電話がもたらす優しい誤解

無期懲役から釈放された男性の17年半を想像しました、島岡美延です。この「取り返しのつかない事態」に、裁判員はどう向き合っていくのでしょうか・・・。
今日は、映画「ガマの油（６日公開）」をご紹介します。とっさについた小さな嘘が、不思議なあと味をもたらす素敵なお伽噺、役所広司の初監督作品です。
大豪邸で、何台ものＰＣで株を売買する拓郎（役所）、プールを掃除したり、コロッケ作りが得意な妻・輝美（小林聡美）、その一人息子・拓也（瑛太）。拓也は光（二階堂ふみ）とのデートを切り上げ、少年院を出所する親友を迎えに急ぐ途中、交通事故に・・・。病院で目を覚まさない息子を見守る拓郎は、息子の携帯にかかってきた光の呼びかけに、つい、拓也のふりをしてしまう。
演技自体が初めてという二階堂ふみの輝きが印象的です。あ、「ガマの油」売りの益岡徹も怪演！？　携帯で繋がる心、真実に向き合ったとき、見えたものは・・・。悲しいけど、優しい気持ちになりました。