする「同盟国」=アメリカとの軋轢(あつれき)も激しくすることになります。


そもそも裁判で宣告された刑は受け入れるが、
犯罪の事実の認定は認めないなどというのも、まったく成り立たない稚拙な議論です。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-26/2015022602_03_1.html
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自民も維新も表面的にはヘイトスピーチに反対しているが、
実際には人種差別団体と同じ主張を掲げる極右団体が中枢にいるのである。

映画『フォックスキャッチャー』感想(ネタばれあり)

2015-02-26 00:17:04 | 浅学なる道(コラム)
アメリカ映画の最大の特徴として「強いアメリカ」というものが挙げられる。

わかりやすいのが鬱エンディングで有名なパニック映画『ミスト』で、
霧の中、怪物に囲まれ孤立無援となった絶望的状況を州軍が簡単に解決してしまう。

独裁→アメリカ軍介入→民主化&万事解決というイデオロギーが戯画化されているのだ。


同様にハリウッド版ゴジラでも、何かと犠牲を強いられ、時には敗北を喫する
日本版と違い、アメリカ版は特に犠牲も苦労もなく簡単にゴジラを倒してしまう。


極めつけが冒険活劇『インディ・ジョーンズ』シリーズで、
ナチスやソ連といったアメリカの敵に勝利する物語がそこでは描かれている。

2作目は一応、舞台はインドで変な宗教集団が敵になっているが、
これは見る人が見れば、ベトコンのメタファーであることにすぐに気づく。


このシリーズでは、悪役はことごとく悲惨な最期を迎えており、
2作目ではインディの活躍により邪教徒に支配された村々が解放され、
自由な社会へと生まれ変わるというわかりやすいアメリカン・ヴィクトリーが描かれている。

まさに、強いアメリカは弱者の指導者となり、正しい結果をもたらすのだ。



(http://youtu.be/M_8_o_2sc0Eより)

2月14日より公開されている映画『フォックスキャッチャー』は
弱いアメリカを描いた稀有な、それだけに価値ある作品の1つだ。


主人公であるマーク・シュルツはオリンピック・金メダリストなのだが、
これといった援助を受けることができず、貧しい暮らしを送っていた。


まず、このアメリカの勝利の象徴である金メダリストが
国に守られず、惨めな生活をしているという描き方が斬新。



上の写真を見ても、スポンサーのジョン・デュポン(右)が堂々としているのに対して
体力的に圧倒的に優位に立っているはずのマーク・シュルツ(左)はどこか情けない。


マークはアメリカの大財閥、デュポン社の御曹司(といっても中年の男性)である
ジョン・デュポンから自身が所有するチーム「フォックス・キャッチャー」に
入団することを条件に、多額の資金援助をするという誘いを受ける。


アメリカは救うべき人間を救わないとジョンは言う。


結果を出したにも関わらず、何の恩恵も受けていないマークにとって
ジョンの言葉は、深く心に響いてくるものだった。


ジョンは兄であるデイブにも入団を勧めるが、デイブは誘いを断る。
事実上の育ての親でもあり、名コーチでもある兄と離れ離れになることを
悲しみながらも、マークは恵まれた環境でトレーニングを積み、見事、国際試合で優勝する。


とまぁ、ここまではトントン拍子なのだが、
この辺からジョンがレスリングチームを作ったのは、
自分の手で強いアメリカを生み出すこと、それを母親に見せて自分を認めてもらうこと
という思いっきり個人的な理由があったからだということが次第にわかってくる。


(http://i.ytimg.com/vi/Fi1m6wdJEK4/mqdefault.jpg)

デュポンを一言で表すならば、
アメリカ版三島由紀夫である。



自分のことを「イーグル(アメリカの象徴はワシ。ちなみに中国は竜、ロシアは熊)」
と呼ばせたがり、愛国者を自称し、自分の手でアメリカに勝利をもたらすことを夢見ている。


父親を演じることに憧れ、自分が作らせたドキュメンタリー番組では
自分が選手の第二の父親であり、主導者なのだということを高らかに宣言する。


ミリタリー・マニアでもあり、部屋にはライフルや拳銃のコレクションがあり、
戦車まで揃えるほどの熱の入り様だ(おまけに機関銃が取り付けられていないと文句まで言う)


軍人?らと共に射撃訓練に興じ、時にはトレーニングルームの天井を撃ち、
周囲の注目を浴びようとする典型的な劇場型の人間。それがデュポンだ。


彼自身もレスリング大会に出場し優勝トロフィーを獲得しているが、
実は、スポンサーである彼を気遣って勝たせてもらっているだけであり、
実際には大したことがない。

よろよろと組み手をしている様子は、かなり滑稽であり、
彼が名ばかりの監督兼コーチであることが瞬時に理解できる演出になっている。


競走馬の飼育に専念する母親と対立しているが、競馬がイギリスのスポーツであることをふまえれば、
これはイギリス(元宗主国)とアメリカ(元植民地)の関係を上手く表現したものだと言えよう。


(https://www.major-j.com/upload/info/images/campaign_photo704.gif)

ほぼ素人のデュポンが監督兼コーチである点からお察しの通り、
次第にフォックスキャッチャーのメンバーは、退廃した生活を送るようになる。

デュポン自体が兄からの自立を促し、コカインを勧めるという
どこの不良だとツッコミを入れたくなる指導?をマークに行う。

(スピーチ直前で緊張している彼を元気づけるつもりだったらしいが)


結果的に半中毒者となり、髪を伸ばし、練習をさぼりがちになるマークとメンバーたち。
だが、それはマークにとっては初めての自立であり、兄への反抗だった。


ただでさえ母親に自分を認めてもらえず、苛立ちを隠せない時に
チームの自堕落な様子を見てかんしゃくを起こすデュポン。


マークに、一度は断られたデイブを再度スカウトするよう求める。

それはすでに終わったことと断るマークを殴りつけ、恩知らずの猿と罵倒し、
兄のほうを雇うべきだったと彼のプライドを傷つける言葉を吐く。


その日、マークは髪を刈り上げ、デュポンに与えられた偽りの自立を捨てる。



(http://i.ytimg.com/vi/zWNHlt3mEOk/0.jpg)

内心、いつもデイブの弟としか見られないことにコンプレックスを抱いていたマーク。

デイブにもデュポンにも敵意を見せ、自力で試合に臨もうとする。
が、案の定、コーチがいないため、思うように結果が出せない。
いろいろあって、マークはデイブと和解し、彼の指導を受けることにする。


この映画でデイブは父性と母性を表している。

親の代わりに弟を育ててきた人格者であり、
選手としてもオリンピックで金メダルを取得し、
コーチとしても的確な指導をし、選手を勝利へと導く超人でもあるデイブ。

美人の妻と可愛い子供を持つマイホーム・パパであり、
家族を守ることを何よりの喜びとする。


態度の悪い弟に対しても一度も罵声を浴びせず、
ただひたすらにデュポンと何かあったのかと心配する。


まさに完全にして完璧な父親である。
聖書、放蕩息子と検索してほしい。まさにデイブとマークは放蕩息子の親子そのものだ。
(アメリカがプロテスタントの国家であることを踏まえると、この描写はかなり興味深い)


(http://ww3.sinaimg.cn/large/9e520155jw1envnf00063j20go0b4abq.jpg)

結局、マークはデイブという神の愛なしに勝つことができなかった。
弟ではない自分になれなかった。それがマークの自己嫌悪と不調へとつながっていく。


ソウルオリンピックでデイブとデュポンの指導を受けながら、
結果を出せず敗北してしまうマークは二人の父親に振り回される息子のようだ。


国家や教会の掲げる愛と正義に振り回され、孤立していくアメリカ人。
本作でマークが自力で勝利するシーンはわずかワンシーンしかない。

あとはひたすら負け、負け、負けだ。
弱いアメリカをここまで描いた作品はそうはないと思う。




(http://eigakansou.com/wp-content/uploads/2015/01/foxcatcher.jpg)

フォックスキャッチャーを辞め、兄とも別れを告げ、
異種格闘技(ようするに賭け試合)で生計を立てるマーク。

それは、かつて仲間に「ああはなりたくないものだな」と侮蔑された生き方だった。


「U.S.A!U.S.A!」という歓声を受けながらリングに上がるところで物語は終わる。


結局のところ、この作品は
デュポンが示す「アメリカの愛」とデイブが示す「キリストの愛」の板挟みに悩まされ、
挫折によって、双方から解放される様をドラマティックに描写したものなのだろう。



(http://u.jimdo.com/www58/o/sd2b0ec37a12ecd48/img/i87ff6a0b309a4737/1411048038/std/image.jpg)


この作品は、シュルツを殺害するデュポンの狂気が全面的に押し出されて宣伝されているが、
実際には、気難しい人物といったぐらいの演出で、言われるほど異常性は強調されていない。


マークとデュポンの関係も、オーナーと選手以上のものではなく、
お互いに信頼しあっているわけでも、理解しあっているわけでもない。


むしろ、デュポンと絶交してからマークは彼と全く会話せず、
問題のシーンまでデュポンの影は薄い。ようするに空気だ。


誰よりも父親であることに憧れ、指導者である自分にこだわったデュポン。
それはアメリカそのものであり、彼の愛するイーグルや銃はアメリカの正義のシンボルでもある。



勝利にこだわるあまりにデイブを雇ったデュポンだが、それは父親の役割を自ら売り渡すことだった。

もはや、彼を父と慕う者はいない。マークは去った。
アメリカの夢は敗北をもって終わったのだ。


デュポンの殺害動機は本作の最大の謎の1つだが、しいて言うならば、
それはアメリカの敗北を認められない愛国者の最後のあがきだったのかもしれない。




以上が「弱いアメリカ」を描いた意欲作『フォックスキャッチャー』の感想だ。


正直、娯楽性は大してない。面白い作品ではない。
だが、アメリカの傀儡国家イラクでアメリカの敵を次々と撃ち殺す凄腕の射手を描いた
『アメリカン・スナイパー』(直球すぎるタイトルだ!)よりは本作のほうが価値がある。


日本でも弱い日本兵を描いて古参の右翼のブーイングを受けた映画、
『永遠の0』があるが、これは内容自体は逆に右傾化を促すものであり、
『フォックスキャッチャー』のように反省を迫るものになっていない。


この辺の違いが、なんだかんだで
アメリカのほうが健全な言論を発信している何よりの証拠なのかもしれない。

(アメリカ批判として有名なチョムスキーもサイードも
 アメリカ在住の人間だ。アメリカでは言論の自由は確かに約束されている。
 問題は、まともな意見が発信されても政府や社会が全力で無視していることだ)